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英文校正会社が教える 英語論文のミス100

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内容

世界で通用する論文にブラッシュアップ! 

どんなに優れた研究内容でも、論文にミスが多ければアクセプトは望めません。本書では、46万稿の校正実績を持つ英文校正会社エディテージが、基本的だけれど日本人研究者がおかしがちなミスを網羅。正しい英語で論文を執筆し、アクセプト率をアップさせたい研究者必携の一冊です。

■100本の英語論文を分析した結果にもとづきミスを紹介
英文校正会社エディテージのもとに集まった100本の論文を分析し、その結果をもとに本人研究者がおかしやすいミスを厳選掲載しました。とりあげた各ミスには、分析結果にもとづく発生頻度と、校正者の経験にもとづく重要度を3段階で示しており、優先的にとり組むべき項目がわかります。

■論文執筆前と執筆後に注意すべきポイントもカバー
倫理問題、出版計画のたて方、ジャーナルの選び方、英文校正・翻訳サービスの効率的な使い方、ジャーナルへの問い合わせ、査読コメントへの対応といった論文執筆前後に注意すべきポイントを、ケーススタディなどをまじえながら、わかりやすく紹介しています。

■カバーレターのテンプレートやチェックリストも収録
巻末には、論文投稿時のカバーレターのサンプルや、論文出版までのスケジュール表、投稿前に確認したいポイントをまとめたチェックリストを収録しています。

対象

  • 日常から論文を執筆する研究者
  • はじめて論文を執筆する大学生・大学院生

 

解説

英文校正会社エディテージが出版している、論文執筆のHow toもの。同社は、論文・出版に関するポータルサイトである「エディテージ・インサイトを運営している(関連記事:論文執筆&出版を学ぶポータルサイト論文投稿・出版に役立つ! 10の記事)。

今回、2016年2月に出版した新著をいただいたので、紹介したいと思う。

内容は上記のポイント通り。本書は、以下の三章構成からなる(全286ページ)。

 

Chapter 1 論文を書く前に

論文を日頃から書いている研究者にとっては当然心がけておかねばならないことが記載されている。例えば、先行研究をしっかりと調べる、倫理的な問題をクリアする、出版計画をたてる、ジャーナルの選考方法など。いずれも基本的なことではあるが、論文を書き始めた学生や研究者は、書き始める前に一読しておきたいところである。この内容の部分を抜き出して、読むことを義務付けてもよいかもしれない。

 

Chapter 2 論文執筆中のミス

この章が本書のメインコンテンツである。全ページのおおよそ2/3がこの章に当てられている。99個(100個目は第三章)のミスの事例をあげてどのように直せばよいかを紹介している。当然知っておきたいものも含まれているが、なかなか論文を書き始めた学生・研究者には誤りとともに明確に理由も述べているのでわかりやすい。

たとえば、複合形容詞(2つの単語をハイフンで繋いだ形容詞)は複数形にならないだとか、名詞化された表現をつかわずに動詞を使ってシンプルに表現したほうがいい、カンマや冠詞の正確な伝え方、先行研究の取り上げ方などわかっているつもりでも、できないことが多いため、読むだけでもためになるだろう。

第二章のサンプルページ

第二章のサンプルページ

 

Chapter 3 論文を書き終えたら

最終章は論文を書き終えたらどうするかを最小限のページ数で紹介している。いきなり、「英文校正・翻訳サービスをつかう」という項があるのはさすが、専門会社がつくった書籍だと思ったが、総じてよくまとまっている。はじめての人はカバーレターの書き方や査読コメントへの対応もわからないと思うので、例に習って作成するのもよいだろう。

 

最後に倫理に関するチェックリストや、出版計画書テンプレートやカバーレターなどのテンプレートが掲載されている。論文をはじめて書く研究者や学生にチェックして計画を立てながら行なってもらうために使えるだろう。しいて言うならば、これらのテンプレートは、URLが記載し、ウェブからダウンロードの後、加筆・修正できればなお良かった。

以上、あまりこういう本を買ったことはなかったが、これを使ってもう一度勉強・確認してみようと思った。ぜひおすすめの一冊である。

 

関連書籍

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ケムステでの書評はこちら

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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