[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

アメリカ化学留学 ”立志編 ー留学の種類ー”!

[スポンサーリンク]

 

アメリカ化学留学シリーズです。今回は前回の立志編ーアメリカに行く前に用意すること?ーの続き。

 

留学に興味はあると思う人は多いと思います。 一方で海外に出ない日本人の若者を問題視する声もあります。その理由は思いつくだけでもたくさんあります。新卒カードを始めとした社会的レールの強固さ、そもそも日本にいい大学がたくさんあるんだから海外で勉強する必要なくね?などなど。パーソナルな事情なども大きいと思います。ではどのような留学の種類やタイミングがあるのでしょうか?

 

ここでは帰国子女的なケースは除いて、普通の高校生活を日本で送った人を対象に、どのようなタイミングでの留学があるのか、そのメリット・デメリットを一緒に羅列していこうとおもいます。

1)高校卒業後、アメリカの大学に入学、もしくは編入を目指し現地のコミュニティーカレッジに入学

ishot-45.png

留学してくる人の中には高校からいきなりアメリカの大学に入学してくる人がいます。また直接アメリカの大学に入学する学力や、財力などがない場合は、現地のコミュニティーカレッジに入学して編入を目指すというプランもあります。一番のメリットはアメリカの“大学生活”というものを、肌で知ることができるということです。ただ日本の大学生活を知ることが出来ないというのはディスアドバンテージかもしれません。あと一般的に、外国人に対するアメリカの大学の授業料は非常に高いということも負担になるケースはあると思います。

 

2)日本の大学在学中に交換留学

ishot-49.png

様々な形態の交換留学があると思いますが、基本は1年を上限に「大学」や「研究室」の後ろ盾で留学をしてくるケースです。大学にもよりますが、学部生での機会も多いですし、今は大学院生も積極的に海外に行かせようとしているようです。

一番のメリットはそのお手軽感です。特に大学院生の交換留学は、金銭的にも負担はかなり少ないです。また滞在などの面倒は受け入れ先がかなりよくみてくれるので、その点でもやりやすいと思います。一方、やはり1年未満程度の留学では物足りないという人も多いです。自分のケースを鑑みても、来て1年目はナニガナンヤラという感じだった気がします。

 

3)大学、もしくは大学院(修士)卒業後に大学院(博士)で留学

ishot-50.png

僕がこの場を借りて主に紹介しているコースです。メリットもデメリットも大きいと思います。

主なメリットは日本もアメリカもディープに「学生」として経験できて、海外経験という意味でもデカイということです。逆にいうと「学生」という期間が長すぎて、いやはやという気分にはなります(苦笑)

あはは。でもいいんだ。だってきっと輝く未来が待っているはずなんだもん!

 

4) 大学院(博士)卒業後、もしくは就職後にポスドクやらリサーチャーとして働く

ishot-51.png

留学という括りに該当するかどうかはわからないのですが、こういうケースも多いです。これは割と2)の交換留学のケースと似ていると思います。ただ「戦力」として留学してくるので、目的意識も高く持てるというのが違いだと思います。金銭的にも研究的にも充実の日々を過ごせると思います。

ただ留学してくる頃にはもう若くない問題もあると思いますし、研究以外のプラスαを求めようとすると時間的にもポジション的にも満足できないかもしれません。

 

まとめ

大学生が利用でき、提供されているシステムとしては実に色々な留学のプランが存在すると思います。それはおそらくVisaなどの関係で留学がしやすいからということが大きいと思います。そしてそれは世界的にみて大きいアドバンテージであります。

日本の学生はなんで海外に来ないの?みたいなことは巷でもよく言われていますし、アメリカに来ている各国の人にもよく聞かれますが、イントロで書いたことが大きい理由だと思います。(個人的にはその理由を日本人の民族性に帰結させる論調は正しくないと思っています。だって野球選手もサッカー選手も水泳選手も、チャンスがある人は海外に行く人多いじゃないですか!まぁ単純に比較はできないけれど。)
留学すると見えなかったことが見えてきたり、知らなかったゲンジツが多いことを認識させられたりします。それは日常での所謂”留学体験”だけではなく、ラボでの行動様式など多岐に渡ります。多分重要なことは、知らないことに対しての好奇心を隠さないこと、刺激を受けに行くことを恥ずかしがらないことです。

とはいえ個人個人で、事情や都合があると思います。今回のポストでは理系の人でありがちな留学をリストアップしてみました。あなたのプランにマッチする良さげな留学はありますか?

*画像はイメージです。実際の内容とは関係ありません

 

関連リンク

やすたか

投稿者の記事一覧

米国で博士課程学生

関連記事

  1. 多環式骨格を華麗に構築!(–)-Zygadenineの不斉全合成…
  2. 【12月開催】第十四回 マツモトファインケミカル技術セミナー  …
  3. 反応の選択性を制御する新手法
  4. 振動強結合によるイオン伝導度の限界打破に成功
  5. 環状アミンを切ってフッ素をいれる
  6. オキシトシンを「見える化」するツールの開発と応用に成功-謎に包ま…
  7. タミフルの効果
  8. ケムステ国際版・中国語版始動!

注目情報

ピックアップ記事

  1. アメリカの大学院で受ける授業
  2. 炭素-炭素結合を組み替えて多環式芳香族化合物を不斉合成する
  3. 新風を巻き起こそう!ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞2014
  4. 化学企業のグローバル・トップ50が発表【2023年版】
  5. プロセス化学ー合成化学の限界に挑戦するー
  6. ケイ素 Silicon 電子機器発達の立役者。半導体や光ファイバーに利用
  7. 抗薬物中毒活性を有するイボガイン類の生合成
  8. シラフルオフェン (silafluofen)
  9. 黒田 玲子 Reiko Kuroda
  10. エーテル分子はすみっこがお好き?-電場・磁場・光でナノ空間における二元系溶媒の不均一化を知る-

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2012年4月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP