[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

Principles and Applications of Aggregation-Induced Emission

[スポンサーリンク]

内容

This book explores the aggregation-induced emission (AIE) effect, which has opened new avenues for the development of advanced luminogenic materials in the aggregate or solid state. By enabling light emission in the practically useful solid state, AIE has the potential to significantly expand the technological applications of luminescent materials. This book addresses principles, methods, and applications of AIEs, offering a new platform for the investigation of light-emitting processes from luminogen aggregates. Applications of AIE include biomedical diagnostics, sensor materials, and optoelectronic devices, among others, and are described in detail within the book. The development of a new generation of AIEgens, a deep understanding of the AIE mechanism(s), and the exploration of advanced technological applications will enable this exciting field to develop further. Headed by the pioneering researcher who started the field, Professor Ben Zhong Tang, this book combines both principles and applications and brings together global researchers in the field to report the progress, current challenges, and potential breakthroughs that may be accomplished in the near future.

  • Provides an authoritative account of the fundamentals, properties, and potential of AIE by the pioneer of this active, highly-researched field;
  • Highlights technological applications of AIE spanning biomedicine, sensor materials, and optoelectronics, among others;
  • Presents a comprehensive view on challenges in the further development of AIE and derived technologies.

(Springer HPより)

対象

大学院生以上 (材料科学/光化学/医薬品化学/環境化学)

解説

濃度消光を起こさず、むしろ凝集によって発光が誘起される特殊な発光現象Aggregation-induced Emission (AIE)について、その原理から応用まで幅広く扱った総説本。

AIEの発見から最新のAIE化合物(AIEgen)、その応用(主に材料/環境/医療)までを20章に分け、それぞれの分野のエキスパート達が解説している。

編集者であるYouhong Tang教授、Ben Zhong Tang教授を中心に著者はアジア系が殆どであり、日本人研究者も多い。

大雑把に1~10章で今までのAIEgenとその設計指針、物性。11~20章でAIEgenを用いた材料開発とその応用についてまとめられている。

ライセンスによってはSpringerのホームページからpdfダウンロード可能(?)

評価

AIEの理論よりもその応用にフォーカスしている印象。

光化学の専門用語が解説なしで出てくる為、特に前半は初心者には中々読みづらい。また章によっても当たり外れが大きく、広大な研究を非常に上手くまとめてくれている章もあれば、論文をそのまま持ってきただけかのような章もある。

とはいえ、膨大なAIEgenとその応用先が一箇所にまとめられている点は大変便利であり、一冊読むだけでAIEgenの構造とその光物性の傾向がなんとなく分かるようになる。

発光分子の応用先とその課題が多々載っている為、AIE研究者だけでなく、広く光化学研究者や材料科学者、自身の化合物の応用先に興味がある有機合成化学者にオススメの一冊。

 

個人的に1章にAIEgen合成指針がまとめられていて面白いと思ったが、同時に内容が特に難しく挫折しそうになった。

9章 (Tetraphenylethene誘導体のまとめ)・4章 (AIE特性を示す高分子設計)。次点に2章 (13族元素を含むAIEgenのまとめ)、7章 (AIE特性を示す超分子設計)が比較的分かりやすかったので、光化学初心者はこれらの章から読むのをオススメする。章ごとに内容は独立しているため、順番に読む必要は無い。

後半、11~20章は応用先が解説されているだけなので、予備知識なしでもスラスラ読める。目的によってはこちらだけ読むのも良いかもしれない。

 

関連書籍

 

Maitotoxin

投稿者の記事一覧

学生。高分子合成専門。低分子・高分子を問わず、分子レベルでの創作が好きです。構造が格好よければ全て良し。生物学的・材料学的応用に繋がれば尚良し。Maitotoxinの全合成を待ち望んでいます。

関連記事

  1. 【書籍】化学系学生にわかりやすい 平衡論・速度論
  2. 【書籍】ゼロからの最速理解 プラスチック材料化学
  3. 学振申請書の書き方とコツ
  4. 2009年7月人気化学書籍ランキング
  5. 医薬品天然物化学 (Medicinal Natural Prod…
  6. 動画でわかる! 「575化学実験」実践ガイド
  7. フラックス結晶育成法入門
  8. アルカロイドの科学 生物活性を生みだす物質の探索から創薬の実際ま…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 光で分子の結合状態を変えることに成功
  2. 中国へ行ってきました 西安・上海・北京編③
  3. アクセラレーションプログラム 「BRAVE 2021 Spring」 参加チームのエントリー受付中!(5/10〆切)
  4. IBM,high-k絶縁膜用ハフニウムの特性解析にスパコン「Blue Gene」を活用
  5. 日本プロセス化学会2005サマーシンポジウム
  6. 有機ナノチューブの新規合成法の開発
  7. 第44回―「N-ヘテロ環状カルベン錯体を用いる均一系触媒開発」Steve Nolan教授
  8. アメリカ大学院留学:卒業まであと一歩!プロポーザル試験
  9. 化学でカードバトル!『Elementeo』
  10. C60MC12

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2019年10月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

注目情報

最新記事

ナノ学会 第22回大会 付設展示会ケムステキャンペーン

ナノ学会の第22回大会が東北大学青葉山新キャンパスにて開催されます。協賛団体であるACS(ア…

【酵素模倣】酸素ガスを用いた MOF 内での高スピン鉄(IV)オキソの発生

Long らは酸素分子を酸化剤に用いて酵素を模倣した反応活性種を金属-有機構造体中に発生させ、C-H…

【書評】奇跡の薬 16 の物語 ペニシリンからリアップ、バイアグラ、新型コロナワクチンまで

ペニシリンはたまたま混入したアオカビから発見された──だけではない.薬の…

MEDCHEM NEWS 33-2 号「2022年度医薬化学部会賞」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

マテリアルズ・インフォマティクスにおける分子生成の基礎と応用

開催日:2024/05/22 申込みはこちら■開催概要「分子生成」という技術は様々な問題…

AlphaFold3の登場!!再びブレイクスルーとなりうるのか~実際にβ版を使用してみた~

2021年にタンパク質の立体構造予測ツールであるAlphaFold2 (AF2) が登場し、様々な分…

【5月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催】 有機金属化合物 オルガチックスによる「密着性向上効果の発現(プライマー)」

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

マテリアルズ・インフォマティクスにおける回帰手法の基礎

開催日:2024/05/15 申込みはこちら■開催概要マテリアルズ・インフォマティクスを…

分子は基板表面で「寝返り」をうつ!「一時停止」蒸着法で自発分極の制御自在

第613回のスポットライトリサーチは、千葉大学 石井久夫研究室の大原 正裕(おおはら まさひろ)さん…

GoodNotesに化学構造が書きやすいノートが新登場!その使用感はいかに?

みなさんは現在どのようなもので授業ノートを取っていますでしょうか。私が学生だったときには電子…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP