[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

デイヴィッド・リウ David R. Liu

[スポンサーリンク]

 デイヴィッド・R・リウ (David R. Liu、1973年6月12日-)は、アメリカの有機化学者・生化学者である(写真:hhmi.org)。ハーバード大学化学・生物化学科教授(写真:Harvard Gazette )。

経歴

1973年、リバーサイドに生まれる。

1994 ハーバード大学卒 (E.J.Corey教授)
1999 カリフォルニア大学バークレイ校 博士号取得 (P.G.Schultz教授)
1999 ハーバード大学 助教
2003 ハーバード大学 准教授
2005 ハーバード大学 教授
2015 Broad Institute of Harvard and MIT研究員兼任
2016 Broad Institute of Harvard and MITコアメンバー

ハワード・ヒューズ医学研究所研究員を兼任(2005年-)

 

受賞歴

2004 ACS アーサー・C・コープ スカラー賞
2005 Yoshimasa Hirata Memorial Lecturer
2006 ACS Pure Chemistry Award

 

研究

DNA-Templated Synthesis[1]

DNAでタグ付けされた小分子は、DNAに記録されている情報に従った順序で反応する。すなわち、相補的なDNA鎖同士がまず二重鎖を形成し、近傍に位置された分子同士が適切に反応する。DNA鎖の塩基配列を適切に設定する事で、おなじ溶液中でも混合物を生成せず、望みの分子同士を反応させることが可能。 DNAが持つ情報を抽出する過程を挟む事で、新規生理活性化合物[2]や新規有機合成反応[3]の効果的探索法へも発展可能。

dr_liu_3.jpg
dr_liu_2.gif
(画像:Liu Group)

進化工学的手法を用いるバイオケミストリー

 

  • コメント&その他
  1. ポピュラー・サイエンス誌が毎年10人選定する、世界的に傑出した科学者“Brilliant 10”に弱冠31歳にて選ばれています。

 

関連文献

  1.  Li, X.; Liu, D. R. Angew. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 4848. [abstract]
  2. Gartner, Z. J.; Tse, B. N.; Grubina, R.; Doyon, J. B.; Snyder, T. M.; Liu, D. R. Science 2004, 305, 5690. DOI: 10.1126/science.1102629
  3. Kanan, M. W.; Rozenman, M. M.; Sakurai, K.; Snyder, T. M.; Liu, D. R. Nature 2004, 431, 545. doi:10.1038/nature02920

others

  •  Huai, Q.; Kemp, M. M.; Vishwanath, P.; Kain, W.; Evdokimov, A.; Moshiri, F.; Turner, K. H.; Wang, P.; Malvar, T.; Liu, D. R. Nature 2016, 533,  58.
  •  Komor, A. C.; Kim, Y. B.; Packer, M. S.; Zuris, J. A.; Liu, D. R. Nature 2016, 533 , 420
  • Pattanayak, V.; Thompson, D. B.; Zuris, J. A.; Liu, D. R. Nature Chemical Biology 2015, 11, 316.
  •  Maianti, J. P.; McFedries, A.; Foda, Z. H.; Kleiner, R. E.; Du, X.-Q.; Leissring, M. A.; Tang, W.-J.; Charron, M. J.; Seeliger, M. A.; Saghatelian, A.; Liu, D. R. Nature 2014, 511, 94.
  •  Lutz, J.-F.; Ouchi, M.; Liu, D. R.; Sawamoto, M. Science 2013, 341 , 628.
  •  Niu, J.; Hili, R.; Liu, D. R. Nature Chemistry 2013, 5, 282.

関連書籍

 

外部リンク

 

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ウィリアム・キャンベル William C. Campbell
  2. ジョン・グッドイナフ John B. Goodenough
  3. シェリル・サイ Shiou-Chuan (Sheryl) Tsa…
  4. デイヴィット・ベイカー David Baker
  5. アーウィン・ローズ Irwin A. Rose
  6. 沼田 圭司 Keiji Numata
  7. 加藤 昌子 Kato Masako
  8. シャンカー・バラスブラマニアン Shankar Balasubr…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 化学者のためのエレクトロニクス入門② ~電子回路の製造工程編~
  2. 第16回 教科書が変わる心躍る研究を目指すー野崎京子教授
  3. 有機合成化学協会誌6月号:ポリフィリン・ブチルアニリド・ヘテロ環合成・モノアシル酒石酸触媒・不斉ヒドロアリール化・機能性ポリペプチド
  4. 「つける」と「はがす」の新技術|分子接合と表面制御 R4
  5. 植物の受精効率を高める糖鎖「アモール」の発見
  6. 日本に居ながら、ナマの英語に触れる工夫
  7. 岩谷産業がセシウム化合物を取り扱っている?
  8. エチオ・リザード Ezio Rizzardo
  9. 第45回―「ナノ材料の設計と合成、デバイスの医療応用」Younan Xia教授
  10. 室内照明で部屋をきれいに 汚れ防ぐ物質「光触媒」を高度化

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2008年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

フローマイクロリアクターを活用した多置換アルケンの効率的な合成

第610回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院理学研究科(依光研究室)に在籍されていた江 迤源…

マリンス有機化学(上)-学び手の視点から-

概要親しみやすい会話形式を用いた現代的な教育スタイルで有機化学の重要概念を学べる標準教科書.…

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP