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分析化学

新課程視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録

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概要

一言でいえば高校化学の資料集で、教科書には載っていない物質や実験の写真が凝縮された本です。また、分子軌道など教科書の内容を超える発展的な内容や福島の原発事故といったホットな話題も分かりやすく解説されています。今回、新しい学習内容に合わせられたのと同時に最新のトピックがふんだんに盛り込まれて改訂されました。

対象

高校生にはもちろんのこと、一般の方や研究者の方にも化学と生活がどう結びついているのかを知る本としてお勧めします。

解説

私が高校生の頃にもこの手の資料集はありましたが、今年の2月に発売された最新の本ということで購入しました。読んでみると、当時の参考書よりも格段にボリュームが増加しています。例えば、私が習った時には、炭素の同素体はグラファイトとダイヤモンドだけでしたが、この本ではグラファイト、ダイヤモンド、フラーレンカーボンナノチューブと最近の研究成果までちゃんと書かれています。また、分子軌道など高校の内容を超える内容についても書いてあり、退屈な授業を飽きさせない配慮があります。そして最後の数ページには、福島の原発の事故や環境問題、次世代エネルギーなどのことについて本間善夫先生と漆原次郎氏から書かれていています。これらのことは、メディアでさんざん報道されてきましたが、科学的に間違っていることもありました。そうした中でこれらの問題をどう立ち向かうかを考えさせる内容になっています。「ただの高校の資料集だろ」と思わずに、今化学を勉強している学生さんだけでなく化学に興味がない方にも、一流の化学者の方にもじっくり”見て”いただきたい本です。

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ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

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