[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

グラフィカルアブストラクト付・化学系ジャーナルRSSフィード

[スポンサーリンク]

新着論文/ブログの更新チェックに便利なツール、RSSリーダーは皆さんもうお使いでしょうか?
(※RSSリーダーの詳細については、有機って面白いよね!の記事「RSSリーダーで新着論文をチェック!」をご覧ください)

アメリカ化学会(ACS)、イギリス王立化学会(RSC)、Thieme Chemistry発行のジャーナルは、もとからグラフィカルアブストラクト付のRSSを配信してます。一目でどんな研究かわかるので、チェックは大変迅速に済みます。

しかし他のWiley、Elsevier、日本化学会(CSJ)といった発行元から配信されるRSSは、タイトルと著者名が表示されるだけで、グラフィカルアブストラクトが付いてきません。Authorの皆さんは毎度苦心して分かりやすいアブストラクトを作っておられるのに、これでは勿体ない、と常々思っていたものです。

世界広しで、全く同じことを考えた人がいました。先日ネット巡回中に見つけた化学系サイト、Sulflower.comは、主要化学系ジャーナルのグラフィカルアブストラクト付RSSを自作して、一般公開してくださっています。


これは有機化学研究を行う多くの人にとって大変有益だと思いますので、以下に転載しておきます。

筆者のようにウェブベースのRSSリーダー(GoogleReaderなど)をお使いであれば、リンクを数回クリックするだけでスムーズに登録できます。
ローカルで動くRSSリーダーで使用可能かは試してないのですが、読者の方で試してみてOKそうならコメント欄でお知らせいただけると、皆の参考になって良いかと思います。

<Wiley>
Angewandte Chemie International Edition
http://feeds.feedburner.com/AngewandteChemieInternationalEdition
Advanced Materials
http://feeds.feedburner.com/AdvancedMaterials
ChemInform
http://feeds.feedburner.com/Cheminform
Chemistry – A European Journal     
http://feeds.feedburner.com/Chemistry-AEuropeanJournal
Chemistry – An Asian Journal     
http://feeds.feedburner.com/ChemistryAnAsianJournal
European Journal of Organic Chemistry     
http://feeds.feedburner.com/EuropeanJournalOfOrganicChemistry
Advanced Synthesis Catalysis     
http://feeds.feedburner.com/AdvancedSynthesisCatalysis

<Elsevier>
Tetrahedron Fresh Issues
http://feeds.feedburner.com/TetrahedronFreshIssues
Tetrahedron Letters Fresh Issues
http://feeds.feedburner.com/TetrahedronLettersFreshIssues
Tetrahedron Asymmetry Fresh Issues
http://feeds.feedburner.com/TetrahedronAsymmetryFreshIssues
Journal of Fluorine Chemistry Fresh Issues
http://feeds.feedburner.com/JournalOfFluorineChemistryFreshIssues

<CSJ>
Bulletin of the Chemical Society of Japan  
http://feeds.feedburner.com/BulletinOfTheChemicalSocietyOfJapanUpdates
Chemistry Letters
http://feeds.feedburner.com/ChemistryLettersUpdates

Sulflower.comより転載

筆者も上記URLを登録して閲覧してみましたが、かなり便利ですね。これでより一層、論文チェックに要する時間が節約できそうです。

Angewandte ChemieとChem.Eur.Jに関してだけは、前回紹介した記事+コメント欄に記載のあるURLの方がベターだと思います。他のはなかなか良い感じです。

ものによっては著者名などの情報が表示されなかったりと、不完全さも多少あるようです。非公式のDIYなので文句は言えませんが。

オーサー名や、文章でのアブストラクト表示を望む方は、それぞれのジャーナルが配信しているもののほうが良いかも知れません。見比べて状況に応じ使い分けてみるのが良いでしょう。

 

余談

Sulflower.comは要するに、代表的な有機化学関連ジャーナルの公開RSSリーダーです。いわば、皆さんご存じChemPortのジャーナル版です。

新着論文ごとにコメントできる機能が付与されており、研究についてディスカッションを重ねるような場にしていきたいとのこと。なかなか有益そうですので、興味のある方は巡回候補に入れてみてはいかがでしょうか。

サイトの管理者は、モスクワ州立大学で化学を研究している院生・Konstantin Chernichenko。

Konstantin_Chernichenko.jpgそしてサイト名の通り、彼はサルフラワー分子[1]に取り組み合成したまさにその人! いやはや、これにはちょっと驚きました。
ちなみにサルフラワーとは以下の形をした綺麗な分子(画像は論文[1a]より)で、ヒマワリ(sunflower)に似てるためにこういう名前が付けられています。

sulflower.jpg

関連文献

  1. (a) Chernichenko, K. Yu.; Sumerin, V. V.; Shpanchenko, R. V.; Balenkova, E. S.; Nenajdenko, V. G. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 7367. doi:10.1002/anie.200602190 (b) hernichenko, K. Yu.; Balenkova, E. S.; Nenajdenko, V. G. Mendeleev Commun. 2008, 18, 171. doi:j.mencom.2008.07.001

 

関連リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 世界最高の活性を示すアンモニア合成触媒の開発
  2. 【追悼企画】不斉酸化反応のフロンティアー香月 勗
  3. 金属材料・セラミックス材料領域におけるマテリアルズ・インフォマテ…
  4. 細胞をすりつぶすと失われるもの
  5. 有機合成化学協会誌2021年8月号:ナノチューブカプセル・ナノグ…
  6. 2010年ノーベル化学賞予想ーケムステ版
  7. CV測定器を使ってみた
  8. これからの研究開発状況下を生き抜くための3つの資質

注目情報

ピックアップ記事

  1. 米ファイザーの第2・四半期は特別利益で純利益が増加、売上高は+1%
  2. 人工細胞膜上で機能するDNAナノデバイスの新たな精製方法を確立
  3. ヒドロゲルの新たな力学強度・温度応答性制御法
  4. 高効率・高正確な人工核酸ポリメラーゼの開発
  5. エッシェンモーザーメチレン化 Eschenmoser Methylenation
  6. 日本化学会と対談してきました
  7. エノラートのα-アルキル化反応 α-Alkylation of Enolate
  8. フライパンの空焚きで有毒ガス発生!?
  9. 第57回「製薬会社でVTuber担当?化学者の意外な転身」前川 雄亮 博士
  10. 「未来博士3分間コンペティション2020」の挑戦者を募集

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年11月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

注目情報

最新記事

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

モータータンパク質に匹敵する性能の人工分子モーターをつくる

第640回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所・総合研究大学院大学(飯野グループ)原島崇徳さん…

マーフィー試薬 Marfey reagent

概要Marfey試薬(1-フルオロ-2,4-ジニトロフェニル-5-L-アラニンアミド、略称:FD…

UC Berkeley と Baker Hughes が提携して脱炭素材料研究所を設立

ポイント 今回新たに設立される研究所 Baker Hughes Institute for…

メトキシ基で転位をコントロール!Niduterpenoid Bの全合成

ナザロフ環化に続く二度の環拡大というカスケード反応により、多環式複雑天然物niduterpenoid…

金属酸化物ナノ粒子触媒の「水の酸化反応に対する駆動力」の実験的観測

第639回のスポットライトリサーチは、東京科学大学理学院化学系(前田研究室)の岡崎 めぐみ 助教にお…

【無料ウェビナー】粒子分散の最前線~評価法から処理技術まで徹底解説~(三洋貿易株式会社)

1.ウェビナー概要2025年2月26日から28日までの3日間にわたり開催される三…

第18回日本化学連合シンポジウム「社会実装を実現する化学人材創出における新たな視点」

日本化学連合ではシンポジウムを毎年2回開催しています。そのうち2025年3月4日開催のシンポジウムで…

理研の一般公開に参加してみた

bergです。去る2024年11月16日(土)、横浜市鶴見区にある、理化学研究所横浜キャンパスの一般…

ツルツルアミノ酸にオレフィンを!脂肪族アミノ酸の脱水素化反応

脂肪族アミノ酸側鎖の脱水素化反応が報告された。本反応で得られるデヒドロアミノ酸は多様な非標準アミノ酸…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP