[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

English for Presentations at International Conferences

[スポンサーリンク]

 

内容

Good presentation skills are key to a successful career in academia. This book is the first guide to giving presentations at international conferences specifically written for researchers of all disciplines whose first language is not English.

With easy-to-follow rules and tips, and with examples taken from real presentations, you will learn how to:

  • avoid errors in English by using short easy-to-say sentence
  • improve your English pronunciation and intonation
  • gain confidence, and overcome nerves and embarrassment
  • plan, prepare and practice a well-organized, interesting presentation
  • highlight the essential points you want your audience to remember
  • deal with questions from the audience
  • decide what to say at each stage of the presentation
  • use standard phrases
  • attract and retain audience attention

(引用:書籍紹介ページより)

 

対象

大学院生以上、研究者

 

解説

名前の通り、英語でのプレゼンテーション方法を解説している書籍である。無論書籍はすべて英語で書かれている。non-nativeで英語のプレゼンテーションをしなければならない人が主な対象ではあるものの、nativeであってもスライドの作リ方やプレゼンテーションスキルが高いわけでもないため、nativeも対象にしている。プレゼンテーションのスキルが高い方は書籍のはじめは読み飛ばしても良いだろう。また、デザインやスキルを学ぶために日本語の書籍の方がわかりやすければ、そちらを使えばよい。

この書籍の他の書籍(特に日本語で書かれたプレゼンテーション書籍)にないよいところは2点。

  1. スライドに記載する語句の書き方
  2. 英語でのプレゼンテーションの発表原稿

について詳しく学べるところだ。

まずはスライドの語句の書き方。例えばタイトルにどのような英語を書きますか?伝えたいキーポイント、サマリーにどのような英語を書くか?悪い例と良い例を示し、様々な例を紹介している。例えばタイトルに科学用語いっぱいの長いタイトルをつけても誰も見ない。できるだけ短くそして簡潔に書く必要がある。また、文法的にあってる?という時もちらほら見られる。そのような例も紹介しながら、正しいものを示している。

発表に関していえば、例えば、論文を書くと専門的な用語や関係代名詞、接続詞だらけになり長文になる。それをそのまま原稿にとりいれて話しても全く伝わらない。これは日本語で執筆した学会の要旨や論文などをそのまま読んでいることを想像すればわかることでしょう。特に初めて国際発表をする人は論文から拝借した英語表現を使うことが多いがそれは大きな間違いである。

シンプルに伝えたいことだけを伝えるというのがプレゼンテーションの核となる極意であり、英語であっても同様である。たとえば、which, who that や and, however, in addition, moreover,  it is also that notingなどを極力削り、2文にする、または間を開けたりすることが重要である。そのような英語のプレゼンテーションの基本的なところを元原稿と修正後の原稿を並べて多く紹介している。

他にも強調したい発音や、発表のまとめ方、使えるフレーズ集、質問or解答の仕方なども掲載されている。特にこれから国際会議に出席し口頭発表を行う大学院生、研究者は一読したい書籍である。なお、著者(Adrian Wallwork)はnativeかつ科学論文の校閲などを経験し、大学院生に論文の書き方やプレゼン方法を教えており、この書籍をはじめとして、その授業をまとめたシリーズ(20冊以上)は全世界で人気を博している。

 

関連書籍

 

関連動画

 

 

外部リンク

 

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 伝わるデザインの基本 増補改訂3版 よい資料を作るためのレイアウ…
  2. 科学探偵 シャーロック・ホームズ -警察やFBIに先駆けて犯罪捜…
  3. 未来を拓く多彩な色素材料
  4. できる研究者の論文作成メソッド 書き上げるための実践ポイント
  5. Small Molecule Medicinal Chemist…
  6. 【書籍】有機反応機構の書き方 第2版
  7. 2009年7月人気化学書籍ランキング
  8. 書籍「腐食抑制剤の基礎と応用」

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. パーフルオロ系界面活性剤のはなし 追加トピック
  2. アジサイの青色色素錯体をガク片の中に直接検出!
  3. トリメチレンメタン付加環化 Trimethylenemethane(TMM) Cycloaddition
  4. 【書籍】タンパク質科学 生物物理学的なアプローチ
  5. ノーベル賞化学者に会いに行こう!「リンダウ・ノーベル賞受賞者会議」応募開始
  6. 三洋化成の新分野への挑戦
  7. 海外学会出張でeSIMを使ってみました
  8. セールスコピー大全: 見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方
  9. 紅麹を含むサプリメントで重篤な健康被害、原因物質の特定急ぐ
  10. 海外の教授にメールを送る-使える英語表現と文例

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年4月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜

2023年より全研究領域で修士卒研究職の採用を開始した産業技術総合研究所(以下 産総研)ですが、20…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP