[スポンサーリンク]

化学一般

堂々たる夢 世界に日本人を認めさせた化学者・高峰譲吉の生涯

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4062081318″ locale=”JP” title=”堂々たる夢―世界に日本人を認めさせた化学者・高峰譲吉の生涯”]

 概要

明治という我が国の近代史における激動の時代に不撓不屈の志を持って単身アメリカに渡り、先進国の技術、知識を故郷に持ち帰るという偉業を成し遂げた高峰譲吉博士の生涯を綴った書。貧しい生活の中でも決して諦めず化学の研究に打ち込み数々の革新的な発見を成し遂げ、最後の最後まで化学者でありつづけると共に、日米の架け橋役も演じ、日本の近代化学工業の基礎を確立していく人生は化学を志す者の手本とも言うべきもの。

 対象

科学の道を志す高校生、学部生。また、偉人の伝記としても読み応え十分。

 解説

本書は1999年初版発行で少し古いですが、高峰譲吉の伝記としては決して色あせていません。高峰譲吉はデンプンを分解する酵素タカヂアスターゼ、ホルモンのアドレナリンの結晶化に成功するなど、当時では画期的とも言える発見をしています。高峰譲吉は日本におけるタカジアスターゼの販売権を持つ現在の第一三共の前身である三共の初代社長でることでもよく知られていることでしょう。

その研究は常に実用化が念頭に置かれており、後の特許の取得によって巨万の富を生み出すはずでしたが、しかし、その特許に関する紆余曲折の節も興味深く読むことができます。特に、英国留学、帰国後のアメリカ永住までの半生は激動につぐ激動。高橋是清、渋沢栄一といった近現代史では必ず目にする人物との深い関わり合いも興味深いものがあります。妻キャロラインの献身的な看病による奇跡的な病からの回復や、その際に夢見たという「両頭共坐断 八面起清風」、生きるも、死ぬも、大いなる力に任せ切って、精一杯研究に打ち込もうという現代の研究者で到底到達困難な境地を迎える一節に胸を打たれます。「せっかく留学して学んできた知識と技術を、欧米の真似事ではなく、日本固有の化学工業のために応用したいのです。」という高峰の言葉は現代の科学者の心にも響くことでしょう。

 関連書籍

[amazonjs asin=”4022597666″ locale=”JP” title=”高峰譲吉の生涯―アドレナリン発見の真実 (朝日選書)”][amazonjs asin=”4062081318″ locale=”JP” title=”堂々たる夢―世界に日本人を認めさせた化学者・高峰譲吉の生涯”][amazonjs asin=”4005003753″ locale=”JP” title=”日本科学の先駆者 高峰譲吉―アドレナリン発見物語 (岩波ジュニア新書)”][amazonjs asin=”4833017881″ locale=”JP” title=”サムライ化学者、高峰博士 (時鐘舎新書)”][amazonjs asin=”4833015676″ locale=”JP” title=”譲吉は行く波のりこえて―タカジアスターゼを発見した化学者・高峰譲吉 (ふるさと偉人絵本館)”]

 

Avatar photo

ペリプラノン

投稿者の記事一覧

有機合成化学が専門。主に天然物化学、ケミカルバイオロジーについて書いていきたいと思います。

関連記事

  1. 新しい量子化学 電子構造の理論入門
  2. 化学のためのPythonによるデータ解析・機械学習入門
  3. 生物活性物質の化学―有機合成の考え方を学ぶ
  4. 【書籍】有機スペクトル解析入門
  5. English for Writing Research Pap…
  6. ヘゲダス遷移金属による有機合成
  7. 改正 研究開発力強化法
  8. 【書評】現場で役に立つ!臨床医薬品化学

注目情報

ピックアップ記事

  1. 日本薬学会  第143年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part 1
  2. 第8回XAFS討論会
  3. スティーブン・ジマーマン Steven C. Zimmerman
  4. Undruggable Target と PROTAC
  5. 持続可能性社会を拓くバイオミメティクス
  6. マイクロ波を用いた革新的製造プロセスとヘルスケア領域への事業展開 (凍結乾燥/乾燥、ペプチド/核酸合成、晶析、その他有機合成など)
  7. ポットエコノミー Pot Economy
  8. アロタケタールの全合成
  9. 大日本インキが社名変更 来年4月1日から「DIC」に
  10. アメリカの大学院で学ぶ「提案力」

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年11月
月 火 水 木 金 土 日
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

注目情報

最新記事

2026年ノーベル化学賞ケムステ予想当選者発表!

2026年のノーベル化学賞は、「不斉有機合成における非線形効果および自己触媒作用の発…

第64回ケムステVシンポ「データとともに進化する未来の化学」を開催します!

第64回ケムステVシンポの会告を致します。産業技術総合研究所主催の化学シンポジウムシリーズ(…

品質工学とマテリアルズ・インフォマティクス ― 両技術の概要と連携事例

開催概要材料開発やものづくりの現場では、探索すべき組成やプロセス条件が増えるほど組み合わせが爆発…

大学院留学してよかったこと, 悪かったこと【英語, 経済面, オーバードクターに関するお話】

海外の大学で、その大学に籍を置く大学 (院) 生として留学することは「学位留学」と呼ばれたりします。…

光前駆体法の活用によって、ヘプタセンで初の一重項分裂を観測!

第725回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院 理学研究科化学専攻 有機元素化学研究室(山田研…

【スタッフ・寄稿募集】Chem-Stationで、化学を「伝える側」になりませんか?

Chem-Station(ケムステ)は2000年に開設された国内最大の化学ポータルサイトです。大学・…

第17回大津会議―とある参加者の記録―

2026年9月28日~29日に開催された第17回大津会議についての、とある参加者の記録です。この記事…

第17回大津会議 -Otsu Conference- 2026 開催報告 ~新体制で紡ぐ「有機合成の夢」~

第17回大津会議が2026年9月28日(月)〜9月29日(火)びわ湖大津プリンスホテルにて開催されま…

有機合成化学協会誌2026年10月号:医薬品プロセス開発・σ芳香族性・含窒素複素環・メロテルペノイド二量体・高歪み化合物

有機合成化学協会が発行する「有機合成化学協会誌」2026年10月号がオンラインで公開されています。…

時代は水だ! セメントのように水と混ぜるだけで成形・硬化できる「水硬性」高分子

第724回のスポットライトリサーチは、東京科学大学物質理工学院(大塚研究室)博士前期課程2年の徳満玲…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP