[スポンサーリンク]

ケムステニュース

SchultzとKay: 米スクリプス研究所のトップへ

[スポンサーリンク]

A geneticist and a chemist will co-lead the Scripps Research Institute in La Jolla, California, the biomedical research organization announced on 18 September. The institute said that Scripps chemist Peter Schultz will take over as chief executive officer and vice-chair, while molecular biologist Steve Kay, currently at the University of Southern California (USC) in Los Angeles, will assume the institute’s presidency (Nature, 2015年9月18日).

 

大きなニュースが飛び込んできました。最大級の私立研究機関のひとつである米国スクリプス研究所のトップが変わるそうです。同研究所は化学分野でもノーベル賞化学賞受賞者のSharpless教授、ライジングスターであるPhil Baran教授やC–H活性化反応で高IFジャーナルに次々と論文を出しているJin-quan Yu教授、核酸人口塩基対の合成で一躍有名となったFloyd E. Romesberg教授、若手のホープRyan Shenvi教授など世界でも一二を争うスター揃いの研究所(他にも多くの著名研究者がいます)。

Scripps-DanaNeibert_t614

 

今回選ばれたのは、最高経営責任者(CEO)として同研究所教授のPeter Schultz教授、そして、所長として南カリフォルニア大学のSteve Kay教授。Schultz教授も同研究所ではスター研究者のひとりで、触媒抗体の権威で何社ものベンチャーを立ち上げ、スピンオフしている大物。対して、所長となったKay教授はなんと昨年、同研究所と南カリフォルニア大学の合併騒動で南カリフォルニア大学側で中心となって動いていた人物の一人。生物時計分野の第一人者として知られています。Kay教授も過去に同研究所で働いていたことも有りますが、これはびっくりしました。

スクリプス研究所の初代所長であるRichard Lerner教授が1989年に立ち上げてから、次々とトップクラスの研究者を獲得し、一躍トップに踊りでたスクリプス研究所。最近まで企業から多額の運営資金を獲得し発展を遂げてきましたが、Lerner教授の引退により、2度のCEO、所長の変更を経て、運営資金を保てなくなっていた昨年、合併報道まで進んでいましたが、今後どうなることでしょうか。

 

外部リンク

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 05年:石油化学は好調、化工全体では利益縮小
  2. 信越化学・旭化成ケミカルズが石化品値上げ
  3. 書籍「Topics in Current Chemistry」が…
  4. 日本化学会第86春季年会(2006)
  5. 産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜
  6. 硫黄化合物で新めっき 岩手大工学部
  7. 【速報】新元素4つの名称が発表:日本発113番元素は「ニホニウム…
  8. 米メルク、「バイオックス」回収で第2・四半期は減収減益

注目情報

ピックアップ記事

  1. ケミストリー四方山話-Part I
  2. 福山クロスカップリング Fukuyama Cross Coupling
  3. 単純なアリルアミンから複雑なアリルアミンをつくる
  4. カガン・モランダーカップリング Kagan-Molander Coupling
  5. Independence Day
  6. 金属を超えるダイヤモンド ーボロンドープダイヤモンドー
  7. カチオン重合 Cationic Polymerization
  8. 人工嗅覚センサを介した呼気センシングによる個人認証―化学情報による偽造できない生体認証技術実現へ期待―
  9. クロム光レドックス触媒を有機合成へ応用する
  10. スイスの博士課程ってどうなの?3〜面接と入学手続き〜

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

注目情報

最新記事

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

細谷 昌弘 Masahiro HOSOYA

細谷 昌弘(ほそや まさひろ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の創薬科学者である。塩野義製薬株式…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP