[スポンサーリンク]

化学一般

麺の科学 粉が生み出す豊かな食感・香り・うまみ

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4065167450″ locale=”JP” title=”麺の科学 粉が生み出す豊かな食感・香り・うまみ (ブルーバックス)”]

概要

うどん、蕎麦、ラーメン、パスタ、素麺、ライスヌードル―あらゆる麺の秘密を科学する。麺の材料になる粉の成分と、製造工程で起こる変化や、麺の形、そしてゆで方、炒め方、ソースやつゆの絡み方など、おいしさを左右する、さまざまな要因が―。何が食感をよくし、何が香りや風味の素となるのか。くわえて、さまざまな実験を通して明らかになる、麺をよりおいしく食べるコツの数々を教えます!

対象の読者

麺を食べることが好きな人

目次

  • 第1章 小麦粉、蕎麦粉、米粉――麺を作る粉の科学
  •  小麦粉/蕎麦粉/米粉/片栗粉/タピオカ
  • 第2章 こんなにある! おいしい麺いろいろ
  •  素麺と冷や麦の違いとは?/各地のうどんときしめん/中華麺/パスタ/日本蕎麦/
  •  冷麺は蕎麦粉から/ライスヌードル
  • 第3章 麺の栄養学
  •  三大栄養素と微量栄養素/タンパク質のアレルギー/遺伝子組み換え作物とは
  • 第4章 科学の力で麺をおいしく
  •  麺をおいしくゆでる/素麺をおいしく食べる/重曹のかわりを探して――うどんの食感/
  •  かきまぜタイミングで即席麺をおいしく/チルドうどんと電子レンジ/冷凍麺のおいしさの秘密/
  •  うどんの歯ごたえを増す裏技/スパゲッティをゆでるとき食塩を入れますか?/パスタはゆでないほうがおしい?/
  •  麺の香り/日本蕎麦の香りとのど越し/だしのうま味とはなにか/ラーメンの脂をまろやかに
  • 第5章 麺の科学NG集
  •  うどんのゆで水、pHを下げすぎると……/うどんだって蒸し調理で時短になるはず?/
  •  水浸漬の末もろくも崩れた日本蕎麦/麺をスープに、スープを麺に?

著者

山田 昌治:工学院大学先進工学部応用化学科食品化学工学研究室教授。工学博士。
1953年生まれ。1977年京都大学工学部化学工学科卒業、1979年同大学院修士課程修了。秋田大学鉱山学部資源化学工学科助手などを経て、1988年日清製粉株式会社に入社し、パスタなど食品の研究開発に携わる。2010年より現職。専門は、化工物性・移動操作・単位操作、食品科学など。テレビのコメントでも活躍。著書に『トコトンやさしい粉の本』(共著、日刊工業新聞社)など。

内容

麺に関する解説本で、第一章から第三章までは、様々な麺の生い立ちや製法、構造、栄養素について解説しています。一般的に言われていることを、SEM画像や構造式などを用いて科学的に解説していて、理系にとっては大変興味をそそられる内容となっています。いろいろな麺の中でうどんについての解説が多く、讃岐うどんや稲庭うどんなど、地域うどんの違いについて論じられています。うどん好きでありながら銘柄については気にしていなかった自分にとっては、違いを理解することができました。

この本のクライマックスは第四章の著者の研究成果で、主においしい麺の茹で方を研究した結果が掲載されています。具体的には、引張圧縮試験機を用いて、茹でた後の麺のひずみと応力を測定しています。麺に力がかかると応力も増加し最終的には麺が切断されますが、切断される前までの最大の応力を歯ごたえととらえて比較しています。麺の業界では、スタンダードな評価方法なのかもしれませんが、口の中で感じる現象を科学的に考察していて、違いが分かりやすいと思いました。この手の測定では誤差が大きく信頼性がわからないことがありますが、繰り返し誤差によって有意性も評価されていて説得力のあるデータとなっていることも評価できる点だと思います。四章で終わりではなく、うまくいかなかった検討をまとめて第五章の検討もまた大変面白い内容になっています。具体的には、パスタで良い結果が得られた茹で方をうどんに適用したら大失敗したことなどが書かれていて、麺によって性質が大きく変わることが分かる内容となっています。第四章と第五章の検討は、テレビ企画の中で行われた実験をまとめたようで、企画の中で起こった事件や著者の感じたことを面白おかしく本文中ところどころに添えられています。

引張圧縮試験機の一例(エー・アンド・デイ)治具が一定速度で降下してきて物体に当たるとかかっている力が記録される

ブルーバックスシリーズはどれも分かりやすくまとまっていて、すぐに読み終えてしまいます。この本に関しても同様であるものの、データが多く掲載されていて印象に残る内容となっていました。読み終われば、必ず麺を食べたくなります。

Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. ドラえもん探究ワールド 身近にいっぱい!おどろきの化学
  2. すごい分子 世界は六角形でできている
  3. その病気、市販薬で治せます
  4. 東大キャリア教室で1年生に伝えている大切なこと: 変化を生きる1…
  5. 化学オリンピック完全ガイド
  6. 有機金属反応剤ハンドブック―3Liから83Biまで
  7. PythonとChatGPTを活用するスペクトル解析実践ガイド
  8. Guide to Fluorine NMR for Organi…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第六回 多孔質材料とナノサイエンス Mike Zaworotko教授
  2. ロゼムンド・リンドセー ポルフィリン合成 Rothemund-Lindsey Porphyrin Synthesis
  3. マテリアルズ・インフォマティクスのためのデータサイエンティスト入門
  4. ベンジル保護基 Benzyl (Bn) Protective Group
  5. 光で2-AGの量を制御する
  6. ヒドラジン合成のはなし ~最新の研究動向~
  7. ヘテロ環、光当てたら、減ってる環
  8. 日本薬学会第125年会
  9. 2016 SciFinder Future Leadersプログラム参加のススメ
  10. フェニル酢酸を基質とするC-H活性化型溝呂木-Heck反応

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2019年9月
月 火 水 木 金 土 日
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

注目情報

最新記事

2026年ノーベル化学賞ケムステ予想当選者発表!

2026年のノーベル化学賞は、「不斉有機合成における非線形効果および自己触媒作用の発…

第64回ケムステVシンポ「データとともに進化する未来の化学」を開催します!

第64回ケムステVシンポの会告を致します。産業技術総合研究所主催の化学シンポジウムシリーズ(…

品質工学とマテリアルズ・インフォマティクス ― 両技術の概要と連携事例

開催概要材料開発やものづくりの現場では、探索すべき組成やプロセス条件が増えるほど組み合わせが爆発…

大学院留学してよかったこと, 悪かったこと【英語, 経済面, オーバードクターに関するお話】

海外の大学で、その大学に籍を置く大学 (院) 生として留学することは「学位留学」と呼ばれたりします。…

光前駆体法の活用によって、ヘプタセンで初の一重項分裂を観測!

第725回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院 理学研究科化学専攻 有機元素化学研究室(山田研…

【スタッフ・寄稿募集】Chem-Stationで、化学を「伝える側」になりませんか?

Chem-Station(ケムステ)は2000年に開設された国内最大の化学ポータルサイトです。大学・…

第17回大津会議―とある参加者の記録―

2026年9月28日~29日に開催された第17回大津会議についての、とある参加者の記録です。この記事…

第17回大津会議 -Otsu Conference- 2026 開催報告 ~新体制で紡ぐ「有機合成の夢」~

第17回大津会議が2026年9月28日(月)〜9月29日(火)びわ湖大津プリンスホテルにて開催されま…

有機合成化学協会誌2026年10月号:医薬品プロセス開発・σ芳香族性・含窒素複素環・メロテルペノイド二量体・高歪み化合物

有機合成化学協会が発行する「有機合成化学協会誌」2026年10月号がオンラインで公開されています。…

時代は水だ! セメントのように水と混ぜるだけで成形・硬化できる「水硬性」高分子

第724回のスポットライトリサーチは、東京科学大学物質理工学院(大塚研究室)博士前期課程2年の徳満玲…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP