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C

縮合剤/Condensation Reagent

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⏱ 30秒サマリー

  • 何をする反応か — カルボン酸をその場で活性種(活性エステル・混合無水物など)に変換し、アミンやアルコールと穏和に脱水縮合させる。強酸・高温を要する Fischer 法と違い、α位のエピ化や熱に弱い官能基の分解を避けられる。
  • 何ができるか — アミド(ペプチド)結合とエステル結合。医薬品プロセス化学で最も高頻度に実施される反応のひとつであり、ペプチド医薬の製造基盤でもある。
  • いつ使うか — 基質が酸や熱に弱いとき、α位の立体化学を保ちたいとき、官能基が密集した後期段階でフラグメントを連結したいとき。試薬の選択軸は「反応性」「ラセミ化抑制」「安全性・後処理のしやすさ」の3つ。

概要

エステルやアミド(ペプチド)は、カルボン酸とアルコール・アミンを強酸性条件下で縮合させても得られる(フィッシャー・スペイア エステル合成)。しかし複雑な化合物では、α位のエピメリ化・脱保護・転位といった副反応が避けられない。穏和な条件下でこれらの結合をつくる目的に用いられるのが縮合剤(condensation reagent)である。

縮合剤は形式上どれも同じ変換を担うが、活性種の種類・反応速度・副生物の性質、そして安全性が大きく異なる。歴史的には次の5世代に整理すると見通しがよい。

世代 代表例 登場 解決した課題
第1世代:カルボジイミド DCC, DIC, EDC 1955– 穏和な条件でのアミド/エステル形成そのもの
第2世代:添加剤の併用 HOBt, HOAt, HOSu 1970– N-アシル尿素の副生とラセミ化
第3世代:オニウム塩 BOP, PyBOP, HBTU, HATU 1975– 立体障害の大きい基質・困難な縮合への対応
第4世代:安全性・環境駆動 Oxyma, COMU, DMT-MM, T3P, TBEC, ホウ素触媒 1999– 爆発性・毒性副生物・溶媒規制・廃棄物量
第5世代:ラセミ化フリー設計 イナミド, アレノン, TCFH–NMI, NDTP, TFPN 2016– 塩基性条件そのものを不要にし、エピメリ化の原因を設計段階で断つ

2010年前後を境に、試薬選択の一次基準が、パフォーマンスから「安全にスケールできるかどうか」へ移った。医薬品プロセスで汎用される 45 種の縮合試薬について DSC/ARC による熱安定性が系統評価され、選択ガイドが公表された[41]ことが、その流れを端的に示している。ペプチド API のグリーンプロセス開発は、ACS Green Chemistry Institute Pharmaceutical Roundtable によって 2016 年に critical unmet need として位置づけられた[48]

なお、一般にエステル合成のほうがアミド合成より強い条件を必要とする。アミンのほうがアルコールより求核性が高いため、同じ活性種でもアミノリシスが優先するからである。この選択性は試薬によって程度が大きく異なり、たとえば DMT-MM ではアシルオキシトリアジン中間体のアミノリシス速度がメタノリシスの約 2×10⁴ 倍と見積もられている[31,33]。メタノール中でもアミドだけが選択的に得られるのはこのためである。

反応機構

いずれの縮合剤も、 ①カルボン酸の活性化 → ②活性種の生成 → ③アミン(またはアルコール)によるアシル置換 という三段階を踏む。違いは②で生じる活性種と、そこから派生する副反応経路にある。

カルボジイミドの場合

カルボン酸がカルボジイミドに付加して O-アシルイソ尿素が生じる。この中間体は分岐点であり、以下の4経路が競合する。

  1. アミンによる直接アミノリシス(目的経路)
  2. もう1分子のカルボン酸との反応による対称酸無水物の生成(これもアシル化能をもつ)
  3. O→N アシル転位による N-アシル尿素の生成(不可逆な失活経路)
  4. オキサゾロン(アズラクトン)の生成(ラセミ化の温床)

DCC では副生する N,N’-ジシクロヘキシル尿素(DCU)が難溶性で析出するためろ別できる一方、生成物への混入を完全に避けるのは難しい。EDC では副生尿素が水溶性のため水洗で除ける。

添加剤の効果

DCC 法に 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール類を添加するとラセミ化と N-アシル尿素生成が同時に抑えられ、収率・純度が向上する。これを最初に示したのが König と Geiger の 1970 年の報告である[14]。添加剤は O-アシルイソ尿素を素早く捕捉して OBt 活性エステルへ変換し、経路3・4への分岐を断つ。同じ著者らは同年、HODhbt についても報告している[15]

HOAt は 7 位に窒素を導入した類縁体で、HOBt より酸性が強く(pKa はそれぞれ 4.60 と 3.28)、さらにこの窒素がアミンの接近を助ける近接基関与を及ぼすと説明されている[17]。同じ理屈で、HOAt 由来の試薬(HATU, PyAOP)は HOBt 由来のもの(HBTU, PyBOP)より速く、ラセミ化も少ない傾向がある。

ラセミ化の経路

ペプチド合成は N-末端側から伸長させていくのが定法である。C 末端側から伸長すると、活性化されたアシル基のα位の立体が失われやすい。その機構には少なくとも2つある。

  • オキサゾロン(アズラクトン)経由:活性化されたアシル基に対し、隣接するアミド酸素が分子内攻撃して 5(4H)-オキサゾロンを生じる。この環の C4 プロトンは酸性度が高く、塩基で容易に引き抜かれてラセミ化する。Goodman と Levine が光学活性オキサゾロンを用いて定量的に示した[38]
  • 直接エノール化:オキサゾロンを経ずに、活性種のα位が直接脱プロトン化される経路。Kemp と Rebek は速度論的同位体効果を用いて両者を識別した[39]。Cys や His のように側鎖が電子的にα位を活性化する残基では、この経路の寄与が大きいと考えられている。

したがって「アズラクトンさえ抑えればよい」という理解は不十分であり、塩基の強さ・活性種の寿命・プレ活性化時間をあわせて制御する必要がある。HOBt・HOAt・Oxyma といった求核性添加剤を共存させ、寿命の短い高活性種を速やかにマイルドな活性エステルへ導くのが基本戦略になる。詳しくは別項を参照のこと。

もっとも、どちらの経路も引き金は塩基による脱プロトン化である。2010年代半ば以降に登場した「ラセミ化フリー」試薬群は、この事実を逆手に取り、そもそも塩基を必要としない中性付近の条件で活性エステルを作ることで、エピ化の原因を設計段階で断とうとする。

ウロニウム型試薬の構造

HBTU・HATU は長らく「ウロニウム塩(O 体)」と呼ばれてきたが、Carpino らの X 線結晶構造解析により、市販品は実際にはグアニジニウム塩N 体、ベンゾトリアゾール 3-オキシド構造)であることが判明した[23]。三級アミンを厳密に排除して合成すると真のウロニウム(O)体が得られ、こちらのほうが活性が高い。

ただし実務上は、塩基として DIEA を用いると ON 異性化が速く進むため差が消えてしまう。O 体の低エピ化という利点を活かすには、より弱い塩基(TMP など)を選ぶ必要がある[23]

トリアジン型(DMT-MM)の場合

CDMT に N-メチルモルホリンが求核付加した四級アンモニウム塩が DMT-MM である。カルボン酸と反応してアシルオキシトリアジンを与えるが、この活性エステルは水やアルコール中でも十分な寿命をもつ。副生する 4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オン(DMTOH)は水溶性で毒性が低く、CDMT へ再生してリサイクルすることもできる[31,33]

基質適用範囲・試薬の選び方

ある程度の条件・試薬スクリーニングは必要となるが、下表の指針を理解することで試行回数は大きく減らせる。

状況 第一選択 理由
立体障害の小さい酸+1級/2級アミン EDC·HCl/HOBt、DIC/Oxyma、T3P 安価・後処理容易
立体障害の大きい酸、弱求核性のアニリン HATU、PyAOP、T3P/ピリジン 高活性 or 低エピ化[30]
N-メチルアミノ酸・イミノ酸(Pro, MeVal 等)同士 BOP-Cl、PyBroP ジペプチドで 80–100%、光学純度も良好[28,29]
ラセミ化しやすい酸(Phg, Cys, His) DIC/Oxyma、T3P/ピリジン 弱塩基性条件で活性種の寿命を制御[30]
エピ化を「ゼロ」にしたい/NC 伸長やフラグメント縮合 イナミド(MYTsA)、アレノン、NDTP 塩基を使わず中性付近で活性エステルを経由[52,54,56]
立体障害の大きい酸+弱求核性アミン(工業スケール) TCFH–NMI 酸クロリド並みの反応性をウロニウム試薬の扱いやすさで[55]
水系・アルコール系、無保護基質、バイオコンジュゲーション DMT-MM アミド/エステル選択性が桁違い[31,33]
大環状化・フラグメント縮合 ホスホニウム型(PyBOP, PyAOP) ウロニウム型と違いアミンに不活性[27]
マクロラクトン化 山口法椎名法Corey–Nicolaou 法Keck 法 高希釈での分子内エステル化に最適化された系
立体反転を伴うエステル化 光延法向山酸化還元縮合 アルコール側が SN2 的に反転
うまくいかない場面・既知の副反応
  • ウロニウム/グアニジニウム型によるグアニジニル化:遊離アミンがウロニウム炭素を直接攻撃すると、安定なテトラメチルグアニジニウム体(+98 Da)となり鎖伸長がそこで止まる。カルボン酸の活性化が遅い系(立体障害の大きい残基、環化、フラグメント縮合)や、試薬を過剰に用いた場合に顕在化しやすい[27]。対策は、①カルボン酸を先にプレ活性化してからアミン側に加える、②試薬を等モル程度に抑える、③環化ではホスホニウム型に切り替える、の3つ。Tyr のフェノールや Cys のチオールにも付加しうる[27]
  • カルボジイミドの N-アシル尿素:添加剤なしで長時間放置すると不可逆に失活する。
  • DCC の析出物:DCU が生成物に取り込まれると分離が難しい。EDC・DIC で回避できる場合が多い。
  • Asp を含む配列:アスパルチミド化が競合する(ペプチド合成におけるアスパルチミド化も参照)。
  • DPPA:アジド基をもち、加熱すると Curtius 転位が競合する。除去困難な副生物が出ない利点と表裏一体である。
  • DMT-MM:溶液中での安定性が高くないため、大量スケールでは調製直後に使うか、CDMT と三級アミンから系中発生させる運用が検討されている。

実験手順

以下は東京化成工業が公開している再現手順に基づく[65]。当量・後処理の具体値まで示されており、初めて縮合を行う場合の基準として使いやすい。

手順A:DCC–HOBt によるジペプチド合成

N-Boc-L-ロイシン 一水和物 (2.49 g, 10.0 mmol) と L-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩 (2.16 g, 10.0 mmol) をアセトニトリル (46 mL) に溶かし、室温で N,N-ジイソプロピルエチルアミン (2.59 g, 20.0 mmol) と HOBt·H₂O (1.53 g, 10.0 mmol) を加える。0 ℃ に冷却し、撹拌しながらアセトニトリル (7 mL) に溶かした DCC(粒状, 2.06 g, 10.0 mmol)を加える。0 ℃ で 1 時間、続いて室温で 3 時間撹拌する。

析出した DCU をろ別し、ろ液を減圧濃縮する。残渣を酢酸エチル (75 mL) に溶かし、0.33 mol/L クエン酸水溶液 (50 mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (50 mL × 2)、水 (50 mL) の順に洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥・濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル : ヘキサン = 1 : 3)で精製すると、Boc-Leu-Phe-OMe が白色結晶として 3.42 g(87%) 得られる。

反応追跡は TLC(ヘキサン : 酢酸エチル = 1 : 1, Rf 0.30)と GC による。DCC は融解を避けるため秤量を手早く行い、かぶれを防ぐため保護具を着用してドラフト内で扱う。

手順B:EDC–HOBt によるアミド化

1-(2-メトキシフェニル)ピペラジン (500 mg, 2.6 mmol) を DMF (15 mL) に溶かし、N-ベンジルオキシカルボニル-L-フェニルアラニン (770 mg, 2.60 mmol) と HOBt·H₂O (414 mg, 2.71 mmol) を加えて 0 ℃ に冷却する。EDC·HCl (515 mg, 2.71 mmol) を加え、室温まで昇温して 20 時間撹拌する。

水 (20 mL) と酢酸エチル (30 mL) を加え、有機層を水 (20 mL × 2)、飽和食塩水 (20 mL) で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥・濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル : ヘキサン = 60 : 40)で精製すると、目的のアミドが白色粉末として 1.10 g(2.32 mmol, 90%) 得られる。TLC は ヘキサン : 酢酸エチル = 4 : 6 で Rf 0.40。

手順C:DMT-MM による水系・アルコール系での縮合(一般手順)

カルボン酸とアミンをメタノール(または含水メタノール、水)に溶かし、DMT-MM を加えて室温で撹拌するだけでよい。プレ活性化も脱水溶媒も不要で、大気下で操作できる[31,33]。過剰の試薬および副生する DMTOH は希塩酸洗浄で除ける。アミノ酸エステル塩酸塩、グルコサミン塩酸塩、酢酸ナトリウム、ジカルボン酸のような極性基質でも進行する点が本試薬の特徴である[31]

試薬別実験ガイド

カルボジイミド型

  • DCCN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド):安価な固体で扱いやすく、いまも使用頻度が高い。ただし曝露により咳やかぶれなどのアレルギー症状を示すことがあり、秤量時の粉塵に注意する。副生する結晶性 DCU の完全除去が難しいのが最大の欠点。
  • DICN,N’-ジイソプロピルカルボジイミド):液体で秤量しやすく、副生尿素が有機溶媒に溶けるため固相合成(SPPS)で標準的。
  • EDCWSCI):副生物が水溶性なので水洗で除ける。医薬プロセスでも頻用。DCC より高価。市販品は塩酸塩で、吸湿しやすいため冷凍保存する。
  • TBEC(1-tert-ブチル-3-エチルカルボジイミド):DIC 代替として近年注目されている。後述の HCN 発生をほぼ回避でき、グリーン溶媒系との相性もよい。
添加剤

  • HOBt / HOAt / 6-Cl-HOBt:ラセミ化抑制の定番。ただし爆発性物質であり、輸送・保管の規制対象。
  • Oxyma Pure(エチル 2-シアノ-2-(ヒドロキシイミノ)アセタート):いまや SPPS の事実上の標準添加剤。化合物自体は 1973 年に伊藤によってラセミ化抑制剤として報告されていた[16]。2009 年に Albericio らが爆発性の低い HOBt/HOAt 代替として再評価したことで一気に普及した[18]。ただし万能ではない(下記「安全性」参照)。
ウロニウム/グアニジニウム型

  • HATU, HBTU, TATU, TBTU, HCTU:系中で HOAt または HOBt を生じる複合型試薬[21,22]。反応が速く、ラセミ化が少ない。とくに HATU は困難なカップリングで最も信頼性の高い選択肢のひとつとされる。やや高価。前述のグアニジニル化に注意し、環化やフラグメント縮合では避ける。
  • COMU:Oxyma を脱離基とするウロニウム塩[24]。開発者らは HATU と同等以上の性能を報告している[24,25,26]。副生物が水溶性で除きやすく、モルホリノ基により溶解性も良い。
ホスホニウム型

  • BOP(Castro 試薬)[19]:高活性だが、副生する HMPA(ヘキサメチルホスホルアミド)に発がん性の指摘がある。この問題を避けるためにジメチルアミノ基をピロリジノ基に置き換えた PyBOP が開発された[20]。現在 BOP を新規に採用する理由はほとんどない。
  • PyBOP, PyAOP, PyBroP:結晶性固体。アミンに対して不活性なため、ウロニウム型で問題になるグアニジニル化が起こらない[27]環化・フラグメント縮合の第一選択。PyBroP は N-アルキルアミノ酸に有効。
リン系・その他

  • BOP-Cl(ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド): Tung と Rich が N-アルキルアミノ酸の縮合剤として報告したもので、Pro や N-Me-Val のようなイミノ酸残基同士の困難な縮合を 80–100% の収率・良好な光学純度で達成できる稀有な試薬である(ただし C 末端が N-メチルアミノ酸の場合は光学純度を保てない)[28. 29]
  • T3Pn-プロピルホスホン酸無水物):現在のプロセス化学では主力のひとつ。副生物が水溶性のプロパンホスホン酸で、抽出のみで除去できる。DMF, DCM, THF, 酢酸エチル, 2-MeTHF などの 50%(w/w) 溶液として市販され、保存安定性も高い。T3P とピリジンの組み合わせはエピ化しやすい基質に対してとくに有効である[30]。弱塩基性のピリジンが活性種α位の脱プロトン化を抑える点が鍵である。ただし T3P は化学兵器禁止条約(CWC)の規制対象である。これを回避する代替として T4Pn-ブチルホスホン酸無水物)が提案されており、プロピル基をブチル基に替えるだけで CWC の定義から外れ、反応効率と立体保持能は T3P と同等以上とされる[61]
  • DPPA(ジフェニルリン酸アジド):除去困難な副生物が出ない点で DCC などより有利。ただしアジド化合物であり、加熱時の Curtius 転位に注意。
  • DMT-MM(CDMT + N-メチルモルホリン):水系・アルコール溶媒で反応できるうえラセミ化しにくい[31,33]。過剰の試薬と副生物は希塩酸洗浄で除ける。多糖・タンパク質の修飾、ヒドロゲル架橋など水中バイオコンジュゲーションで広く使われる。
  • DMT-TU(2024年):トリアジン骨格をウロニウム部と組み合わせた新規試薬。高エネルギーな N–N・N–O 結合をもたない設計により爆発性が抑えられ、室温・iPr₂EtN 共存下でアミド化が進行し、ペプチド結合形成でのラセミ化も抑制される[34]。安全性を骨格レベルで作り込む第4世代の典型例。
  • 向山試薬(2-クロロ-1-メチルピリジニウム ヨージド, CMPI)[35,36,37]椎名試薬(MNBA):主にエステル化・マクロラクトン化に使用。椎名法は山口法より高活性とされる。
ラセミ化フリー(zero-racemization)縮合剤

ここまで挙げた試薬は、いずれも塩基を共存させて活性種を作る。前述のとおりエピ化の引き金は塩基による脱プロトン化なので、この設計には原理的な上限がある。2016年以降、塩基を使わず中性付近で活性エステルを作るというアプローチが相次いで報告され、「ラセミ化フリー縮合剤」と総称されるようになった。共通する設計思想は、求電子的な sp 炭素(あるいは酸クロリド相当の高活性中間体)を経由して、単離可能なほど安定な活性エステルをまず作り、それを別工程でアミノリシスするという二段階一鍋(one-pot, two-step)方式である。

  • イナミド(Zhao 試薬):末端イナミドの三重結合にカルボン酸が Markovnikov 付加(ヒドロアシルオキシ化)して α-アシルオキシエナミド活性エステルを与え、これがアミンと反応する。触媒も添加剤も不要で、空気・水に対する耐性も高い。江西師範大学の Junfeng Zhao らが 2016 年に報告した[52]。最適化された試薬は MYTsAN-エチニル-N,4-ジメチルベンゼンスルホンアミド)と MYMsA(メシル類縁体)で、電子求引基(スルホニル基)が鍵となる。−OH, −SH, −CONH₂, ArNH₂, インドール NH が共存してもアミノ基選択的にアシル化されるため、これらの保護が不要になる。マクロラクトン・マクロラクタム・チオアミドの構築にも展開されている。機構研究と応用は Acc. Chem. Res. の総説[53]にまとまっている。近年は、一過性の保護基と組み合わせた N→C 方向のペプチド伸長(inverse peptide synthesis) まで実現されている[58]
  • アレノン:同じく Zhao らによる。カルボン酸がアレノンに付加して α-カルボニルビニルエステルを与え、これがアミノリシスを受ける。ラセミ化・エピ化フリーで、フラグメント縮合にも SPPS にも適用できる。プロテアソーム阻害剤 カルフィルゾミブを NC 伸長で合成した例が示されている[54]
  • TCFH–NMI:Bristol-Myers Squibb が開発した組み合わせ。TCFH(N,N,N’,N’-テトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスファート)と N-メチルイミダゾール(NMI)から、系中で高反応性の N-アシルイミダゾリウムを発生させる[55]。酸クロリド並みの反応性を、ウロニウム試薬並みの扱いやすさで得られるのが売りで、立体障害の大きいカルボン酸と求核性の低いアミンの組み合わせでも高収率、かつ多くの場合エピ化が検出されない。安価で工業スケールに乗せやすく、実務での採用が急速に広がった。
  • NDTP(5-ニトロ-4,6-ジチオシアナトピリミジン):Wang Rui らが報告した回収可能な試薬。カルボン酸からアシルチオシアナート中間体を生成する。この中間体は酸クロリド並みに活性でありながら安定で、アミン・アルコールの攻撃を受けて素早く結合を作る。エステル化は温和な条件下で 1 分程度で完結すると報告されている[56]
  • TFPN(テトラフルオロフタロニトリル):電子不足芳香環を活性化剤に使う「二座型縮合剤」という設計。カルボン酸のアリールエステルを経由し、続くフッ素交換で活性化が進む。立体障害の大きい天然・非天然アミノ酸のペプチド合成でもラセミ化なしに高収率を与える[57]
  • ケイ素系・その他:9-シラフルオレニルジクロリドのようなシラン系試薬もペプチド縮合に用いられている[59]。β-シリルアルキノアートを使う生体適合性のアミド形成も報告された[60]

これらはまだ古典的試薬ほど広く使われているわけではないが、エピメリ化がボトルネックになる系(N-メチルアミノ酸、Phg、Cys、フラグメント縮合、環化)では検討する価値が高い。分野全体の見取り図は 2024 年の総説[62]が詳しい。

触媒的直接アミド化

カルボン酸とアミンから水だけを出してアミドをつくる直接縮合は、原子効率の観点では理想だが、通常加熱・高温(150℃以上)を要する。これをホウ素触媒で室温〜還流域まで下げる研究が 2000 年代以降大きく進展した[6,49]。長く信じられてきたモノアシルオキシボロン機構には疑義が呈され、B–X–B 二量体モチーフを経る経路が提案されている[50]。近年は、単純なボロン酸が全く働かない配位性基質(2-アミノピリジンなど)に対してもボレートエステル触媒が有効であることが示され、マルチグラムスケールでの実施も報告された[51]。医薬品の後期工程に届く汎用性はまだないが、廃棄物量が問題になる大量合成では現実的な候補になりつつある[6]

安全性

ベンゾトリアゾール系添加剤は爆発性物質である。 ドイツ連邦材料試験研究所(BAM)による評価では、無水 HOBt は十分な起爆源があれば爆轟を伝播しうる。TBTU も限界直径 2 mm で爆発と判定された(落錘・摩擦には非鋭敏)[40]。10 wt% を超える水で減感し軟包装した HOBt は、国連勧告上「鈍性化爆発物」(Division 4.1)として扱われる[40]。

日本国内での位置づけ(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物, CAS 80029-43-2 の例)[45]

項目 内容
消防法 危-5-I(第5類 第一種自己反応性物質)
国連番号 UN3474
クラス/包装等級 4.1 / I
GHS 警告。H228(可燃性固体)、H320(眼刺激)、H412
主な注意書き P210(着火源から遠ざける・禁煙)、P241(防爆型の電気機器・換気装置を使用)
保管 室温(15 ℃以下の冷暗所を推奨)、遮光
化審法 5-3579, 5-3603

第5類第一種自己反応性物質の指定数量は 10 kg である。通常の研究室スケールで超えることはまずないが、保管総量としては意識しておきたい。試薬が水分 11–16% の一水和物として供給されているのは、この減感のためである[45]。無水体を意図的に得ようと加熱乾燥する操作は避けること。

Oxyma も無条件に安全ではない。 Oxyma は爆発リスクの低い代替として導入されたが[18]、その後、DIC と組み合わせると室温で青酸(HCN)を発生することが判明した[42]。DMF 中の固相アミド化では常に生成する[43]。機構は、Oxyma/DIC 付加体が環化してオキサジアゾールと HCN に分解する経路と説明されている[44]。回避策は次の2つ。

  1. カルボジイミドを TBEC に替える(立体的により嵩高く、環化しにくい)。
  2. Fmoc-アミノ酸を DIC のみで 2–5 分プレ活性化してから樹脂に加え、そのあとで Oxyma を加える。

いずれにせよ、換気の確保は必須である。

T3P は化学兵器禁止条約(CWC)の規制対象である。 CWC の表2には「一のメチル、エチル又はプロピル(ノルマル又はイソ)と結合しているが、その結合以外に炭素原子とは結合していないりん原子を含有する化学物質」という包括規定があり、T3Pはこれに該当する。製造元も、T3P が CWC の国内実施法の適用を受け、スケールを問わずエンドユーザーの用途確認が必要であることを明記している[63]。日本では化学兵器禁止法の指定物質にあたり、経済産業省への輸出入実績の届出対象として T3P が名指しで挙げられている[64]。研究室での少量使用でも、購入時に用途を問われたり、輸出入を伴う場合に手続きが発生したりする点は知っておきたい。

前述の T4P が代替として提案されているのは、この規制を構造で回避できるからである。リンに結合するアルキル基をブチルに伸ばすだけで上記の包括規定(メチル/エチル/プロピルに限る)から外れる。

溶媒規制も試薬選択に効いてくる。 DMF は EU で 2023 年 12 月 12 日から REACH に基づく制限が適用され[46]、SPPS の溶媒転換が加速した。2-MeTHF、酢酸エチル、NBP(N-ブチルピロリドン)、GVL(γ-バレロラクトン)、炭酸ジメチル、アニソール、リン酸トリエチルなどが検討されており、DMF・DCM を完全に排除したプロトコルも報告されている[47,48]。溶媒を替えると添加剤の溶解性や副反応の起こりやすさも変わるため、試薬と溶媒はセットで最適化するのが実務上のコツである。

後処理の早見表
試薬 主な副生物 除去法
DCC DCU(難溶性固体) ろ別+再結晶。完全除去は難しい
DIC ジイソプロピル尿素 有機溶媒に可溶。SPPS では洗浄で流す
EDC 水溶性尿素 水洗
HATU/HBTU/COMU HOAt/HOBt/Oxyma、テトラメチル尿素等 塩基性・酸性水洗。COMU 系は水溶性で有利
BOP HMPA(発がん性の指摘) 使用そのものを避けるのが最善
T3P / T4P プロパン(ブタン)ホスホン酸 水洗のみ
TCFH–NMI テトラメチル尿素、NMI 塩 酸性水洗
MYTsA(イナミド) N-メチル-p-トルエンスルホンアミド由来のエナミド 有機溶媒可溶。クロマトグラフィー
DMT-MM DMTOH 希塩酸洗浄

参考文献

総説・展望
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  2. Montalbetti, C. A. G. N.; Falque, V. Tetrahedron 2005, 61, 10827. DOI: 10.1016/j.tet.2005.08.031
  3. Valeur, E.; Bradley, M. Chem. Soc. Rev. 2009, 38, 606. DOI: 10.1039/B701677H
  4. El-Faham, A.; Albericio, F. Chem. Rev. 2011, 111, 6557. DOI: 10.1021/cr100048w
  5. Dunetz, J. R.; Magano, J.; Weisenburger, G. A. Org. Process Res. Dev. 2016, 20, 140. DOI: 10.1021/op500305s ※工業スケールでの実装事例を網羅
  6. Sabatini, M. T.; Boulton, L. T.; Sneddon, H. F.; Sheppard, T. D. Nat. Catal. 2019, 2, 10. DOI: 10.1038/s41929-018-0211-5 ※量論試薬と触媒法をグリーン度で比較
  7. Nikonovich, T.; Chatzigiannis, C. M.; Bordier, C. ら; Colacino, E.; Kananovich, D. Chem. Rev. 2026, 126, 6015. DOI: 10.1021/acs.chemrev.5c00534 ※メカノケミカル(無溶媒)アミド化の包括的総説
ペプチド/タンパク質合成一般
  1. Humphrey, J. M.; Chamberlin, A. R. Chem. Rev. 1997, 97, 2243. DOI: 10.1021/cr950005s
  2. Kent, S. B. H. Chem. Soc. Rev. 2009, 38, 338. DOI: 10.1039/b700141j
  3. Pattabiraman, V. R.; Bode, J. W. Nature 2011, 480, 471. DOI: 10.1038/nature10702
カルボジイミド型
  1. Sheehan, J. C.; Hess, G. P. J. Am. Chem. Soc. 1955, 77, 1067. DOI: 10.1021/ja01609a099(原著/DCC)
  2. Sheehan, J. C.; Cruickshank, P. A.; Boshart, G. L. J. Org. Chem. 1961, 26, 2525. DOI: 10.1021/jo01351a600(原著/EDC)
  3. Neises, B.; Steglich, W. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1978, 17, 522. DOI: 10.1002/anie.197805221(原著/DCC–DMAP エステル化)
添加剤
  1. König, W.; Geiger, R. Chem. Ber. 1970, 103, 788. DOI: 10.1002/cber.19701030319(原著/HOBt 添加剤)
  2. König, W.; Geiger, R. Chem. Ber. 1970, 103, 2034. DOI: 10.1002/cber.19701030705(HODhbt)
  3. Itoh, M. Bull. Chem. Soc. Jpn. 1973, 46, 2219.(原著/Oxyma の原型となるラセミ化抑制剤)
  4. Carpino, L. A. J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 4397. DOI: 10.1021/ja00063a082(原著/HOAt)
  5. Subirós-Funosas, R.; Prohens, R.; Barbas, R.; El-Faham, A.; Albericio, F. Chem. Eur. J. 2009, 15, 9394. DOI: 10.1002/chem.200900614(Oxyma の再評価)
ホスホニウム型
  1. Castro, B.; Dormoy, J.-R.; Evin, G.; Selve, C. Tetrahedron Lett. 1975, 16, 1219. DOI: 10.1016/S0040-4039(00)72100-9(原著/BOP)
  2. Coste, J.; Le-Nguyen, D.; Castro, B. Tetrahedron Lett. 1990, 31, 205. DOI: 10.1016/S0040-4039(00)94371-5(原著/PyBOP)
ウロニウム/グアニジニウム型
  1. Dourtoglou, V.; Ziegler, J.-C.; Gross, B. Tetrahedron Lett. 1978, 19, 1269. DOI: 10.1016/0040-4039(78)80103-8
  2. Knorr, R.; Trzeciak, A.; Bannwarth, W.; Gillessen, D. Tetrahedron Lett. 1989, 30, 1927. DOI: 10.1016/S0040-4039(00)99616-3(原著/HBTU・HATU 型)
  3. Carpino, L. A.; Imazumi, H.; El-Faham, A.; Ferrer, F. J.; Zhang, C.; Lee, Y.; Foxman, B. M.; Henklein, P.; Hanay, C.; Mügge, C.; Wenschuh, H.; Klose, J.; Beyermann, M.; Bienert, M. Angew. Chem. Int. Ed. 2002, 41, 441. DOI: 10.1002/1521-3773(20020201)41:3<441::AID-ANIE441>3.0.CO;2-N ※市販 HBTU/HATU がグアニジニウム体であることを結晶構造で確定
  4. El-Faham, A.; Albericio, F. J. Org. Chem. 2008, 73, 2731. DOI: 10.1021/jo702622c(原著/COMU)
  5. El-Faham, A.; Subirós-Funosas, R.; Prohens, R.; Albericio, F. Chem. Eur. J. 2009, 15, 9404. DOI: 10.1002/chem.200900615
  6. Subirós-Funosas, R.; Nieto-Rodriguez, L.; Jensen, K. J.; Albericio, F. J. Pept. Sci. 2013, 19, 408. DOI: 10.1002/psc.2517
  7. RSC Adv. 2017, 7. DOI: 10.1039/C7RA06655D ※グアニジニル化副反応の同定と回避条件
リン系・トリアジン型
  1. Tung, R. D.; Rich, D. H. J. Am. Chem. Soc. 1985, 107, 4342. DOI: 10.1021/ja00300a051(原著/BOP-Cl)
  2. van der Auwera, C.; Anteunis, M. J. O. Int. J. Pept. Protein Res. 1987, 29, 574. DOI: 10.1111/j.1399-3011.1987.tb02287.x
  3. Dunetz, J. R.; Xiang, Y.; Baldwin, A.; Ringling, J. Org. Lett. 2011, 13, 5048. DOI: 10.1021/ol201875q(T3P/ピリジン)
  4. Kunishima, M.; Kawachi, C.; Monta, J.; Terao, K.; Iwasaki, F.; Tani, S. Tetrahedron 1999, 55, 13159. DOI: 10.1016/S0040-4020(99)00809-1(原著/DMT-MM)
  5. Kunishima, M.; Kawachi, C.; Iwasaki, F.; Terao, K.; Tani, S. Tetrahedron Lett. 1999, 40, 5327. DOI: 10.1016/S0040-4039(99)00968-5
  6. Kunishima, M.; Kawachi, C.; Hioki, K.; Terao, K.; Tani, S. Tetrahedron 2001, 57, 1551. DOI: 10.1016/S0040-4020(00)01137-6
  7. Mizushima, G.; Fujita, H.; Kunishima, M. J. Org. Chem. 2024, 89, 18660. DOI: 10.1021/acs.joc.4c02075(DMT-TU)
向山試薬
  1. Bald, E.; Saigo, K.; Mukaiyama, T. Chem. Lett. 1975, 1163. DOI: 10.1246/cl.1975.1163
  2. Mukaiyama, T. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1979, 18, 707. DOI: 10.1002/anie.197907073
  3. Huang, H.; Iwasawa, N.; Mukaiyama, T. Chem. Lett. 1984, 1465. DOI: 10.1246/cl.1984.1465
ラセミ化・エピ化の機構
  1. Goodman, M.; Levine, L. J. Am. Chem. Soc. 1964, 86, 2918. DOI: 10.1021/ja01068a030(オキサゾロン経由)
  2. Kemp, D. S.; Rebek, J., Jr. J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 5792. DOI: 10.1021/ja00722a071(直接エノール化との識別)
安全性・法規
  1. Wehrstedt, K. D.; Wandrey, P. A.; Heitkamp, D. J. Hazard. Mater. 2005, 126, 1. DOI: 10.1016/j.jhazmat.2005.05.044(BAM によるヒドロキシベンゾトリアゾール類の爆発性評価)
  2. Sperry, J. B.; Minteer, C. J.; Tao, J.; Johnson, R.; Duzguner, R.; Hawksworth, M.; Naderer, S.; Piotrowski, D. W.; Richardson, P. F.; Bill, D. R.; Giusto, R. A.; Weaver, J. D. Org. Process Res. Dev. 2018, 22, 1262. DOI: 10.1021/acs.oprd.8b00193(45種の縮合試薬の熱安定性評価と選択ガイド)
  3. McFarland, A. D.; Buser, J. Y.; Embry, M. C.; Held, C. B.; Kolis, S. P. Org. Process Res. Dev. 2019, 23, 2099.(Oxyma/DIC からの HCN 発生)
  4. Org. Process Res. Dev. 2020, 24, 1341. DOI: 10.1021/acs.oprd.0c00227(DIC/Oxyma 系での HCN 最小化とグリーン溶媒の効果)
  5. Ind. Eng. Chem. Res. 2023. DOI: 10.1021/acs.iecr.2c03145(HCN 発生機構の計算化学的解析)
  6. 東京化成工業 製品情報「1-ヒドロキシベンゾトリアゾール 一水和物(H0468)」(消防法区分・国連番号・GHS 分類・化審法番号)https://www.tcichemicals.com/JP/ja/p/H0468
グリーン化・触媒的直接アミド化
  1. Sherwood, J.; Albericio, F.; de la Torre, B. G. ChemSusChem 2024, 17 (8). DOI: 10.1002/cssc.202301639(EU による DMF 制限と代替溶媒)
  2. Jad, Y. E.; Acosta, G. A.; Govender, T.; Kruger, H. G.; El-Faham, A.; de la Torre, B. G.; Albericio, F. ACS Sustainable Chem. Eng. 2016. DOI: 10.1021/acssuschemeng.6b01765(2-MeTHF/AcOEt による DMF・DCM フリー SPPS)
  3. Ferrazzano, L.; Corbisiero, D.; Martelli, G.; Tolomelli, A.; Viola, A.; Ricci, A.; Cabri, W. ACS Sustainable Chem. Eng. 2019, 7, 12867. DOI: 10.1021/acssuschemeng.9b01766
  4. Sabatini, M. T.; Boulton, L. T.; Sheppard, T. D. Sci. Adv. 2017, 3, e1701028. DOI: 10.1126/sciadv.1701028(ボレートエステル触媒)
  5. Arkhipenko, S.; Sabatini, M. T.; Batsanov, A. S.; Karaluka, V.; Sheppard, T. D.; Rzepa, H. S.; Whiting, A. Chem. Sci. 2018, 9, 1058. DOI: 10.1039/C7SC03595K(ホウ素触媒直接アミド化の機構再検討)
  6. Procter, R. J.; Alamillo-Ferrer, C.; Shabbir, U.; Britton, P.; Bučar, D.-K.; Dumon, A. S.; Rzepa, H. S.; Burés, J.; Whiting, A.; Sheppard, T. D. Chem. Sci. 2025, 16, 4718. DOI: 10.1039/D4SC07744J(配位性基質へのボレートエステル触媒)
ラセミ化フリー(zero-racemization)縮合剤
  1. Hu, L.; Xu, S.; Zhao, Z.; Yang, Y.; Peng, Z.; Yang, M.; Wang, C.; Zhao, J. J. Am. Chem. Soc. 2016, 138, 13135. DOI: 10.1021/jacs.6b07230(原著/イナミド=Zhao 試薬)
  2. Hu, L.; Zhao, J. Acc. Chem. Res. 2024, 57, 855. DOI: 10.1021/acs.accounts.3c00743(イナミド縮合剤の総説)
  3. Wang, Z.; Wang, X.; Wang, P.; Zhao, J. J. Am. Chem. Soc. 2021, 143, 10374. DOI: 10.1021/jacs.1c04614(原著/アレノン、カルフィルゾミブ合成)
  4. Beutner, G. L.; Young, I. S.; Davies, M. L.; Hickey, M. R.; Park, H.; Stevens, J. M.; Ye, Q. Org. Lett. 2018, 20, 4218. DOI: 10.1021/acs.orglett.8b01591(原著/TCFH–NMI)
  5. Li, Y.; Li, J.; Bao, G.; Yu, C.; Liu, Y.; He, Z.; Wang, P.; Ma, W.; Xie, J.; Sun, W.; Wang, R. Org. Lett. 2022, 24, 1169. DOI: 10.1021/acs.orglett.1c04258(原著/NDTP)
  6. Yang, J.; Zhang, D.; Chang, Y.; Zhang, B.; Shen, P.; Han, C.; Zhao, J. Org. Chem. Front. 2024, 11, 5422. DOI: 10.1039/D4QO01009D(原著/TFPN)
  7. Liu, T.; Peng, Z.; Lai, M.; Hu, L.; Zhao, J. J. Am. Chem. Soc. 2024, 146, 4270. DOI: 10.1021/jacs.4c00314NC 逆方向ペプチド合成)
  8. Aspin, S. J.; Taillemaud, S.; Cyr, S.; Charette, A. B. Angew. Chem. Int. Ed. 2016, 55, 13833. DOI: 10.1002/anie.201606120(9-シラフルオレニルジクロリド)
  9. Choudhuri, K.; Zhang, Z.; Loh, T.-P. Sci. Adv. 2024, 10 (38), eadp7544. DOI: 10.1126/sciadv.adp7544(β-シリルアルキノアート)
  10. Suzhou Highfine Biotech「ゼロラセミ化合成における新たなブレークスルー:効率的な縮合試薬の開発と応用」(2025/7/3)https://jp.highfine.com/news/ゼロラセミ化合成における新たなブレークスルー-効率的な縮合試薬の開発と応用.html ※T4P に関する記述の出典(試薬メーカーによる技術記事)
  11. Guo, Y. Y.; Wang, M. Y.; Gao, Y.; Liu, G. D. Org. Biomol. Chem. 2024, 22, 4420.(ラセミ化フリー縮合剤の総説)
T3P の法規制
  1. Curia/Euticals「Commercial Manufacturing: T3P General Information」(T3P が化学兵器禁止条約の国内実施法の適用を受ける旨を製造元が明記)
  2. 経済産業省/JETRO「化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律に基づく指定物質の輸出入実績の届出及びその期限について」(2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナート/CAS 68957-94-8 を届出対象として明示)https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/cwc/domestic_law.html
実験手順の出典
  1. 東京化成工業 TCI 反応実例「DCC と HOBt を用いた縮合反応」「EDC·HCl/HOBt を用いた縮合反応」https://www.tcichemicals.com/JP/ja/p/H0468

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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