[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ロバート・ランガー Robert S. Langer

[スポンサーリンク]

ロバート・S・ランガー (Robert S. Langer、1948年8月29日-)は、アメリカのエンジニア・材料化学者・生命工学者である。米マサチューセッツ工科大学教授(写真:National Institute of Health)。

経歴

19xx コーネル大学 卒業
1974 マサチューセッツ工科大学 Sc.D.取得 (Clark K. Colton教授)
1974-1977 ボストン小児病院・ハーバードメディカルスクール 博士研究員 (Judah Folkman教授)
19xx マサチューセッツ工科大学 David H. Koch Professor

1995-2002 米国食品医薬品局 科学顧問・最高顧問
1999-2002 同局 Chairmanを歴任。

 

受賞歴

1998 Lamelson-MIT Prize
2003 Harvey Prize
2006 National Medal of Science
2006 Charles Stark Draper Prize (エンジニア界のノーベル賞と言われる賞)
2008 Max Planck Research Award
2008 Millenium Technology Prize
2012 プリーストリーメダル
2012 パーキンメダル
2012 第1回 テルモ国際賞
2013 ウルフ賞化学部門
2013 アメリカ国家技術賞
2014 生命科学ブレイクスルー賞
2014 京都賞先端技術部門
2015 シェーレ賞
2015 クイーン・エリザベス工学賞
2016 ベンジャミン・フランクリン・メダル

ここに書ききれない180以上の受賞がある。

 

研究概要


薬物徐放性ポリマー・ドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発

生分解性ポリマーなどを用い、経皮性DDS[1]、血液-脳関門などの体内障壁を乗り越えて薬物を輸送するシステムの開発などに取り組んでいる。

再生医学(生体組織工学, Tissue Engineering)
[2]

細胞と分化誘導シグナル、適切な材料を用いる足場をうまく組んでやると、組織再生が効率よく起こる。これによって欠損された人体組織を再生させ、機能回復が行えるとするもの。材料工学を専門とするエンジニアLangerと医学博士Joseph Vacanti(マサチューセッツ総合病院)が共同提案し、現在の医学界では最も注目を集める治療コンセプトのひとつとなっている。

 

コメント&その他

1. 1100以上の論文、10以上の書籍を共同執筆し、800以上の特許(取得見込を含む)を保持。
2. エンジニアとしては歴史上もっとも論文引用数が多い人物。
3. トムソン・ロイター社の報告によれば、2001~2010年の論文引用ランキングは世界第85位となっています。
4, 年間10億円以上の予算を元に100人以上の研究者を抱えたラボを運営している。
5. わずか43歳にて米国の科学アカデミー(National Academy of Science、National Academy of Engineering、Institute of Medicine)全ての会員となった。これは歴史上最年少記録である。
6. Tissue EngineeringのコンセプトはLangerとVacantiが一緒に釣りをしていたとき交わした雑談から生まれたそうだ。

 

名言集

 

関連動画

関連文献

  1. (a) Mitragotri, S.; Blankschtein, D.; Langer, R. S. Science 1995, 269, 850. DOI:10.1126/science.7638603 (b) Kost, J.; Mitragotri, S.; Gabbay, R. A.; Pishko, M.; Langer, R. Nature Medicine 2000, 6, 347. doi:10.1038/73213
  2. (a) Langer, R.; Vacanti, J. P.  Science 1993, 260, 920. doi:10.1126/science.8493529 (b) Niklason, L. E.; Gao, J.; Abbott, W. M.; Hirschi, K. K.; Houser, S.; Marini, R.; Langer, R. Science 1999, 284, 489. DOI:10.1126/science.284.5413.489 (c) Langer, R. et al. Nat. Biotech. 2005, 23, 879. doi:10.1038/nbt1109

関連書籍

外部リンク

Green

投稿者の記事一覧

静岡で化学を教えています。よろしくお願いします。

関連記事

  1. ステファン・カスケル Stefan Kaskel
  2. ディーン・タンティロ Dean J. Tantillo
  3. ピエトロ・ビギネリ Pietro Biginelli
  4. フェン・チャン Feng Zhang
  5. クリストファー・ウォルシュ Christopher Walsh
  6. ハロルド・クロトー Harold Walter Kroto
  7. 松田 豊 Yutaka Matsuda
  8. トーマス・エブソン Thomas Ebbesen

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 水素ガス/酸素ガスで光特性を繰り返し変化させる分子
  2. 有機合成化学協会誌2022年11月号:英文特別号
  3. 位置選択性の制御が可能なスチレンのヒドロアリール化
  4. 銀の殺菌効果がない?銀耐性を獲得するバシラス属菌
  5. Chem-Station開設5周年へ
  6. ホーナー・ワズワース・エモンス反応 Horner-Wadsworth-Emmons (HWE) Reaction
  7. 柴崎・東大教授が英化学会メダル受賞
  8. フレーザー・ストッダート James Fraser Stoddart
  9. 環境ストレスに応答する植物ホルモン
  10. 第47回天然物化学談話会に行ってきました

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年6月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

書類選考は3分で決まる!面接に進める人、進めない人

人事担当者は面接に進む人、進まない人をどう判断しているのか?転職活動中の方から、…

期待度⭘!サンドイッチ化合物の新顔「シクロセン」

π共役系配位子と金属が交互に配位しながら環を形成したサンドイッチ化合物の合成が達成された。嵩高い置換…

塩基が肝!シクロヘキセンのcis-1,3-カルボホウ素化反応

ニッケル触媒を用いたシクロヘキセンの位置および立体選択的なカルボホウ素化反応が開発された。用いる塩基…

中国へ行ってきました 西安・上海・北京編①

2015年(もう8年前ですね)、中国に講演旅行に行った際に記事を書きました(実は途中で断念し最後まで…

アゾ重合開始剤の特徴と選び方

ラジカル重合はビニルモノマーなどの重合に用いられる方法で、開始反応、成長反応、停止反応を素反応とする…

先端事例から深掘りする、マテリアルズ・インフォマティクスと計算科学の融合

開催日:2023/12/20 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

最新の電子顕微鏡法によりポリエチレン分子鎖の向きを可視化することに成功

第583回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院 工学研究科 応用化学専攻 陣内研究室の狩野見 …

\脱炭素・サーキュラーエコノミーの実現/  マイクロ波を用いたケミカルリサイクル・金属製錬プロセスのご紹介

※本セミナーは、技術者および事業担当者向けです。脱炭素化と省エネに貢献するモノづくり技術の一つと…

【書籍】女性が科学の扉を開くとき:偏見と差別に対峙した六〇年 NSF(米国国立科学財団)長官を務めた科学者が語る

概要米国の女性科学者たちは科学界のジェンダーギャップにどのように向き合い,変えてきたのか ……

【太陽ホールディングス】新卒採用情報(2025卒)

■■求める人物像■■「大きな志と好奇心を持ちまだ見ぬ価値造像のために前進できる人…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP