[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

矢沢科学よりロゴがついて販売復活!ガス用バルーン

[スポンサーリンク]

矢沢科学よりロゴがついて販売復活!ガス用バルーン
みなさんこんにちは、gladsaxeです。
みなさんは不活性雰囲気下での実験をどのようにおこなっていますでしょうか。
アルゴンか窒素かどちらかというのでも流派が分かれるかと思います。
(Arの方が高価ですが窒素ですと反応してしまう者もありますよね。)
また、充填保持の方法にもフローを用いるか、バルーンを用いるかで分かれるかと思います。
私の所属研究室ではこれまでアルゴンをバルーンに充填して使用してきました。
これは水素ガスを用いた水素化分解反応や、水素添加反応、酸素ガスを用いたWacker酸化反応など様々な方法に適用が可能です。
この方法はフローしない分ガスの使用料の節約が可能であり、経済的に優しい方法と言えます。
しかし、つい最近アルゴンバルーンが製造中止となり、購入ができなくなってしまったことをご存知でしょうか。
もともとはお子さんが膨らませて遊ぶ用のバルーンでしたので、少子高齢化や研究頻度の低下、原材料の価格高騰などの追い風を受けてかピンク色のバルーンを製造しなくなってしまったのです。
(製造元の方を決して責めないでくださいね。)
私たちにとっては、生命線でした。
そのため、矢沢科学さんにしつこくお願いしたところ(矢沢化学さんすみません;)製造元と交渉していただき、無色のバルーンであれば製造してくれるとのこととなりました。
矢沢科学の営業担当さんによると化学系のバルーンを惜しむ声は他からも上がっていたようで、今回矢沢科学さんのマークをあしらえて新たに販売を再開することとなったようです。
わたしたちもバルーン不足に困っていましたが、今後また購入される方が減ると製造しなくなることもあるかと思い、今回勝手に宣伝とバルーンの使用方法をお示しします。
購入したのは以下のバルーンです。

このままでは使用できないので、上部の遊具用の蓋をはさみで切り、スリ付きの二方コックを差し込みます。
差し込みにくい人はヒートガンなどでガラスを熱してから差し込むと内蓋が溶けながら貫通して溶着されるのでオススメです。
(やけどにはきをつけて軍手をすると良いと思います。)
その後、別の三方コックと接続できるようにクニロン耐圧チューブを差し込んでおきます。
私たちはこれに他己ひもでぐるぐる巻きにして、実験台にぶら下げておけるようにしています。
以下が完成図です。


矢沢さんのマークが逆ではありますが、使用時は横にして使うことの方が多いので問題はないかと思います。
(マークの向きについては今度矢沢化学さんにお伝えしてみます。)

 

これ以外にも様々な実験工夫があるかと思います。
今回はせっかく再販されたバルーンを途絶えさせないためにもより多くの方に手を取ってもらえるべく勝手に宣伝させていただきました。
(決して矢沢科学さんからの依頼案件ではありません。)
この場をかりて製造元の会社の方、製造元に掛け合ってくださった矢沢科学の方に感謝申し上げます。

その他にもみなさんの工夫やオリジナル器具などございましたらgladsaxeまたは私の某Xアカウントまでご意見くださいますと幸いです。
それでは今回の記事はこの辺で。

関連記事

関連リンク

矢沢科学のガス用バルーンのページ

gladsaxe

投稿者の記事一覧

コアスタッフで有りながらケムステのファンの一人。薬理化合物の合成・天然物の全合成・反応開発・計算化学を扱っているしがない助教です。学生だったのがもう教員も数年目になってしまいました。時間は早い。。。

関連記事

  1. 最近の有機化学注目論文3
  2. 創薬に求められる構造~sp3炭素の重要性~
  3. ケムステイブニングミキサー2015へ参加しよう!
  4. 地球外生命体を化学する
  5. 東大、京大入試の化学を調べてみた(有機編)
  6. 有合化若手セミナーに行ってきました
  7. 化学研究で役に立つデータ解析入門:回帰分析の応用編
  8. 有機合成化学協会誌2017年5月号 特集:キラリティ研究の最前線…

注目情報

ピックアップ記事

  1. (+)-Pleiocarpamineの全合成と新規酸化的カップリング反応を基盤とした(+)-voacalgine Aおよび(+)-bipleiophyllineの全合成
  2. ノーベル化学賞、米仏の3氏に・「メタセシス反応」研究を評価
  3. 松村 保広 Yasuhiro Matsumura
  4. 研究者のためのCG作成術①(イントロダクション)
  5. 有機の王冠
  6. 重水素標識反応 Deuterium Labeling Reaction
  7. 第三回 ナノレベルのものづくり研究 – James Tour教授
  8. 指向性進化法 Directed Evolution
  9. 向山・鈴木グリコシル化反応 Mukaiyama-Suzuki Glycosylation
  10. 生体分子機械の集団運動の制御に成功:環境適応能や自己修復機能の発見

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2024年6月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

注目情報

最新記事

【産総研・触媒化学研究部門】新卒・既卒採用情報

触媒部門では、「個の力」でもある触媒化学を基盤としつつも、異分野に積極的に関わる…

触媒化学を基盤に展開される広範な研究

前回の記事でご紹介したとおり、触媒化学研究部門(触媒部門)では、触媒化学を基盤に…

「産総研・触媒化学研究部門」ってどんな研究所?

触媒化学融合研究センターの後継として、2025年に産総研内に設立された触媒化学研究部門は、「触媒化学…

Cell Press “Chem” 編集者 × 研究者トークセッション ~日本発のハイクオリティな化学研究を世界に~

ケムステでも以前取り上げた、Cell PressのChem。今回はChemの編集…

光励起で芳香族性を獲得する分子の構造ダイナミクスを解明!

第 654 回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 協奏分子システム研究セ…

藤多哲朗 Tetsuro Fujita

藤多 哲朗(ふじた てつろう、1931年1月4日 - 2017年1月1日)は日本の薬学者・天然物化学…

MI conference 2025開催のお知らせ

開催概要昨年エントリー1,400名超!MIに特化したカンファレンスを今年も開催近年、研究開発…

【ユシロ】新卒採用情報(2026卒)

ユシロは、創業以来80年間、“油”で「ものづくり」と「人々の暮らし」を支え続けている化学メーカーです…

Host-Guest相互作用を利用した世界初の自己修復材料”WIZARDシリーズ”

昨今、脱炭素社会への実現に向け、石油原料を主に使用している樹脂に対し、メンテナンス性の軽減や材料の長…

有機合成化学協会誌2025年4月号:リングサイズ発散・プベルル酸・イナミド・第5族遷移金属アルキリデン錯体・強発光性白金錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年4月号がオンラインで公開されています!…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP