[スポンサーリンク]

chemglossary

有機EL organic electroluminescence

[スポンサーリンク]

エレクトロルミネッセンス(electroluminescence, EL)とは、蛍光体に電圧を加えたとき発光する現象のことです。熱をほとんど出さずに電気エネルギーを光に変えます。

この発光体に有機化合物を使うものを特に有機EL(organic electroluminescence)と呼びます。

OLED

有機ELは既存のEL材料と比較して、以下のような利点があるとされています。

  1. 材料を結晶化する必要がないので製造容易
  2. 薄膜状態で使用するため非常に薄くできる。
  3. 基板上に異なる材料を成型して高解像度の表示が可能。
  4. 安価なガラスや曲げることのできるプラスチック・金属などが基板として使える。

映写機は白い紙に映像を写せます。白い紙はまるめて持ち歩くことができます。

映写機のない、持ち運べる紙のようなディスプレイが、有機ELによって実現しようとしています。これは有機ELディスプレイと呼ばれ、今後主流になることでしょう。現在は100社以上の企業が開発研究を行っており、小型のディスプレイ開発が主流となっているようです。

ごく最近、SONYが有機ELテレビXEL-1を世界に先駆けて市販しました。値段は一般家庭に優しいものではまだありませんが、今後量産・価格の引き下げがすすめば、紙のように薄いディスプレイを持つテレビがあちこちで見られる日も遠くないでしょう。

[amazonjs asin=”B000YU33V4″ locale=”JP” title=”ソニー 有機ELテレビ XEL-1 XEL-1 B”]

ディスプレイのほかにも、照明器具や電子ペーパーへの応用も考えられています。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4478022097″ locale=”JP” title=”有機ELに賭けろ! ―世界的権威が明かす日本企業がサムスンに勝つ方法”][amazonjs asin=”3639177908″ locale=”JP” title=”Electroluminescence in Organic Light-emitting Diodes”][amazonjs asin=”4782855567″ locale=”JP” title=”有機ELディスプレイ概論(第2版)―基礎から応用まで”][amazonjs asin=”4061543547″ locale=”JP” title=”有機半導体のデバイス物性 (KS物理専門書)”][amazonjs asin=”4526065609″ locale=”JP” title=”有機エレクトロニクス入門”]

関連商品

[amazonjs asin=”B000YU33V4″ locale=”JP” title=”ソニー 有機ELテレビ XEL-1 XEL-1 B”][amazonjs asin=”B005VNWL8K” locale=”JP” title=”サインソニック(SainSonic)2.7メートル 光るカラーモール 有機ELネオンワイヤー 点灯・点滅機能付!(ブルー)”][amazonjs asin=”B0094A4NLY” locale=”JP” title=”薄型面発光テープ!有機ELネオンテープ 1.5m【白】 点灯・点滅機能付”]

関連リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 陽電子放射断層撮影 Positron Emmision Tomo…
  2. 国連番号(UN番号)
  3. ランタノイド Lanthanoid
  4. クリックケミストリー / Click chemistry
  5. A値(A value)
  6. 分子モーター Molecular Motor
  7. キレート効果 Chelate Effect
  8. スナップタグ SNAP-tag

注目情報

ピックアップ記事

  1. フッ化セシウムをフッ素源とする立体特異的フッ素化有機分子の合成法の開発
  2. 辻・トロスト反応 Tsuji-Trost Reaction
  3. 機械的力で Cu(I) 錯体の発光強度を制御する
  4. The Journal of Unpublished Chemistry
  5. YADOKARI-XG 2009
  6. 第29回 ケムステVシンポ「論文を書こう!そして…」を開催します
  7. NMRの基礎知識【測定・解析編】
  8. 亜鉛トリフラート触媒:Zinc Triflate
  9. パーフルオロ系界面活性剤のはなし ~規制にかかった懸念物質
  10. 中高生・高専生でも研究が学べる!サイエンスメンタープログラム

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2008年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

注目情報

最新記事

クソニンジンのはなし ~草餅の邪魔者~

Tshozoです。昔住んでいた社宅近くの空き地の斜面に結構な数の野草があって、中でもヨモギは春に…

ジアリールエテン縮環二量体の二閉環体の合成に成功

第 654回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院松田研究室の 佐竹 来実さ…

【産総研・触媒化学研究部門】新卒・既卒採用情報

触媒部門では、「個の力」でもある触媒化学を基盤としつつも、異分野に積極的に関わる…

触媒化学を基盤に展開される広範な研究

前回の記事でご紹介したとおり、触媒化学研究部門(触媒部門)では、触媒化学を基盤に…

「産総研・触媒化学研究部門」ってどんな研究所?

触媒化学融合研究センターの後継として、2025年に産総研内に設立された触媒化学研究部門は、「触媒化学…

Cell Press “Chem” 編集者 × 研究者トークセッション ~日本発のハイクオリティな化学研究を世界に~

ケムステでも以前取り上げた、Cell PressのChem。今回はChemの編集…

光励起で芳香族性を獲得する分子の構造ダイナミクスを解明!

第 654 回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 協奏分子システム研究セ…

藤多哲朗 Tetsuro Fujita

藤多 哲朗(ふじた てつろう、1931年1月4日 - 2017年1月1日)は日本の薬学者・天然物化学…

MI conference 2025開催のお知らせ

開催概要昨年エントリー1,400名超!MIに特化したカンファレンスを今年も開催近年、研究開発…

【ユシロ】新卒採用情報(2026卒)

ユシロは、創業以来80年間、“油”で「ものづくり」と「人々の暮らし」を支え続けている化学メーカーです…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP