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電子学術情報の利活用

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たまには化学ではないことも。最後に研究者に耳寄り情報もあるので、時間がない方はすっ飛ばしてください。

さて、11月9日に、図書館総合展という化学者には初耳であろうフォーラムで講演をしてきました。パシフィコ横浜で開催され、毎年来場者は数万人だそうです。内容については私の研究室ウェブサイトの記事をご覧ください(記事:図書館総合展で講演しました)。お題は「電子学術資料の利活用」

化学のイの字も話ができないところでお話するのも良い経験だなと思い引き受けたわけですが、このクソ忙しい時期にゼロからスライドをつくるのはかなりしんどかったのも事実。ケムステ関連の講演でも聴衆は化学関係なので化学はお話できるんです。高校の出張授業でも少なからずベンゼンぐらいは出せる。それを使えないとなると、装備を全部はずされた丸裸の戦士が未知の敵を想像しながら戦いを準備する感じです。しかも大学図書や企業の学術担当が8割を超える中で、教員になってから一度も図書館に足を踏み入れていないヤツになにが話せるのか?

つまり、かなり挑戦的なネタでした。

結局研究者として日常的に電子学術情報(データベース・電子ジャーナル・電子書籍)をどんなものをどれだけ使っているのか、自分の期待する図書館ってどういうところなのかお話しました。聴衆にとってよかったのか悪かったのか全く手応えはなかったのですが、意外にも化学無しでも気持ちよく?お話できることがわかり、自分的には満足していました。その後、アンケートをいただいたところ、96%が「大変興味深かった」「興味深かった」と。大学の講義ならばティーチングアワードを取れるレベル(笑)。結果的には満足していただいてよかったのですが、それ以外にもいろいろな意見がわかりました。折角なので少しながくなりますが、お褒めの言葉以外のものを紹介しますので参考までに御覧ください。

気になった意見

[意見1] データベース=Googleも含まれるというのにびっくりした。データベースは有機的に整理された情報の集まりです。

すみません、絵話の流れ上、Googleを消すことができなかったんですが、定義云々はどうでもよくて(図書館学的にはどうでもよくないですよね。わかります。)、正直データベースに含まれなかろうとなんだろうと多用しているというところに気付いてほしいなと思います。図書・書籍データベースやその他の個々のデータベースを使うよりもGoogleで検索するほうが多いという話をしました。化学の試薬を検索するときですら、筆者の場合は試薬データベースからではなく、はじめはGoogleです。例えばみなくなった蔵書データベースは(理系研究者にとっては)誰のためのデータベースなんだろうと思います。意見のなかにも「図書館の検索サイト(ディスカバリー)サービスなどは活用されていないのか知ってショックでした」というのがありました。もちろん他分野は使用しているところはあると思いますが、筆者の分野では使用している人はほとんどいません。

[意見2] 図書館を使用されない方の意見はなかなか耳にしないので参考になりました

使用しません。筆者の研究・教育生活には古典的な図書館は必要ありませんでした。その代わり、こうあったらよい図書館というのをいくつか述べさせていただきました。そもそも、化学の学会には化学好きの人しか行かず文系の人がいかないように、図書館関連のところには図書館好きしかいかないそうです。そこで研究者に役立つ図書館とは?などを議論していても最終的な結論がでないのが常であるということが問題であったそうです。

[意見3] 図書館員による情報リテラシーの授業や、図書館のアクティブラーニングスペースなどの取組がすでにされているにも関わらず、教員にまったく伝わっていないということがわかって良かった。

全く伝わっておりません。やっているのも知りません。やってたとしても時間がなくて行けません。意見のなかにも「そんなやり方では誰も聞いてないよ!ともっといってほしい」というのが多数ありました。

[意見4] 学際系や文系だとまた違うと思う

いや、そのとおりだと思います。自分の立場からお話していたので、そこを聞いて確かに驚きました。文系だと電子書籍やジャーナルなどはかなり嫌煙されている状況らしいです。出版社によると物理もある分野は化学よりも全く進んでいないとのこと。やっぱり狭い世界にいることがわかりました。

[意見5] 若い人はスマートに電子情報を使っているということに感銘。ただ、これは皆そうなのだろうか?という疑問もある。司書にも書籍を語ってほしいというのは意外。

スマートかどうかわかりませんが、日常です。こんなウェブサイトを運営していながら、意外にもアナログなので、もっと使いこなしているひとはいると思います。最後の意見は、「研究者は研究しかわからない研究バカですが、研究を魅力的に語ることには長けています。気持ち悪いと思われながらでも、興味を持ってくれる人が1人でもいればいいです。それと同じで、司書の人は本に関しては誰よりも魅力的に語れるのだから、もっと前に出て気持ち悪いぐらいオススメの本を推薦して欲しい」と話した内容に対するコメントだと思います。

まだいくつかあるのですが、長くなるのでこのぐらいに。総じて(内容に関してよかったという意見は除く)、定義を大事にしていること、文系とは違うこと、自分たちの試みが全く伝わっていないことに対する意見が多かったように思います。

関係ないやと思う方もいるかもしれませんが、

これって、実は対象を「科学(化学)」や「理系」に変えてみたら同じことがいえませんか?

いろいろ考えさせる内容でした。

さて、フォーラムの主宰は皆さんおなじみのシュプリンガー・ネイチャーでした。会場で研究者にプラスになる情報ないですか?と聞いたところ2点情報をいただきましたので、最後に紹介します。

[その1] 電子書籍に関するアンケート調査

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日本に住む先生方、学生がどのように電子書籍を教育(授業)に活用されているのかを調査しております。ご回答いただいたお客様には、もれなくSpringerの電子ブックや紙の書籍が20%引でご購入いただけるクーポンを差し上げます。さらに、抽選で5名の方にSpringerのお好きな書籍1冊(200ユーロ相当までのタイトル)を進呈します。

アンケートサイトはこちら!(締め切り: 2016年12月16日(金))

*英語版もご用意していますので、留学生や外国人の先生もご回答いただけます。ただし、日本在住が条件です。

[その2]  Nature Research Solution – Nanoの個人向け無料トライアルを開始

Nature Research Solutionはシュプリンガー・ネイチャーの新しい製品です。

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ナノサイエンス、ナノテクは幅広い分野で利用され、そのナノマテリアルやナノデバイス情報は色々な分野に散在していると伺っております。それを整理しone platformで検索しやすくしたのがNanoです。来月12月1日から1か月間、あるいは来年1月1日から1か月間無料でご利用いただけます。参加条件はトライアル終了後、簡単なアンケートにお答えいただくだけです。

お申込みサイトはこちら

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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