[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

カラムやって

先日、なぜかボスが隣の隣のフードでいきなり実験をやっていました。何をやっているのかと思うと、どうやら自分でやってみたい反応があったらしいのです。すばらしく動きが俊敏で(実は手の動きは普通、歩くのが早い)来たと思ったらすぐに去っていったり、また来たりの繰り返し。

私は、自分の生成物のカラム(シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すること)が終わり、毎日決まった時間の夕飯まであと10分程度であったので、ちょっとインターネットをしながら休憩していまいた。最近は、いつも隣のラボの研究員と一緒にカフェテリアで夕飯を食べているのです。

インターネットであるサイトを見ていたところ、ふと気づくと、すぐ横でボスが一緒にサイトを覗いている。

「げっ」っと思い、「何ですか?」と聞くと、「時間あるか?」と聞かれました。まあ、ディスカッションであろうと思い、「問題ないよ」といったところ、次のような答えが返ってきました。

「これクルードだから、カラムやってくれる?」

「えっっ??」と一瞬思いましたが、もちろんいやとはいえずカラムをすることになりました。両隣の学生と、まわりの博士研究員は苦笑。よくあることらしいのです。20秒ぐらいでその化合物について説明して去っていきました。おそらく夕飯だったのでしょう。まあ手伝えることならと思いカラムをやってあげました。すると、ご飯から戻ってきたのか、足早にもどってきて一言、

「もし時間があるなら次の反応もやってくれる?」

といわれました。つまり全部やってほしいのですね・・・。

ちょうど手が空いていたのでよかったですが(苦笑)。結局全部やることになりました。実は後日、彼に、行った実験のNMRを確認してもらったところ「汚いけどいいね!うまくいってるようだ」といわれました。さらに後日よくよくどんな化合物でなんの反応をしたかったのか聞いてみると、全く違うもの(つまり、全くうまくいっていない)であったことがわかりました。

確かに「そんな構造じゃないだろ?」とは思いましたが、まあよいのだろうと思ってましたが…適当ですね。

まあそれはよいとして、うちのラボではたまにボスに頼みごとならぬ、頼み実験・カラムをまかされることがあります。

 

関連書籍

The following two tabs change content below.
webmaster
Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. ノーベル賞いろいろ
  2. FT-IR・ラマン ユーザーズフォーラム 2015
  3. ナイトレン
  4. 計算化学:基底関数って何?
  5. 最近の有機化学論文2
  6. 層状複水酸化物のナノ粒子化と触媒応用
  7. 天然の保護基!
  8. アミロイド認識で活性を示す光触媒の開発:アルツハイマー病の新しい…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. iPhone/iPodTouchで使える化学アプリケーション 【Part 2】
  2. 捏造のロジック 文部科学省研究公正局・二神冴希
  3. フェニル酢酸を基質とするC-H活性化型溝呂木-Heck反応
  4. なぜ青色LEDがノーベル賞なのか?ー基礎的な研究背景編
  5. ノーベル化学賞を担った若き開拓者達
  6. 振動結合:新しい化学結合
  7. 林 民生 Tamio Hayashi
  8. 今年はキログラムに注目だ!
  9. bothの使い方
  10. Louis A. Carpino ルイス・カルピノ

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

持続可能性社会を拓くバイオミメティクス

内容生物に学ぶ考え方は,ナイロンに見られるように古くからあった.近年,ナノテクノロジーの飛躍…

鉄カルベン活性種を用いるsp3 C-Hアルキル化

2017年、イリノイ大学 M. Christina Whiteらは鉄フタロシアニン触媒から生成するメ…

「生合成に基づいた網羅的な天然物全合成」—カリフォルニア大学バークレー校・Sarpong研より

「ケムステ海外研究記」の第19回目は、向井健さんにお願いしました。向井さんはカリフォルニア大…

研究者向けプロフィールサービス徹底比較!

研究者にとって、業績を適切に管理しアピールすることは重要です。以前にも少し触れましたが、科研費の審査…

天然有機化合物の全合成:独創的なものづくりの反応と戦略

概要生物活性天然有機化合物(天然物)は生命の40億年にわたる進化によって選択された高機能分子…

細菌を取り巻く生体ポリマーの意外な化学修飾

地球上に最もたくさんある有機化合物は何でしょう?それは、野菜や果物、紙、Tシャツ、木材、etc…身の…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP