[スポンサーリンク]

ケムステニュース

114番元素と116番元素が正式認可される

[スポンサーリンク]


以前にケムステニュースで112番元素・コペルニシウム(Cp)が元素周期表に追加されたニュースを取り上げました。

それからおよそ1年後、ウンウンクアジウム・ウンウンヘキシウムの暫定名で呼ばれている114番元素(1999年生成)と116番元素(2000年生成)が、国際純正応用化学連合(IUPAC)により正式認可を受けました。これにより、両元素は元素周期表の正式メンバーたる資格を得たことになります。

 

さて気になる元素名ですが、現在は候補が提案されている段階であり、正式決定ではありませんが、114番元素=フレロヴィウム(Flerovium)、116番元素=モスコヴィウム(Moscovium)が提案されているようです。かぶらないような略称を考えると、FvMvなんかになるんでしょうか・・・。

フレロヴィウムは106番元素(シーボーギウム)および107番元素(ボーリウム)の発見者であるロシアの核物理学者Georgy N. Flyorovにちなんだ名前であり、モスコヴィウムは元素が発見されたドゥブナ合同核研究所の所在地であるロシアのモスクワにちなむ名前となっています。

両方とも特に問題なさそうな名称ですから、まもなく最終決定されることでしょう。

element114116_2.gif

さてこうなると、あとは日本発の元素である113番元素の承認が待ち遠しい限りです。
元素は一般の方々にも通りの良い「化学の顔」ですし、見事認可されれば、日本化学界の一大センセーションとなることが期待されます。楽しみですね!

 

関連書籍

関連リンク

Discovery of the Elements with Atomic Number 114 and 116 (IUPAC News)

原子番号 114 番と 116 番が周期表の仲間入りへ(Slashdot.jp)

How To Put A New Element On The Periodic Table

Two Ultraheavy Elements Added to Periodic Table (WIRED)

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 小林製薬、「神薬」2種類を今春刷新
  2. 北九州における化学企業の盛んな生産活動
  3. 特許資産規模ランキング トップ3は富士フイルム、LG CHEM、…
  4. かぶれたTシャツ、原因は塩化ジデシルジメチルアンモニウム
  5. ドイツのマックス・プランク研究所をご存じですか
  6. 走り出すグリーンイノベーション基金事業~採択テーマと実施企業が次…
  7. 室温で液状のフラーレン
  8. 酸化グラフェンに放射性物質を除去する機能が報告される

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 光線力学療法 Photo Dynamic Therapy (PDT)
  2. 部分酸化状態を有する純有機中性分子結晶の開発に初めて成功
  3. 第59回「希土類科学の楽しさを広めたい」長谷川靖哉 教授
  4. 第41回―「クロム錯体のユニークな触媒活性と反応性を解明する」Klaus Theopold教授
  5. NMRのプローブと測定(Bruker編)
  6. 【経験者に聞く】マテリアルズ・インフォマティクスの事業開発キャリアへの挑戦
  7. 最近の金事情
  8. 首席随員に野依良治氏 5月の両陛下欧州訪問
  9. だれが原子を見たか【夏休み企画: 理系学生の読書感想文】
  10. NMRの測定がうまくいかないとき

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年6月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜

2023年より全研究領域で修士卒研究職の採用を開始した産業技術総合研究所(以下 産総研)ですが、20…

有機合成化学協会誌2024年4月号:ミロガバリン・クロロププケアナニン・メロテルペノイド・サリチル酸誘導体・光励起ホウ素アート錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年4月号がオンライン公開されています。…

日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました

3月28日から31日にかけて開催された,日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました.筆者自…

キシリトールのはなし

Tshozoです。 35年くらい前、ある食品メーカが「虫歯になりにくい糖分」を使ったお菓子を…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP