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ねじれがあるアミド

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上の分子2-quinuclidoneは単なる二環性のアミドに見えるかもしれません。しかし、実際は、非常に不安定なアミド結合を持っているため合成は困難で、70年間合成できなかった化合物でした。カリフォルニア工科大学のブライアン・M・ストルツ教授と、谷博士研究員らは2-quinuclidoneをtetrafluoroborate塩として、初めての合成に成功したそうです(C&EN)。その成果は今月のNatureに掲載されています。

 

“Synthesis and structural analysis of 2-quinuclidonium tetrafluoroborate”

Tani, K.; Stoltz, B. M. Nature 2006, 441, 731. DOI: 10.1038/nature04842

 

内容については時間がないので避けますが(C&ENかNatureを読んで下さい。すみません。)、とにかくすぐに加水分解が進んでしまい不安定なこの分子を合成したのは見事です。というより、こういう事実を見逃さず拾って、有機合成化学でNatureに載せたストルツ教授はさらに見事ですね。

以下のようなアジド誘導体からSchmidt-Aube反応を使って合成したそうです。

441699a-f2.2
ストルツはエール大学のJohn Woodのところで博士号取得し、Corey研で博士研究員の後、カリフォルニア工科大学でポストを取った、最近非常に活躍している若手の教授です。今後時間があれば、この内容を紹介したいと思います。

 

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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