[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

天然物の全合成―2000~2008

[スポンサーリンク]

 内容

最新の全合成から135を厳選し,合成ルートを詳述.実際に達成された合成ルートを見ながら自分で考えることにより,全合成のノウハウを学んでいく. 近年の遷移金属化学の進歩や不斉合成の進歩の流れを取り入れた,最新の全合成が収録されている.創造的,芸術的な全合成ルートに隠された工夫を発見し,全合成の醍醐味を感じてほしい. 全合成のテキストの決定版.有機合成化学者必携.

対象

有機合成系の研究室に所属する学部生・大学院生・研究者

評価・解説

天然物の全合成―Total synthesis of natural products の続編。
日本の有機合成化学者によって2000~2008年の間に達成された全合成を化合物、生物活性、鍵反応、詳細なスキームとともに1~3ページで紹介している。全部で135化合物あり、それぞれのスキームを見ながら、現在の合成手法を学ぶ事ができる。
これをもとに全合成の勉強を行うのは素晴らしいやり方の一つ。本書に詳しい反応機構は記載されていないが、逆にその方が演習に打って付けとも言える。原著論文を調べ、それぞれの反応機構を詳細に考えるよい機会になるだろう。
また、掲載された天然物および合成化学者は有名な例ばかりであり、「代表的な仕事を覚える」という観点でも絶好の書籍と考える。

関連書籍

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. Molecules That Changed the World…
  2. 毎年恒例のマニアックなスケジュール帳:元素手帳2023
  3. 光化学フロンティア:未来材料を生む有機光化学の基礎
  4. Pythonで学ぶ実験計画法入門 ベイズ最適化によるデータ解析
  5. HOW TO 分子シミュレーション―分子動力学法、モンテカルロ法…
  6. CFDで移動現象論111例題 – Ansys Flu…
  7. 化学の歴史
  8. 【書評】現場で役に立つ!臨床医薬品化学

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. ホウ素から糖に手渡される宅配便
  2. テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) : Tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0)
  3. 調光機能付きコンタクトレンズが登場!光に合わせてレンズの色が変化し、目に入る光の量を自動で調節
  4. 「高校化学グランドコンテスト」が 芝浦工業大学の主催で2年ぶりに開催
  5. 化学物質の環境リスクを学べる「かんたん化学物質ガイド」開設
  6. クメン法 Cumene Process
  7. ビオチン標識 biotin label
  8. 東工大発、光を操るイミド化合物/光で創られるロジウムアート錯体
  9. 危ない試薬・面倒な試薬の便利な代替品
  10. ステッター反応 Stetter reaction

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年5月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

5/15(水)Zoom開催 【旭化成 人事担当者が語る!】2026年卒 化学系学生向け就活スタート講座

化学系の就職活動を支援する『化学系学生のための就活』からのご案内です。化学業界・研究職でのキャリ…

フローマイクロリアクターを活用した多置換アルケンの効率的な合成

第610回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院理学研究科(依光研究室)に在籍されていた江 迤源…

マリンス有機化学(上)-学び手の視点から-

概要親しみやすい会話形式を用いた現代的な教育スタイルで有機化学の重要概念を学べる標準教科書.…

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP