[スポンサーリンク]

N

ノリッシュ反応 Norrish Reaction

 

概要

カルボニル化合物に光照射を行うと、ビラジカル中間体を経て結合開裂反応が起こる。

アシルラジカルへと開裂するものをI型開裂、γ-水素引き抜きを伴う開裂をII型開裂と呼称する。

 

基本文献

  • Norrish, R. G. W.; Bamford, C. H. Nature 1936, 138, 1016. doi:10.1038/1381016a0
  • Norrish, R. G. W.; Bamford, C. H. Nature1937, 140, 195. doi:10.1038/140195b0
  • Barton, D. H. R.; Charpiot,B.; Ingold, K. U.; Johnston, L. J.; Motherwell, W. B.; Scaiano, J. C.; Stanforth, S.
  • J. Am. Chem. Soc.1985, 107, 3607. DOI: 10.1021/ja00298a034
  • Hwu, J. R.; Gilbert, B. A.; Lin, L. C.; Liaw, B. R. J. Chem. Soc. Chem. Commun.1990, 161. DOI: 10.1039/C39900000161
  • Nuss, J. M.; Murphy, M. M. Tetrahedron Lett.1994, 35, 37. doi:10.1016/0040-4039(94)88156-1
  • Henin, F.; M’Boungou-M’Passi, A.; Muzart, J.; Pete, J.-P. Tetrahedron1994, 50, 2849. doi:10.1016/S0040-4020(01)86998-2

<Review>

<photochemical reaction in total synthesis>

 

反応機構

norrish_2.gif

反応例

(+)-juvabioneの合成[1] norrish_3.gif ベンジル位C-H結合を標的としたNorrish II型反応を行うと、o-キノジメタン中間体を生じ、引き続く[4+2]付加環化に用いることが出来る。以下はestrone合成への応用例[2]。 norrish_4.gif

実験手順

Pyrex tubes中のケトン(215 mg, 1.01 mmol)のメタノール溶液MeOH (100 ml)を25分間脱気する。その後、その溶液をRayonet Photochemical Reactor (Lamp 300 nm)により30分間室温で光照射する。反応後、溶媒を柳居し得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー[hexane-AcOEt (19:1~9:1 v/v)]で精製し、アルデヒド (149mg, 69%)を得る[1]

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Itagaki, N.; Iwabuchi, Y. Chem. Commun. 2007, 1175. DOI: 10.1039/B616641E
[2] Quinkert, G.; Stark, H. Angew. Chem. Int. Ed. 1983, 22, 637. DOI: 10.1002/anie.198306373

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

a

The following two tabs change content below.
cosine

cosine

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。 関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。 素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. クラプコ脱炭酸 Krapcho Decarboxylation
  2. 市川アリルシアナート転位 Ichikawa Allylcyana…
  3. グロブ開裂 Grob Fragmentation
  4. ウギ反応 Ugi Reaction
  5. N-オキシドの合成 Synthesis of N-oxide
  6. ダルツェンス縮合反応 Darzens Condensation
  7. アジフェーズ法 AJIPHASE Method
  8. 交差アルドール反応 Cross Aldol Reaction

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 【書籍】化学探偵Mr.キュリー3
  2. 犬の「肥満治療薬」を認可=米食品医薬品局
  3. ジェイ・キースリング Jay Keasling
  4. 高透明性耐熱樹脂の開発技術と将来予測【終了】
  5. 芳香族カルボン酸をHAT触媒に応用する
  6. パッションフルーツに「体内時計」遅らせる働き?
  7. 書物から学ぶ有機化学 2
  8. ポリエチレンなど合成樹脂、値上げ浸透
  9. 血液―脳関門透過抗体 BBB-penetrating Antibody
  10. ヒュー・デーヴィス Huw M. L. Davies

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

化学的に覚醒剤を隠す薬物を摘発

化学変化を加えると覚醒剤に加工できる指定薬物を密輸しようとしたなどとして、東京税関成田支署と成田空港…

ニコラス-ターナー Nicholas Turner

ニコラス ターナー (Nicholas Turner, 1960年6月2日イギリス、ケント州Orpi…

博士課程に進学したあなたへ

どういった心構えで研究生活を送るべきかについて、昨年ですが面白い記事がNatureに出ていたので、紹…

【書籍】フロンティア軌道論で理解する有機化学

「軌道の見方がわかる!有機反応を一貫して軌道論に基づいて解説。新しい有機化学を切り拓く読者へ…

少量の塩基だけでアルコールとアルキンをつなぐ

カリウムtert-ブトキシドを触媒とするα-アルキルケトン合成法が報告された。遷移金属を用いず、高い…

日本薬学会第139年会 付設展示会ケムステキャンペーン

日本化学会年会では毎年恒例の付設展示会ケムステキャンペーンを行いました。さて、本日から日本薬…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP