[スポンサーリンク]

archives

統合失調症治療の新しいターゲット分子候補−HDAC2

[スポンサーリンク]

C2547.gif
R0087.gif
H1388.gif

Kuritaらは,非定型抗精神病薬の効果がヒストン脱アセチル化の作用により変動したことを報告しています。本報告によれば,非定型抗精神病薬 (クロザビン,およびリスペリドン) を長期投与したマウスおよびヒトの前頭前皮質では,代謝型グルタミン酸受容体2型 (mGlu2,別名Grm2) の発現の抑制により非定型抗精神病薬の効果が抑制され,さらにmGlu2プロモーター遺伝子のヒストンが脱アセチル化されています。次いで,この前頭前皮質にヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC) 阻害剤のSAHAを追加投与するとmGlu2発現抑制が緩解し,非定型抗精神病薬の効果が改善しています。これらのデータから,HDAC2が統合失調症治療の新しいターゲット分子になり得ることを本報告では示しています。(これらの製品は試薬であり,試験・研究用のみにご使用下さい。)

“HDAC2 regulates atypical antipsychotic responses through the modulation of mGlu2 promoter activity”
M. Kurita, T. Holloway, A. Garcia-Bea, A. Kozlenkov, A. K. Friedman, J. L. Moreno, M. Heshmati, S. A. Golden, P. J. Kennedy, N. Takahashi, D. M. Dietz, G. Mocci, A. M. Gabilondo, J. Hanks, A. Umali, L. F. Callado, A. L. Gallitano, R. L. Neve, L. Shen, J. D. Buxbaum, M.-H. Han, E. J. Nestler, J. J. Meana, S. J. Russo, J. Gonzalez-Maeso, Nat. Neurosci. 2012, 15, 1245. DOI: 10.1038/nn.3181

Histone deacetylases (HDACs) compact chromatin structure and repress gene transcription. In schizophrenia, clinical studies demonstrate that HDAC inhibitors are efficacious when given in combination with atypical antipsychotics. However, the molecular mechanism that integrates a better response to antipsychotics with changes in chromatin structure remains unknown. Here we found that chronic atypical antipsychotics downregulated the transcription of metabotropic glutamate 2 receptor (mGlu2, also known as Grm2), an effect that was associated with decreased histone acetylation at its promoter in mouse and human frontal cortex. This epigenetic change occurred in concert with a serotonin 5-HT2A receptor–dependent upregulation and increased binding of HDAC2 to the mGlu2 promoter. Virally mediated overexpression of HDAC2 in frontal cortex decreased mGlu2transcription and its electrophysiological properties, thereby increasing psychosis-like behavior. Conversely, HDAC inhibitors prevented the repressive histone modifications induced at the mGlu2promoter by atypical antipsychotics, and augmented their therapeutic-like effects. These observations support the view of HDAC2 as a promising new target for schizophrenia treatment.

TCI

TCI

投稿者の記事一覧

有機試薬メーカーです。

関連記事

  1. 2,9-ジブチル-1,10-フェナントロリン:2,9-Dibut…
  2. トリフェニル-2,6-キシリルビスムトニウムテトラフルオロボラー…
  3. 高透明性耐熱樹脂の開発技術と将来予測【終了】
  4. 田辺シリル剤
  5. セリ科植物に含まれる生理活性成分
  6. カルベン触媒によるα-ハロ-α,β-不飽和アルデヒドのエステル化…
  7. アクティブボロン酸~ヘテロ芳香環のクロスカップリングに~
  8. メーカーで反応性が違う?パラジウムカーボンの反応活性

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 花王の多彩な研究成果・研究支援が発表
  2. iPhone/iPodTouchで使える化学アプリケーション 【Part 2】
  3. アスタチンを薬に使う!?
  4. 生合成を模倣した有機合成
  5. 化学探偵Mr.キュリー8
  6. 工程フローからみた「どんな会社が?」~タイヤ編 その2
  7. ラジカルと有機金属の反応を駆使した第3級アルキル鈴木―宮浦型カップリング
  8. ブルース・リプシュッツ Bruce H. Lipshutz
  9. ヴィドマン・ストーマー シンノリン合成 Widman-Stoermer Cinnoline Synthesis
  10. スケールアップ検討法・反応・晶析と実験のスピードアップ化【終了】

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2013年10月
« 9月   11月 »
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

注目情報

注目情報

最新記事

湾曲したパラフェニレンで繋がれたジラジカルの挙動  〜湾曲効果による電子スピン状態の変化と特異性〜

第342回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院 先進理工系科学研究科・宮澤友樹 さんにお願いし…

第165回―「光電変換へ応用可能な金属錯体の開発」Ed Constable教授

第165回の海外化学者インタビューは、エドウィン(エド)・コンステイブル教授です。バーゼル大学化学科…

MEDCHEM NEWSと提携しました

「くすり」に関係する研究者や技術者が約1万7専任が所属する日本薬学会。そ…

抗体を液滴に濃縮し細胞内へ高速輸送:液-液相分離を活用した抗体の新規細胞内輸送法の開発

第341回のスポットライトリサーチは、京都大学 薬学研究科(二木研究室)博士後期課程1年の岩田恭宗さ…

革新的なオンライン会場!「第53回若手ペプチド夏の勉強会」参加体験記

夏休みも去って新学期も始まり、研究者としては科研費申請に忙しい時期ですね。学会シーズン到来の足音も聞…

実験手袋をいろいろ試してみたーつかいすてから高級手袋までー

前回は番外編でしたが、試してみたシリーズ本編に戻ります。引き続き実験関係の消耗品…

第164回―「光・熱エネルギーを変換するスマート材料の開発」Panče Naumov教授

第164回の海外化学者インタビューは、パンチェ・ナウモフ教授です。大阪大学大学院工学研究科 生命先端…

SNS予想で盛り上がれ!2021年ノーベル化学賞は誰の手に?

今年もノーベル賞シーズンの到来です!化学賞は日本時間 10月6日(水) 18時45分に発表です。昨年…

カーボンナノチューブ薄膜のSEM画像を生成し、物性を予測するAIが開発される

先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)、日本ゼオンは産業技術総合研究所(AIST)と共同で、NE…

ケムステ版・ノーベル化学賞候補者リスト【2021年版】

各媒体からかき集めた情報を元に、「未来にノーベル化学賞の受賞確率がある、存命化学者」をリストアップし…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP