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ケー・シー・ニコラウ K. C. Nicolaou

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キリアコス・コスタ・ニコラウ (Kyriacos Costa Nicolaou, 1946年7月5日-)はアメリカの有機化学者である。米国ライス大学教授

経歴

1946年7月5日にキプロスのカラヴァス(Karavas)で生まれた。

1972年にロンドン大学でPh.D取得後、T.J.Katz教授(コロンビア大学)、E.J.Corey教授(ハーバード大学)の下で合計4年間ポスドクとして研究を行う。

その後ペンシルバニア大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)教授を歴任し、1996年より米国スクリプス主任研究員、また化学科のチェアマンの座についている。2013年ライス大学に移動した。

1972 ロンドン大学 博士号取得?
1972 コロンビア大学 博士研究員(T.J.Katz教授)
1973 ハーバード大学 博士研究員(E.J.Corey教授)
1976 ペンシルバニア大学 教授
1989 カリフォルニア大学サンディエゴ校 教授
1996 スクリプス研究所教授(主任)
2013 ライス大学教授

 

受賞歴

数々の新規な有機合成反応、多くの巨大複雑天然物の全合成を通じた有機合成化学界への貢献により、様々な賞を受賞している。
1988 日本学術振興会賞
1993 アメリカ化学会賞(ACS Award for Creative Synthetic Organic Chemistry)
1996 アメリカ化学会賞(Ernest Guenther Award in the Chemistry of Natural Products)
1998 アメリカ化学会賞(Gustavus John Esselen Award for Chemistry in the Public Interest)
1999 山田Prize
2000 Max Tishler Prize
2000 Paul Karrer Gold Medal
2001 名古屋メダル
2002 テトラヘドロン賞
2004 Aristeio Bodossaki Prize
2005 アーサー・C・コープ賞(Arthur C. Cope Award)
2006 Burckhardt-Helferich Prize, Germany
2006 ACS (Auburn Section) G.M. Kosolapoff Award, USA
2006 ACS Western Regional Meeting Award of Excellence, USA
2007 ISHC Senior Award in Heterocyclic Chemistry, International
2007 Honorary Fellowship, Indian Academy of Sciences, India
2008 August-Wilhelm-von-Hofmann-Denkmünze Award, Germany
2008 Charles Chandler Medal, Columbia University, USA
2009 San Diego BioPharma Achievement Award, USA
2009 Lampousa Lifetime Achievement Award (Cypriot American Association), USA
2010 Science Award, Ministry of Education and Culture, Cyprus
2011 Benjamin Franklin Medal in Chemistry, The Franklin Institute, USA
2011 Member, American Philosophical Society, USA
2012 ACS (New Jersey Section) Creativity in Molecular Design and Synthesis Award
2014 Nemitsas Prize, Cyprus
2016 Wolf Prize in Chemistry

研究

複雑骨格を持つ巨大天然物の化学全合成


タキソール[1]、エポチロン[2]、バンコマイシン、ブレベトキシン、ジアゾンアミド、などを始めとする巨大複雑天然物の化学全合成を達成している。また貝毒アザスピロ酸の提唱構造の誤りを化学合成によって多数訂正[3]する。合成天然物を生物学的研究のために供給することで、こちらの発展にも貢献。もちろん、天然物合成の方法論の発展にも多大な寄与がある。

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ライス大学に移動してからも継続的に天然物合成に携わりviridicatumtoxin B、CJ-16,264、shishijimicin A、 trioxacarcins A, B and Cなどを合成している。

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コメント &その他

  1. 全合成分野での業績は圧倒的であり、またその合成化合物を用いる研究展開で他分野へもインパクトを与えています。ThomsonISI社のノーベル賞候補者に名前が挙がるほどです。
  2. Classics in Total Synthesisいう全合成の歴史的傑作に関する書物を執筆されています。本書は化学専門書としては異例のベストセラーとなっており、世界中の有機合成化学者達に愛読される「合成化学のバイブル」となっています(関連書籍参照)。
  3. 最近はシンガポール政府が科学研究に多額の資金を投入し、Institute of Chemical and Engineering Sciencesという研究所における、Chemical Synthesis Laboratory @ Biopolisの部門長として彼を招聘しました。そのためシンガポールにもNicolaou研が設立されており、今は1年で数回ほど、カリフォルニアとシンガポールを行き来しているそうです。
  4. 彼の研究室でPh.D.を取得した研究者として、Erik J. Sorensen (プリンストン大)、Phil S. Baran(スクリプス研究所)、Scott A. Snyder (コロンビア大学)がいる。
  5. 親日家としても知られており(日本人は良く出来、働くため)多くの日本人研究者がポスドクとして在籍していた。日本人ポスドクが全合成研究の鍵となることが多く、有名な化合物には必ずできる日本人化学者の存在がある。代表的な研究者(大学関係)は以下の通り(順不同)。企業も含めると50人近くいるのではないかと推測される。大江浩一(京大)、戸嶋 一敦 (慶応大学)中田雅久(早稲田大)、岩渕好治(東北大)、上西潤一(京薬大)、鳥澤保廣(高崎健康福祉大)、斎本博之(鳥取大)、林良雄(東薬大)、林昌彦(神戸大)、杉田和幸(東大)、大嶋孝志(阪大)、細川誠二郎(早稲田大)、池田潔(静岡県立大)、山田陽一(分子研)、庄司満(東北大)、三木 康嗣(京大)、堀田清(北海道医療大)、梅澤大樹(北大)など
  6. 2009年になって論文のグラフィカルアブストラクトを一新して、カラフルな構造式で表すようになった(参照:個性のあるTOC)。
  7. 全盛期はアメリカ化学会誌JACSに7連報、ドイツ化学誌ACIEの同じ号に4報など、まさにニコラウ祭りとも言わんばかりの論文を公開していたこともある。
  8. ライス大学に移動してからは天然物合成だけでなく創薬に関連するようなメディシナルケミストリーも手掛けるようになった。(参照:大環状ヘテロ環の合成から抗がん剤開発へ

 

関連論文

  1.  Nicolaou, K. C. et al.Nature 1994,367, 593.doi:10.1038/367630a0
  2. Nicolaou, K. C. et al.Nature 1997,387, 268.doi:10.1038/387268a0
  3. Nicolaou, K. C. et al. J. Am. Chem. Soc. 2006,128, 2248, 2258, 2859. DOI:10.1021/ja054750q
  4. Nicolaou, K. C.; Hale, C. R. H.; Nilewski, C.; Ioannidou, H. A.; ElMarrouni, A.; Nilewski, L. G.; Beabout, K.; Wang, T. T.; Shamoo, Y…J. Am. Chem. Soc.2014, 136, 12137. DOI: 10.1021/ja506472u
  5.  Nicolaou, K. C.; Lu, Z.; Li, R.; Woods, J. R.; Sohn, T.-I. J. Am. Chem. Soc.2015, 137, 8716. DOI: 10.1021/jacs.5b05575
  6. Nicolaou, K. C.; Nilewski, C.; Hale, C. R. H.; Ahles, C. F.; Chiu, C. A.; Ebner, C.; ElMarrouni, A.; Yang, L.; Stiles, K.; Nagrath, D. J. Am. Chem. Soc.2015137, 4766. DOI:10.1021/jacs.5b00141

関連書籍

関連動画

 

外部リンク

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投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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