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B

ベンジル保護基 Benzyl (Bn) Protective Group

アルコール → エーテル

概要

ベンジル保護基(Bn)は酸性条件、塩基性条件に対して安定な、汎用性の高い保護基である。

・ブレンステッド酸存在下、BnOC(=NH)CCl3を用いると塩基性条件下不安定な化合物でもBnエーテルを得ることができる。

・脱保護は還元条件(H2-Pd/C、Na/NH3(l)、電解還元など)で行うのが一般的である。RuCl3/NaIO4酸化→OH-条件に伏したり、Me2BBrなどの「Lewis酸+求核剤」条件でも脱保護できる。

基本文献

 

反応機構

1.保護
Williamsonエーテル合成と同様の機構で進行する。
PG_Bn_2.gif
2.脱保護(還元条件)

  • 反応例

保護・脱保護の典型例[1]:丈夫なため合成の初期段階で導入されることが多い。
oh-obn8.gif
O-Bn共存下におけるN-Bn基の選択的脱保護[2] PG_Bn_4.gif
Dudley試薬によるベンジル化[3]:試薬は安定で取り扱い容易であり、中性条件で反応が進行する。
PG_Bn_5.gif

実験手順

・NaH存在下、DMF中にてBnClやBnBrを作用させることによって高収率で保護体を得ることができる。

Bu4NI(TBAI)やNaIを触媒量加えておくと、保護反応が加速される (BnClやBnBrが系中で高反応性のBnIに変換されるため)。

 

実験のコツ・テクニック

※ ベンジルブロミドは催涙性物質なので、ドラフト中で取り扱うことが望ましい。
※ クエンチ時に水を加えるのではなく、炭酸カリウム-メタノールを加えてしばらく攪拌すると、催涙性のベンジルブロミドがうまくつぶれてくれる。抽出作業など、その後の扱いが簡潔になるのでオススメ。

 

参考文献

[1] Oguri, H.; Hishiyama, S.; Oishi, T.; Hirama, M. Synlett 1995, 1252. DOI: 10.1055/s-1995-5259
[2] Kroutil, J.; Tmka, T.; Cemy, M. Synthesis 2004, 446. DOI: 10.1055/s-2004-815937
[3] (a) Poon, K. W. C.; Dudley, G. B. J. Org. Chem. 200671, 3923. DOI: 10.1021/jo0602773
(b) Poon, K. W. C.; House, S. E.; Dudley, G. B. Synlett 2005, 3142. DOI: 10.1055/s-2005-921898

 

関連書籍

 

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