[スポンサーリンク]

ケムステニュース

米ファイザー、コレステロール薬の開発中止

[スポンサーリンク]

トルセトラピブ

米医薬品大手ファイザーは、善玉コレステロール(HDL)の生成促進を助ける薬「トルセトラピブ」の開発を中止すると発表した。臨床試験で患者の死亡や心臓病が増加したことを理由としている。

 トルセトラピブはファイザーの試験中の医薬品の中で最も重要とみられており、高脂血症治療薬では世界最高の販売高を誇る「リピトール」の特許が2010─11年に切れた後、その売上高減少分を埋めると期待されていた。 (引用:朝日新聞)

 

このトルセトラピブ(Torcetrapib)はCETPコレステリルエステル転送蛋白)欠損症を発見した金沢大学の馬渕教授らの研究成果を元にファイザーが開発したCETPを抑える作用を有する医薬品です。

 

つまり、今までの悪玉コレステロールLDLを減らす薬ではなく、善玉コレステロール(HDL)を増やすという新しいアプローチの薬でした。

 

現在LDL値を減らす薬、高脂血症治療薬の代表格であるアトルバスタチンは世界で一番売れている薬です。今までもこの薬のため、フェーズIII試験だけでも8億ドルを投じてきました。そんな薬の開発中止はファイザーにとって相当な痛手となりそうです。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4759815090″ locale=”JP” title=”バイオ医薬品: 開発の基礎から次世代医薬品まで (DOJIN BIOSCIENCE)”][amazonjs asin=”4840744653″ locale=”JP” title=”医薬品開発入門”]
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. メスゴキブリのフェロモン合成、駆除に活用・日米チーム
  2. 東京化成、1万8千品目のMSDS公開サービス
  3. 存命化学者達のハーシュ指数ランキングが発表
  4. 「男性型脱毛症薬が登場」新薬の承認を審議
  5. 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正す…
  6. パーデュー大、10秒で爆薬を検知する新システムを開発
  7. 人工タンパク質、合成に成功 北陸先端大、エイズ薬剤開発に道
  8. 大日本製薬と住友製薬が来年10月合併・国内6位に

注目情報

ピックアップ記事

  1. ソウル大教授Nature Materials論文捏造か?
  2. 健康食品 高まる開発熱 新素材も続々
  3. 水素結合水H4O
  4. Louis A. Carpino ルイス・カルピノ
  5. コケに注目!:薬や香料や食品としても
  6. 化学小説まとめ
  7. 金属材料・セラミックス材料領域におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用
  8. 有機合成化学協会誌2024年4月号:ミロガバリン・クロロププケアナニン・メロテルペノイド・サリチル酸誘導体・光励起ホウ素アート錯体
  9. カメレオン変色のひみつ 最新の研究より
  10. 北大触媒化研、水素製造コスト2―3割安く

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2006年12月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP