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化学書籍レビュー

Side Reactions in Organic Synthesis II

 

内容

This new textbook is the successor to the volume “Side Reactions in Organic Synthesis – A Guide to Successful Synthesis Design” (2004), written by the same author. Whereas the predecessor mainly covered the limitations of aliphatic substitution reactions, this new volume focuses on the most important aromatic substitution reactions, both electrophilic and nucleophilic, such as amination reactions, halogenation reactions, Friedel-Crafts acylations, or transition metal-catalyzed arylation reactions. Each chapter not only describes the scope of a specific reaction type, but also reveals what cannot be achieved with this reaction, i.e. what type of side reactions are to be expected with certain starting materials or electrophiles/nucleophiles. With its unique approach, this is a must-have book for graduate students in organic chemistry and synthetic chemists both in academia and industry!

(引用:書籍紹介ページより)

 

対象

大学院生以上、研究者

 

解説

待望の(?) Side reactionシリーズ第二弾。 10年以上前に発売された、第一弾「Side Reactions in Organic Synthesis: A Guide to Successful Synthesis Design」は有機反応全般に関する副反応とその解決法を紹介していた。通常論文には書かれていない失敗反応が書かれており、痒いところに手が届くといったタイプの本で人気を博した。この書籍については日本語にも翻訳されていて値段が日本版のほうが圧倒的に安いので日本版をオススメしたい(日本語版は読みやすいとは言えないが、合成反応なので構造式で判断できるだろう)

さて、今回の第二弾では芳香環の置換反応に注目して書かれた本である。全295ページ。芳香環の性質上求電子置換反応がほとんどであるが、アルキル化、ハロゲン化、アルケニル化、アリール化、アシル化など求電子剤の種類によって分けられており、各々芳香環、各種ヘテロ芳香環を用いた場合の反応が紹介されている。基本的には分類の芳香環に関して、初めに考えられる大きな副反応とその理由、反応例を述べている。ある場合は解決できる条件が提示されているが特に述べられていないものもある。いい意味で反応の羅列の部分もあるが、同じ芳香環・求電子剤および反応形式で様々な基質を記載しているので、うまくいく反応と難しい反応がわかりやすい。Amazonで中身検索が30ページ弱ほどできるのでぜひ閲覧してみることをオススメする。

内容例(Amazonより)

内容例(Amazonより)

また、各反応式には記載を簡略化するためか、通常のジャーナル名、年、巻号、ページ数の記載でなく、独自の記載方法で元文献が記載されている。例えば、 「J. Org. Chem. 2008, 4956.」は 「080joc4956」と年号の下二桁、論文、ページ数となっている。少しなれるまで気になるところだが、PCでChemistry reference resolverなどを用いて検索する分には必要な情報は揃っているので問題ないだろう。

概して、芳香環を有する骨格を扱っている合成化学者やこれから触っていこうと考えている人には大変有用な本であるといえる。何度も記載するが問題点も書かれているので、それを解決するための合成反応を考える、つまり新規反応を考える一助にもなろう。また、反応を行う前に副反応やしっかり問題点を捉えておくことも重要だ。論文を読んで最新の反応を学ぶものもよいが、論文の性質上色々と脚色がされている、難しい物を見せていない可能性が多くあるため、本書は実用的な参考書という位置づけで1冊あってもよいだろう。

 

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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