[スポンサーリンク]

ケムステニュース

人工タンパク質、合成に成功 北陸先端大、エイズ薬剤開発に道

[スポンサーリンク]

人工的に合成したアミノ酸をタンパク質の特定部位に導く技術を、北陸先端科学技術大学院大の芳坂貴弘助教授が開発した。エイズやアルツハイマーなど難病の原因となるタンパク質の働きを調べる手掛かりとなり、薬剤開発への応用も期待できる。現在、プロテイン・エクスプレス(千葉県銚子市)と共同で事業化を目指している。

四塩基コドンに非天然アミノ酸を指定させ、非天然アミノ酸を組み込んだ人工タンパク質の合成に世界で初めて成功した。この技術を使って光を発する「蛍光標識アミノ酸」を狙った場所に導くことで、タンパク質の構造や機能の解析が可能となった。(引用: 北国新聞)

 

すべての生物は同じ20種類のアミノ酸から構成されるタンパク質から構成されています。アラニン、フェニルアラニン、プロリン、システイン、バリン、ロイシン・・・etc。話は違うのですが研究の関係でアミノ酸をたくさん使うことになり、天然の光学活性体以外は高いというのを実感した今日この頃。といっても、生化学のキッドとは1桁2桁違いますが。

 

さて、蛋白質の設計図であるmRNAの配列上に存在しているコドンといという塩基3個の配列の代わりに塩基4個のものをつかって、非天然アミノ酸を認識させて、それにより非天然のタンパク質を作りました。非天然アミノ酸を蛍光標識したものを使えばタンパク質の構造解析も容易になるそうです。

 

いろいろな人工タンパク質の創生も可能ですので、新たな機能を持った人工タンパク質が生まれるかもしれません。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4758101795″ locale=”JP” title=”タンパク質実験ハンドブック―取り扱いの基礎から機能解析まで完全網羅! (実験医学別冊)”][amazonjs asin=”4062744031″ locale=”JP” title=”完全版 分子レベルで見た体のはたらき―いのちを支えるタンパク質を視る (ブルーバックスCD‐ROM)”]

 

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 世界初!うつ病が客観的に診断可能に!?
  2. 東芝やキヤノンが優位、微細加工技術の「ナノインプリント」
  3. 国公立大入試、2次試験の前期日程が実施 ~東京大学の化学の試験を…
  4. 富士写、化学材料を事業化
  5. 総合化学大手5社、前期は空前の好決算・経常最高益更新
  6. サンギ、バイオマス由来のエタノールを原料にガソリン代替燃料
  7. DNAに電流通るーミクロの電子デバイスに道
  8. 日本薬学会第125年会

注目情報

ピックアップ記事

  1. 化学小説まとめ
  2. 新しい構造を持つゼオライトの合成に成功!
  3. 中谷宇吉郎 雪の科学館
  4. 第三回 ナノレベルのものづくり研究 – James Tour教授
  5. パラムジット・アローラ Paramjit S. Arora
  6. 第56回―「メタボロミクスを志向した質量分析技術の開発」Gary Siuzdak教授
  7. Branch選択的不斉アリル位C(Sp3)–Hアルキル化反応
  8. 組曲『ノーベル化学賞』
  9. デュアルディスプレイDNAコード化化合物ライブラリーの改良法
  10. ポンコツ博士の海外奮闘録 外伝① 〜調剤薬局18時〜

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2004年10月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP