[スポンサーリンク]

一般的な話題

岩谷産業がセシウム化合物を取り扱っている?

[スポンサーリンク]

岩谷産業といったらなにを思い浮かべますか? 最近はIHクッキングヒーターの興隆により、あまりピンとこない人がいるのかもしれません。

ちょっと昔までならば岩谷産業といえば、コレ。

そうカセットコンロのガスボンベですね。もちろん今でも現役ですしちゃんと売っています。

[amazonjs asin=”B0757DQQ74″ locale=”JP” title=”イワタニ カセットガス 専用ボックス入り 12本組 CB-250-OR-12BOX”][amazonjs asin=”B000AQY0L4″ locale=”JP” title=”岩谷産業 カセットガス (3本セット) CB-250-OR”]

ガスの会社!というイメージしかなかった岩谷産業ですが、もちろんガスは主要製品の1つであるものの、扱っているものはガス&エネルギーということで、地球の有用資源にもかなり力を入れているようです。

話を元に戻すと、タイトルにあるように、岩谷産業最近なんとセシウム化合物にかなり力を入れているということ。詳しくは以下の説明をご覧あれ。

【岩谷産業】希少資源・セシウム化合物を安定調達、用途開発にも注力

岩谷産業では、基幹事業であるエネルギー・産業ガス事業に続く事業として、マテリアルビジネスを展開している。なかでも、近年注目を集めているのがセシウム化合物で、岩谷産業では、日本国内におけるメインサプライヤーの地位を目指している。

セシウム化合物は、一般的にはあまり馴染みのない、ややニッチな原料ではあるが、「石油化学」「医療」「環境」等の分野ではなくてはならない原料であり、需要は増加傾向にある。

取扱のあるセシウム化合物一覧(クレジット:岩谷産業)

 

一方、その原料鉱石は全世界で見ても極めて偏在しており、良質なセシウム鉱石として知られる「ポルサイト」が商業生産されているのはカナダ、オーストラリアとジンバブエの鉱山のみである。にもかかわらず、ジンバブエの鉱山では、近年になって良質なポルサイトの生産が大幅に減少しており、今後の安定供給に懸念が生じている。

足元ではセシウム化合物の安定供給に対する不安が高まっているが、岩谷産業が供給ソースとする江西東鵬新材料有限公司(中国)は、自社グループの鉱山として、カナダ、オーストラリアのポルサイト鉱山を確保している。また、独自技術により中国国内鉱石(埋蔵量は100年以上)からもセシウム化合物を生産することを可能とし、中長期的に見ても、万全の体制を構築している。

近年では日本国内のシェアも高まっている状況にあるが、岩谷産業では、従来用途向けの安定供給に加え、新規用途の開発にも注力しており、日本の大学や研究機関などにも少量サンプルの提供などで、積極的に協力していきたい考え。

【用途例】

1)従来用途例

①樹脂原料合成用触媒/②X線シンチレーター(ヨウ化セシウム)/③医薬原薬合成時の塩基

/④フラックス(フッ化セシウムアルミニウム)/⑤フッ化剤(フッ化セシウム)

2)新用途例

①ペロブスカイト型太陽電池(ヨウ化セシウム)/②遮熱塗料/③量子ドット蛍光体/

④DNA分離試薬/⑤アンモ酸化触媒/⑥光触媒

炭酸セシウム

というわけで、岩谷産業のセシウム化合物を紹介しました。筆者の研究室(有機合成化学)ではセシウム化合物といえば、炭酸セシウムをよく塩基として用いています。炭酸カリウムに比べて溶媒にも溶けやすく、他の炭酸塩とは異なる挙動を示すことが多いので、よく使われます。今回、岩谷産業様からご連絡をいただきまして、実験室レベルですがご供与いただき、その炭酸セシウムが非常に良かったので、お伝えしました。この場を借りて岩谷産業様に御礼申し上げます。

【お問い合わせ先】

岩谷産業株式会社 資源・新素材部 大阪新素材課

TEL:06-7637-3110 FAX:06-7637-3105

 

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 実験手袋をいろいろ試してみたーつかいすてから高級手袋までー
  2. モノクローナル抗体を用いた人工金属酵素によるエナンチオ選択的フリ…
  3. 二窒素の配位モードと反応性の関係を調べる: Nature Rev…
  4. UCリアクター「UCR-150N」:冷媒いらずで-100℃!
  5. 化学者のためのエレクトロニクス入門⑤ ~ディスプレイ分野などで活…
  6. SciFinder Future Leaders in Chem…
  7. レビュー多すぎじゃね??
  8. 論文執筆で気をつけたいこと20(1)

注目情報

ピックアップ記事

  1. ルミノール誘導体を用いるチロシン選択的タンパク質修飾法
  2. ケムステV年末ライブ2023を開催します!
  3. 第五回ケムステVシンポジウム「最先端ケムバイオ」を開催します!
  4. 有機硫黄ラジカル触媒で不斉反応に挑戦
  5. アメリカ企業研究員の生活①:1日の仕事の流れ
  6. 学会会場でiPadを活用する①~手書きの講演ノートを取ろう!~
  7. 親水性ひも状分子を疎水性空間に取り込むナノカプセル
  8. 金と炭素がつくりだす新たな動的共有結合性を利用した新たな炭素ナノリングの合成法の確立
  9. 複雑なアルカロイド合成
  10. 福井 謙一 Kenichi Fukui

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2021年5月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP