[スポンサーリンク]

危険物取扱者

危険物データベース:第4類(引火性液体)

[スポンサーリンク]

【目次】

  • 共通する特徴
  • 物質別:特殊引火物
  • 物質別:第一石油類(非水溶性)
  • 物質別:第一石油類(水溶性)
  • 物質別:アルコール類
  • 物質別:第二石油類(非水溶性)
  • 物質別:第二石油類(水溶性)
  • 物質別:第三石油類(非水溶性)
  • 物質別:第三石油類(水溶性)
  • 物質別:第四石油類

共通する特徴

■特性
  • 液比重は1よりも小さく、水に溶けないものが多い。
  • いずれも有機化合物である
  • 特定のものを除いて、蒸気密度は空気より大きい
  • 常温(20℃)で液状の可燃性液体である。
  • 引火性の物質で、引火点、発火点の低いものほど危険である
  • 燃焼範囲(爆発限界)の広いもの又は下限値が低いものほど危険性が大きい
  • 電気の不良導体で静電気を蓄積しやすい。
  • 流動液体は火災拡大の危険がある。
■貯蔵・取扱の注意
  • 火気又は加熱を避け、高温体との接近を避ける。
  • 温度の低い場所に貯蔵する。
  • 通風をよくし、蒸気濃度を薄くする。
  • 容器を密閉する
  • 蒸気が低所に滞留するので、取扱に注意する。
  • 川、下水溝には流出させない。
■消火方法
  •  水に溶けにくく、水より軽いため、注水しても火面を広げ、冷却効果がなく、一般の火災に対しては原則として注水効果は適当でない。特に水溶性の泡を利用すると消泡されて、その効果が薄いので、対アルコール泡剤を利用する。
  •  一般には泡、粉末、二酸化炭素、ハロゲン化物の消化剤が適当である。

特殊引火物

指定数量:50L

ジエチルエーテル
  • 引火点-45℃で最も低い
  • 発火点160℃
  • 沸点35℃
  • 水より軽い(比重0.7)
  • 蒸気は麻酔性がある
  • 燃焼範囲1.3~50%
  • 日光にさらしたり、空気と長く接触すると過酸化物を生じ、加熱、衝撃等により爆発の危険がある。
二硫化炭素
  • 発火点90℃で最も低い
  • 水より重い(比重1.3)
  • 蒸気は有毒
  • 燃焼範囲1.9~48%
  • 水には溶けない
アセトアルデヒド
  • 沸点が低く(21℃)、引火しやすい(引火点-39℃)
  • 熱又は光で分解するとメタンと一酸化炭素になる。
酸化プロピレン
  • 水に溶ける
  • 重合する性質があり、銀、銅等の金属に触れると重合が促進されやすい。

第一石油類(非水溶性液体)

指定数量:200L

ガソリン
  • 炭化水素の混合物で、沸点が約40~200℃留分のものである
  • 用途により、自動車ガソリン、航空ガソリン、工業ガソリンに大別される。
  • 無色、特臭ある揮発しやすい液体で、水に溶けない。
  • 比重は1以下で、電気の不良導体である。
  • 発熱量は10000~12000 kcal/kgである
ベンゼン
  • 蒸気は有毒である
  • 電気の不良導体で、流動などの際に静電気を発生
トルエン
メチルエチルケトン
  • 引火点-9℃
  • 無色の特臭ある揮発性の液体
  • 窒息消火する。一般の泡はX
酢酸エチル
  • 沸点77℃
  • 引火点-4℃
  • 窒息消火
バリウム Ba

第一石油類(水溶性液体)

指定数量:400L

アセトン
ピリジン
  • 発火点482℃ 引火点20℃
  • 比重0.98
  • 燃焼範囲1.8~12.4%

アルコール類

指定数量:400L

メチルアルコール
  • 毒性がある
  • 発火点385℃ 引火点11℃
  • 比重0.8
  • 燃焼範囲6.0~36%
エチルアルコール
  • 引火点13℃
  • 酸と反応してエステルを生ずる
  • 酸化されると、アルデヒド又はカルボン酸になる。
  • 水の含有量によって引火点が異なる。
プロピルアルコール
イソプロピルアルコール

第二石油類(非水溶性液体)

指定数量:1000L

灯油
軽油
キシレン
クロロベンゼン

第二石油類(水溶性液体)

指定数量:2000L

酢酸

第三石油類(非水溶性液体)

指定数量:2000L

重油
クレソート油
アニリン
ニトロベンゼン
  • 発火点482℃ 引火点88℃
  • 比重1.2
  • 燃焼範囲1.8%以上

第三石油類(水溶性液体)

指定数量:4000L

エチレングリコール
グリセリン

第四石油類

指定数量:6000L

ギヤー油
シリンダー油

特徴のまとめ

第四類は特に引火点や発火点、比重なども試験で出題されます。そこで、その特徴まとめてみました。せめてこれくらいは覚えましょう(できれば値も)。

  • 引火点が最も小さいもの ジエチルエーテル -45℃
  • 発火点が最も小さいもの:二硫化炭素 90℃
  • 沸点が最も小さいもの:アセトアルデヒド 21℃
  • 燃焼範囲の最も広いもの:アセトアルデヒド 4.0~60%
  • 比重が最も小さいもの:ジエチルエーテル 0.7
  • 比重が最も大きいもの:二硫化炭素、グリセリン 1.3
  • 麻酔性があるもの:ジエチルエーテル、エチルアルコール
  • 蒸気に毒性のあるもの:二硫化炭素、アセトアルデヒド、ベンゼン(中毒)、メチルアルコール、ピリジン、トルエン(少毒性)、酸化プロピレン(有害)
  • 皮膚につくと凍傷を起こすもの:氷酢酸(炎症)
  • 水中保存するもの:二硫化炭素
  • 水に溶けるもの:アセトアルデヒド、酸化プロピレン、アセトン、ピリジン、アルコール類、氷酢酸、エチレングリコール、グリセリン等
Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 合格体験記:知的財産管理技能検定~berg編~
  2. 危険物に関する法令:指定数量の覚え方
  3. 乙種危険物取扱者・合格体験記~読者の皆さん編
  4. 危険物データベース:第3類(自然発火性物質および禁水性物質)
  5. 甲種危険物取扱者・合格体験記~cosine編
  6. 乙種危険物取扱者・合格体験記~Webmaster編
  7. 危険物データベース:第5類(自己反応性物質)
  8. 試験概要:知的財産管理技能検定

注目情報

ピックアップ記事

  1. 工程フローからみた「どんな会社が?」~OLED関連
  2. 【書評】元素楽章ー擬人化でわかる元素の世界
  3. 東芝やキヤノンが優位、微細加工技術の「ナノインプリント」
  4. 化学オリンピックを通して考える日本の理科教育
  5. シラン Silane
  6. アミロイド認識で活性を示す光触媒の開発:アルツハイマー病の新しい治療法へ
  7. 光と水で還元的環化反応をリノベーション
  8. 科学論文を出版するエルゼビアとの購読契約を完全に打ち切ったとカリフォルニア大学が発表
  9. MEDCHEM NEWS 32-4 号「創薬の将来ビジョン」
  10. 「決断できる人」がしている3つのこと

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年6月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP