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角田 佳充 Yoshimitsu Kakuta

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角田 佳充(かくた よしみつ)は、タンパク質の構造解析を研究している日本の高分子化学者である。
九州大学大学院 農学研究院・教授。第28回ケムステVシンポ講師

経歴

1990年               北海道大学理学部 高分子学科卒業
1992年               北海道大学大学院理学研究科 高分子学専攻 修士課程修了
1995年               北海道大学大学院理学研究科 高分子学専攻 博士課程修了
博士(理学)の学位取得 (指導教員:引地邦男 教授)
1995年~1999年 米国NIEHS/NIH visiting fellow
1999年~2001年 大阪大学大学院 理学研究科 生物学科 助手
2001年~2015年 九州大学大学院 農学研究院 准教授
2016年~現在      九州大学大学院 農学研究院 教授

受賞歴

・NIH Merit Award (1997年)
・NIEHS Best Paer Award (1998年)
・農芸化学奨励賞(日本農芸化学会)(2007年)

 

研究業績

硫酸転移酵素(Sulfotransferase)の構造生物学

硫酸転移酵素(Sulfotransferase; ST)には、低分子化合物、糖鎖、蛋白質チロシンを硫酸化する主な3種類が存在する。申請者は、これら3種類すべてについて、世界初の立体構造を報告した(ヒト蛋白質チロシンST1, 2、マウス-エストロゲンST3、ヒトヘパラン硫酸ST4)。さらに、ヒトから微生物にいたる様々なSTおよびその関連酵素の解析を行い、詳細な基質認識様式と触媒反応メカニズムを明らかにしてきた。これらの研究展開から、生物種を超えた硫酸化シグナルの情報伝達機構について、多くの知見を得ている5, 6。硫酸転移酵素の構造研究では、最先端の研究を展開していると考えている。

糖鎖関連酵素の構造生物学

糖鎖関連酵素については、結核菌糖脂質を認識するレクチン7、ピルビン酸転移酵素8、コンドロイチン糖鎖合成酵素9, 10、シアル酸糖鎖合成酵素、アルギン酸糖鎖分解酵素などの詳細な分子メカニズムを解明してきた。糖鎖の合成と分解の両面から生化学、生物物理学的手法により研究を進めることで、生命による糖鎖認識の本質解明に近づくことを目指している。

核酸関連酵素の構造生物学

DNA修復酵素であるRecJ11、tRNA成熟化酵素12等の立体構造解析を行ってきた。特にtRNA成熟化酵素RNase Pについては、クライオ電子顕微鏡の単粒子解析での研究を進めている。

関連文献

[1] Crystal structure of human tyrosylprotein sulfotransferase-2 reveals the mechanism of protein tyrosine sulfation reaction.
Teramoto T, Fujikawa Y, Kawaguchi Y, Kurogi K, Soejima M, Adachi R, Nakanishi Y, Mishiro-Sato E, Liu MC, Sakakibara Y, Suiko M, Kimura M, Kakuta Y.
Nat Commun. 2013;4:1572. doi: 10.1038/ncomms2593

[2] Structural basis for the broad substrate specificity of the human tyrosylprotein sulfotransferase-1.
Tanaka S, Nishiyori T, Kojo H, Otsubo R, Tsuruta M, Kurogi K, Liu MC, Suiko M, Sakakibara Y, Kakuta Y.
Sci Rep. 2017 Aug 18;7(1):8776. doi: 10.1038/s41598-017-07141-8

[3] Crystal structure of estrogen sulphotransferase.
Kakuta Y, Pedersen LG, Carter CW, Negishi M, Pedersen LC.
Nat Struct Biol. 1997 Nov;4(11):904-8. doi: 10.1038/nsb1197-904.

[4] Crystal structure of the sulfotransferase domain of human heparan sulfate N-deacetylase/ N-sulfotransferase 1.
Kakuta Y, Sueyoshi T, Negishi M, Pedersen LC.
J Biol Chem. 1999 Apr 16;274(16):10673-6. doi: 10.1074/jbc.274.16.10673.
68-0004(98)01182-7.

[5] Conserved structural motifs in the sulfotransferase family.
Kakuta Y, Pedersen LG, Pedersen LC, Negishi M.
Trends Biochem Sci. 1998 Apr;23(4):129-30. doi: 10.1016/s09

[6] The crystal structure of mouse SULT2A8 reveals the mechanism of 7α-hydroxyl, bile acid sulfation.
Teramoto T, Nishio T, Kurogi K, Sakakibara Y, Kakuta Y.
Biochem Biophys Res Commun. 2021 Jul 12;562:15-20. doi: 10.1016/j.bbrc.2021.04.113. Epub 2021 May 21.

[7] Structural insight into the recognition of pathogen-derived phosphoglycolipids by C-type lectin receptor DCAR.
Omahdi Z, Horikawa Y, Nagae M, Toyonaga K, Imamura A, Takato K, Teramoto T, Ishida H, Kakuta Y, Yamasaki S.
J Biol Chem. 2020 Apr 24;295(17):5807-5817. doi: 10.1074/jbc.RA120.012491. Epub 2020 Mar

[8] A rationally engineered yeast pyruvyltransferase Pvg1p introduces sialylation-like properties in neo-human-type complex oligosaccharide.
Higuchi Y, Yoshinaga S, Yoritsune K, Tateno H, Hirabayashi J, Nakakita S, Kanekiyo M, Kakuta Y, Takegawa K.
Sci Rep. 2016 May 19;6:26349. doi: 10.1038/srep26349.

[9] The chondroitin polymerase K4CP and the molecular mechanism of selective bindings of donor substrates to two active sites.
Sobhany M, Kakuta Y, Sugiura N, Kimata K, Negishi M.
J Biol Chem. 2008 Nov 21;283(47):32328-33. doi: 10.1074/jbc.M804332200. Epub 2008 Sep 19.

[10] Crystal structure of chondroitin polymerase from Escherichia coli K4.
Osawa T, Sugiura N, Shimada H, Hirooka R, Tsuji A, Shirakawa T, Fukuyama K, Kimura M, Kimata K, Kakuta Y.
Biochem Biophys Res Commun. 2009 Jan 2;378(1):10-4. doi: 10.1016/j.bbrc.2008.08.121. Epub 2008 Sep 2.

[11] The crystal structure of exonuclease RecJ bound to Mn2+ ion suggests how its characteristic motifs are involved in exonuclease activity.
Yamagata A, Kakuta Y, Masui R, Fukuyama K.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2002 Apr 30;99(9):5908-12. doi: 10.1073/pnas.092547099. Epub 2002

[12] Minimal protein-only RNase P structure reveals insights into tRNA precursor recognition and catalysis.
Teramoto T, Koyasu T, Adachi N, Kawasaki M, Moriya T, Numata T, Senda T, Kakuta Y.
J Biol Chem. 2021 Sep;297(3):101028. doi: 10.1016/j.jbc.2021.101028. Epub 2021 Jul 31.

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有機合成を専門とする教員。将来取り組む研究分野を探し求める「なんでも屋」。若いうちに色々なケミストリーに触れようと邁進中。

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