[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ロバート・グラブス Robert H. Grubbs

 ロバート・H・グラブス(Robert H. Grubbs, 1942年2月27日-)はアメリカの有機化学者である(写真:HKBU)。米国カリフォルニア工科大学教授。
「メタセシスを用いる有機合成方法論の開発」により、2005年ノーベル化学賞を受賞。 まだまだ現役の研究者です。

経歴

1942年2月27日にケンタッキー州で生まれる。

フロリダ大学にて1963年に学士号、1965年に修士号を取得。その後、コロンビア大Ronald Breslow教授の下で1968年に博士号(Ph.D.)を取得する。スタンフォード大J.P.Collmannの下で一年間ポスドクを経た後、ミシガン大学でポストを得る。1978年にカリフォルニア工科大学(カルテク)の教授となり、現在に至る。

カルテクに移った後に、Grubbs第一世代・第二世代触媒というオレフィンメタセシスに有効な触媒の開発に成功。有機化合物の合成法を革新した。本触媒はまた、リビング重合触媒としても用いることができ、石油化学・材料化学領域に対しても多大なインパクトを与えた。その功績により、2005年にRichard Schrock, Yve Chauvinとノーベル化学賞を共同受賞。

1968  コロンビア大学 博士号取得 (Ronald Breslow教授)
1968  スタンフォード大学 博士研究員(J.P.Collmann教授)
1969  ミシガン大学 助教授
1973  ミシガン大学 准教授
1978  カリフォルニア工科大学 教授
1990  カリフォルニア工科大学 ヴィクター・エリザベス アトキンス プロフェッサー

 

受賞歴

1974–76 Alfred P. Sloan Fellow
1975–78 Camille and Henry Dreyfus Teacher-Scholar Award
1975 Alexander von Humboldt Fellowship
2000 ACS Benjamin Franklin Medal in Chemistry
2000 ACS Herman F. Mark Polymer Chemistry Award
2001 ACS Herbert C. Brown Award for Creative Research in Synthetic Methods
2002 Tolman Medal
2003  Tetrahedron Prize
2003 トムソン・ロイター引用栄誉賞
2005  ノーベル化学賞
2005 Paul Karrer Gold Medal
2010 American Institute of Chemists Gold Medal

 

研究

オレフィンメタセシス反応に関する研究

Grubbs第一世代(1995)・第二世代触媒(1999)の開発、それを用いたオレフィンメタセシス反応の詳細な機構解析を行う。閉環メタセシス(ROM)・エンインメタセシス・クロスメタセシス(CM)を用いる有機合成化学における新規方法論の開拓。開環メタセシスポリメリゼーション(ROMP)・非環状ジエンメタセシスポリメリゼーション(ADMET)をもちいる種々の多官能基化・サイクリックポリマー[2]などの新規物質創成へも展開されている。

olefin_metathesis_4

 

最近ではさらに研究が進展しており、Z-選択的なメタセシス触媒の開発にも成功している[3]。

robert_grubbs_1

 

コメント & その他

  1. 紳士的でとても背の高い方(190cmはゆうにある)で、近くに居られると存在感の大きい方という印象でした。
  2. ノーベル賞受賞の前から、合成化学分野では名を知らない人がいないほど有名な研究者でしたが、今回の受賞で名声は歴史的に不動となりました。

 

名言集

 

関連動画

関連論文

  1. Grubbs’ Research Review:Tetrahedron 2004, 60, 7117.
  2. Bielawski, C. W.; Benitez, D.; Grubbs R. H. Science 2002, 297, 2041. [PubMed]
  3. Endo, K.; Grubbs, R. H. J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 8525. DOI: 10.1021/ja202818v

 

関連書籍

外部リンク

The following two tabs change content below.
cosine

cosine

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。 関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。 素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. チャンパック・チャッタージー Champak Chatterj…
  2. 山元公寿 Kimihisa Yamamoto
  3. ロルフ・ミュラー Rolf Muller
  4. ポール・ウェンダー Paul A. Wender
  5. 日本学士院賞・受賞化学者一覧
  6. 吉野 彰 Akira Yoshino
  7. 井上 将行 Masayuki Inoue
  8. F. S. Kipping賞―受賞者一覧

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 日本化学会ケムステイブニングミキサーへのお誘い
  2. 緑茶成分テアニンに抗ストレス作用、太陽化学、名大が確認
  3. 過塩素酸カリウム (potassium perchlorate)
  4. モーリス・ブルックハート Maurice S. Brookhart
  5. 化学に関係ある国旗を集めてみた
  6. 第32回「生きている動物内で生理活性分子を合成して治療する」田中克典 准主任研究員
  7. 環境対策と経済性を両立する電解酸化反応、創造化学が実用化実験
  8. 薬学会年会も付設展示会キャンペーンやっちゃいます
  9. 韓国チームがiPS細胞の作製効率高める化合物を発見
  10. センチメートルサイズで均一の有機分子薄膜をつくる!”シンプル イズ ザ ベスト”の極意

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

アルコールをアルキル化剤に!ヘテロ芳香環のC-Hアルキル化

2015年、プリンストン大学・D. W. C. MacMillanらは、水素移動触媒(HAT)および…

三種類の分子が自発的に整列した構造をもつ超分子共重合ポリマーの開発

第123回のスポットライトリサーチは、テキサス大学オースティン校博士研究員(Jonathan L. …

超分子化学と機能性材料に関する国際シンポジウム2018

「超分子化学と機能性材料に関する国際シンポジウム2018」CEMS International Sy…

アメリカで Ph. D. を取る –研究室に訪問するの巻–

この連載は、米国の大学院で Ph.D. を取得することを目指す学生が日記感覚で近況を記録するためのも…

光触媒ラジカルカスケードが実現する網羅的天然物合成

四川大学のYong Qinらは、可視光レドックス触媒によって促進される窒素ラジカルカスケード反応によ…

有機反応を俯瞰する ー縮合反応

今回は、高校化学でも登場する有機反応であるエステル合成反応を中心に、その反応が起こるメカニズムを解説…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP