[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

【書籍】合成化学の新潮流を学ぶ:不活性結合・不活性分子の活性化

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4759813659″ locale=”JP” title=”不活性結合・不活性分子の活性化: 革新的な分子変換反応の開拓 (CSJカレントレビュー)”]

4月30日に化学同人からCSJカレントレビューの第5弾が発売になりました。今回は最近の合成反応の新潮流である不活性結合・不活性分子の活性化 (CSJカレントレビュー)がテーマ。

ポストクロスカップリング、逆合成を変える可能性がある不活性結合の活性化反応。この化学者のつぶやきでもいくつかこれらの研究に関連した記事を紹介してきました(下記参照)。

関連記事

  1. C-H活性化触媒を用いる(+)-リゾスペルミン酸の収束的合成
  2.  Keith Fagnou Organic Chemistry Symposium
  3. コンプラナジンAの全合成
  4. 芳香族フッ素化合物の新規汎用合成法
  5. 【追悼企画】カナダのライジングスター逝く
  6. C-H結合活性化を経るラクトンの不斉合成
  7. C-CN結合活性化を介したオレフィンへの触媒的不斉付加
  8. 位置選択的C-H酸化による1,3-ジオールの合成
  9. ボリルアジドを用いる直接的アミノ化
  10. C-H酸化反応の開発
  11. 複雑化合物合成にも適用可能なC-H酸化反応
  12. アレーン類の直接的クロスカップリング
  13. 複雑分子を生み出す脱水素型ディールス・アルダー反応
  14. 炭素原子のまわりにベンゼン環をはためかせる
  15. 不活性第一級C–H結合の触媒的官能基化反応
  16. 遷移金属を用いない脂肪族C-H結合のホウ素化
  17. 触媒的C-H酸化反応 Catalytic C-H Oxidation
  18. 超原子価臭素試薬を用いた脂肪族C-Hアミノ化反応
  19. 炭素-炭素結合活性化反応 C-C Bond Activation
  20. ベンゼン環が壊れた?!ー小分子を活性化するー
  21. コラニュレンの安定結合を切る
  22. カルベンで炭素ー炭素単結合を切る
  23. スターバースト型分子、ヘキサアリールベンゼン合成の新手法

(13以降は後日追記 2015年7月)

また、最近英語で秀逸な総説や書籍が多数出版されていますが、なかなか日本語で読めるものはありませんでした。今回の書籍はそんなアツイ分野を一冊にまとめたもの。日本のこの分野における第一線の研究者たちの総説に加え、座談会、研究の歴史、革新的論文からみる実験データ、研究風景、学会、研究会・シンポジウムの内容と盛り沢山。

企画・編集を行なったのは本年度から始動した新学術領域「直截的物質変換をめざした分子活性化法の開発」(略称:分子活性化)の代表である大阪大学茶谷直人教授と京都大学村上正浩教授、東京工業大学岩澤伸治教授です。

200ページ超で3990円となかなかよいお値段ですが、充分元がとれる内容だと思います。個人的には「活性化」という言葉があまり好きではないのですが、分子の好きな部分を自在に炭素炭素結合形成および官能基化できる可能性を有しているこの分野、注目しています。筆者も公募班として本学術領域に参加していますので、分野を盛り上げるための一助となればと思っています。

ちなみに、この書籍もちろんAmazonでも購入できますが、日本化学会の会誌「化学と工業」5月号に同封されていました、「日本化学会院限定特別割引販売のご案内」を利用すれば、790円引きの3200円で購入できるそうです。通常日本化学会でのホームページでも申込書がダウンロードできますが、まだ新しい書籍だからなのか現在(2011.5.9)ところこの書籍の申込書はオンラインでは手に入れることができません。ぜひ同封の申込書で購入してみてください。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4759813640″ locale=”JP” title=”新しい局面を迎えた界面の分子科学―機能デザインと計測技術の展開 (CSJカレントレビュー)”][amazonjs asin=”4759813632″ locale=”JP” title=”革新的な多孔質材料―空間をもつ機能性物質の創成 (CSJ Current Review 3)”][amazonjs asin=”4759813624″ locale=”JP” title=”人工光合成と有機系太陽電池 (CSJ Current Review)”]

 

 

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 触媒量の金属錯体でリビング開環メタセシス重合を操る
  2. 一次元の欠陥が整列した新しい有機−無機ハイブリッド化合物 -ペロ…
  3. 難攻不落の不斉ラジカルカチオン反応への挑戦
  4. 化学Webギャラリー@Flickr 【Part5】
  5. 【追悼企画】世のためになる有機合成化学ー松井正直教授
  6. 超原子価ヨウ素を触媒としたジフルオロ化反応
  7. 理系のためのフリーソフト Ver2.0
  8. 【書籍】理系のための口頭発表術

注目情報

ピックアップ記事

  1. お前はもう死んでいる:不安定な試薬たち|第4回「有機合成実験テクニック」(リケラボコラボレーション)
  2. ケー・シー・ニコラウ K. C. Nicolaou
  3. 広範な反応性代謝物を検出する蛍光トラッピング剤 〜毒性の黒幕を捕まえろ〜
  4. 近赤外光を吸収する有機分子集合体の発見
  5. リチウムイオン電池製造の勘どころ【終了】
  6. フィンランド理科教科書 化学編
  7. CTCLS、製薬業界向けに医薬品の探索研究に特化した電子実験ノートブックを販売
  8. 【書籍】「メタノールエコノミー」~CO2をエネルギーに変える逆転の発想~
  9. 博士課程学生の経済事情
  10. 黒板に描くと着色する「魔法の」チョークを自作してみました

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP