ピンナ酸の不斉全合成

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Jul
02
2007
Author: cosine[Edit ] View: [436]  
Category:論文




pinnaic_acid1.gif


Asymmetric Total Synthesis of Pinnaic Acid, Xu, S.; Arimoto, H.; Uemura, D.Angew. Chem. Int. Ed.2007, Early View, DOI:10.1002/anie.200701581


 東北大生命化学研究科・有本博一教授による報告です。 


 ピンナ酸(Pinnaic Acid)はホスホリパーゼA2(Phospholipase A2)を阻害することによって抗炎症作用(anti-inflammatory)を示す海洋天然物です。アザスピロ環という大変珍しい構造を有するため、全合成化学者の興味を惹いている化合物の一つです。


 合成上のポイントは、そのアザスピロ骨格の立体選択的構築と、近接位に連続する不斉点の制御になります。


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以下ポイントとなる変換を示します。



pinnaic_acid2.gif


 トリメチレンメタン等価体を用いる辻-Trost反応[1]、引き続くMSH試薬を用いたBeckmann転位[2]により、9,13,14位の近接位不斉点を初期段階で構築することに成功しています。 さらなる変換の後、環化型還元的アミノ化を行い5位の不斉制御とアザスピロ骨格の構築を達成しています。


 「不斉四置換炭素に付いたアミン、特に環状のものを作る方法は?」と聞かれて、意外にすぐには思いつかないものです(実用的な既存法はOverman転位、Curtius転位、Du Boisのアミノ化ぐらいでしょうか?)。トリメチレンメタン部のexoオレフィンをメチレンに一炭素減炭しないといけないのが、手間の点で惜しいと思うのですが(実際に3段階必要としています。どう変換すれば良いか考えてみてください)、こういうアプローチでスピロ骨格を作るという発想はなかなか面白いと思いました。


関連文献


[1] Trost, B. M.; Chan, D. M. T.J. Am. Chem. Soc.1979,101, 6429.

[2] Tamura, Y.; Fujiwara, H.; Sumoto, K.; Ikeda, M.; Kita, Y.Synthesis1973, 215.


関連リンク

東北大学大学院生命化学研究科・有本研究室



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