[スポンサーリンク]

その他

英文校正会社が教える 英語論文のミス100

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4789016277″ locale=”JP” title=”英文校正会社が教える 英語論文のミス100″]

 

内容

世界で通用する論文にブラッシュアップ! 

どんなに優れた研究内容でも、論文にミスが多ければアクセプトは望めません。本書では、46万稿の校正実績を持つ英文校正会社エディテージが、基本的だけれど日本人研究者がおかしがちなミスを網羅。正しい英語で論文を執筆し、アクセプト率をアップさせたい研究者必携の一冊です。

■100本の英語論文を分析した結果にもとづきミスを紹介
英文校正会社エディテージのもとに集まった100本の論文を分析し、その結果をもとに本人研究者がおかしやすいミスを厳選掲載しました。とりあげた各ミスには、分析結果にもとづく発生頻度と、校正者の経験にもとづく重要度を3段階で示しており、優先的にとり組むべき項目がわかります。

■論文執筆前と執筆後に注意すべきポイントもカバー
倫理問題、出版計画のたて方、ジャーナルの選び方、英文校正・翻訳サービスの効率的な使い方、ジャーナルへの問い合わせ、査読コメントへの対応といった論文執筆前後に注意すべきポイントを、ケーススタディなどをまじえながら、わかりやすく紹介しています。

■カバーレターのテンプレートやチェックリストも収録
巻末には、論文投稿時のカバーレターのサンプルや、論文出版までのスケジュール表、投稿前に確認したいポイントをまとめたチェックリストを収録しています。

対象

  • 日常から論文を執筆する研究者
  • はじめて論文を執筆する大学生・大学院生

 

解説

英文校正会社エディテージが出版している、論文執筆のHow toもの。同社は、論文・出版に関するポータルサイトである「エディテージ・インサイトを運営している(関連記事:論文執筆&出版を学ぶポータルサイト論文投稿・出版に役立つ! 10の記事)。

今回、2016年2月に出版した新著をいただいたので、紹介したいと思う。

内容は上記のポイント通り。本書は、以下の三章構成からなる(全286ページ)。

 

Chapter 1 論文を書く前に

論文を日頃から書いている研究者にとっては当然心がけておかねばならないことが記載されている。例えば、先行研究をしっかりと調べる、倫理的な問題をクリアする、出版計画をたてる、ジャーナルの選考方法など。いずれも基本的なことではあるが、論文を書き始めた学生や研究者は、書き始める前に一読しておきたいところである。この内容の部分を抜き出して、読むことを義務付けてもよいかもしれない。

 

Chapter 2 論文執筆中のミス

この章が本書のメインコンテンツである。全ページのおおよそ2/3がこの章に当てられている。99個(100個目は第三章)のミスの事例をあげてどのように直せばよいかを紹介している。当然知っておきたいものも含まれているが、なかなか論文を書き始めた学生・研究者には誤りとともに明確に理由も述べているのでわかりやすい。

たとえば、複合形容詞(2つの単語をハイフンで繋いだ形容詞)は複数形にならないだとか、名詞化された表現をつかわずに動詞を使ってシンプルに表現したほうがいい、カンマや冠詞の正確な伝え方、先行研究の取り上げ方などわかっているつもりでも、できないことが多いため、読むだけでもためになるだろう。

第二章のサンプルページ

第二章のサンプルページ

 

Chapter 3 論文を書き終えたら

最終章は論文を書き終えたらどうするかを最小限のページ数で紹介している。いきなり、「英文校正・翻訳サービスをつかう」という項があるのはさすが、専門会社がつくった書籍だと思ったが、総じてよくまとまっている。はじめての人はカバーレターの書き方や査読コメントへの対応もわからないと思うので、例に習って作成するのもよいだろう。

 

最後に倫理に関するチェックリストや、出版計画書テンプレートやカバーレターなどのテンプレートが掲載されている。論文をはじめて書く研究者や学生にチェックして計画を立てながら行なってもらうために使えるだろう。しいて言うならば、これらのテンプレートは、URLが記載し、ウェブからダウンロードの後、加筆・修正できればなお良かった。

以上、あまりこういう本を買ったことはなかったが、これを使ってもう一度勉強・確認してみようと思った。ぜひおすすめの一冊である。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4061531530″ locale=”JP” title=”できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)”]

ケムステでの書評はこちら

[amazonjs asin=”4621086901″ locale=”JP” title=”国際誌エディターが教えるアクセプトされる論文の書きかた”] [amazonjs asin=”1441979212″ locale=”JP” title=”English for Writing Research Papers”]

ケムステでの書評はこちら

 

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 【書籍】合成化学の新潮流を学ぶ:不活性結合・不活性分子の活性化
  2. Greene’s Protective Groups…
  3. 背信の科学者たち 論文捏造はなぜ繰り返されるのか?
  4. 元素生活 完全版
  5. 世界の一流は「雑談」で何を話しているのか
  6. 学問と創造―ノーベル賞化学者・野依良治博士
  7. バイオ医薬 基礎から開発まで
  8. 電気化学インピーダンス法 第3版: 原理・測定・解析

注目情報

ピックアップ記事

  1. A値(A value)
  2. 甘草は虫歯を予防する?!
  3. 金属を超えるダイヤモンド ーボロンドープダイヤモンドー
  4. 第17回 研究者は最高の実験者であるー早稲田大学 竜田邦明教授
  5. 半導体領域におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用-レジスト材料の探索、CMPの条件最適化編-
  6. 東大キャリア教室で1年生に伝えている大切なこと: 変化を生きる13の流儀
  7. ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド:Bis(triphenylphosphine)palladium(II) Dichloride
  8. スティーブン・リパード Stephen J. Lippard
  9. 実験白衣を10種類試してみた
  10. 水素ガス/酸素ガスで光特性を繰り返し変化させる分子

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年3月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP