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ケムステニュース

化学企業のグローバル・トップ50が発表【2023年版】

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The global chemical industry confronted exceptional challenges in 2022, but overall it ended the year in decent shape.

According to C&EN’s Global Top 50 survey, the world’s 50 largest chemical companies combined for chemical sales of $1.2 trillion in 2022, the fiscal year on which the survey is based. That is a 17% increase over the results from the same companies in 2021. (引用:C&EN 7月24日)

今年も化学企業のグローバル・トップ50の時期になりました。ケムステでは10年近くこのニュースを取り上げ、各社の順位の変動や日本企業の動向をハイライトして伝えています。では早速2023年の結果を見ていきます。

総評

C&ENの調査によると2022年のグローバル・トップ50の化学品の売り上げは1.2兆ドルで、2021年と比べて17%増加しました。これは、数量の増加というよりも製品の値上げによるものであるだとしています。利益についてはグローバル・トップ50のうち、42社の合計が1177億円となりこちらは前年比7%減となりました。この若干の減少は、ロシアのウクライナへの侵攻によるもので、ロシアのガスに依存しているドイツは特に大きな打撃を受けました。また、各国の中央銀行の金利引き上げや化学産業をけん引する中国のコロナウィルス対策のロックダウンなども影響しているとコメントしています。

トップ50へのランクインとアウト

そんな中状況の中、好調だったのが肥料分野でYara, Nutrien, Mosaicは大きく売り上げを伸ばし、CF Industries, ICL Group, OCIがグローバル・トップ50にランクインしました。

CF IndustriesのLow GHG Fertilizerの紹介

ICL Groupの事業紹介

OCI Globalの紹介動画

リチウムに関する化学分野も電気自動車のシェア拡大の影響を受けて好調な結果となり、チリで無機化学の事業を持つSQMもグローバル・トップ50にランクインしました。忘れてはならないのがレゾナックで、昨年は昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)が合併し42位にランクインしました。

レゾナックブレンドムービー

一方で、Lanxess, DSM, Hengyi Petrochemical, Tongkun Group, Hanwha Solutions, Johnson Matthey, EuroChem Groupは、ランク外となりました。 Hanwhaに関しては、昨年は化学品の売り上げに計上していた太陽電池の売り上げを今年は統計を取る際に除外したため、大きな変動が起きました。EuroChemは、ロシアでの事業が大きくその結果を公表してしなかったためランク外となりました。

上位ランキングの変動

1位から5位までは2022年と比べて変動はなく、BASF, Sinopec, Dow, Sabic, ExxonMobilの順となっています。イギリスの石油化学大手INEOSは、順位を2つ上げて6位となりました。INEOSでは、アジアにて積極的に生産拡大を行っており、例えば三井化学のシンガポールでのフェノール事業(フェノール、アセトン、ビスフェノールA、α-メチルスチレン)を昨年8月に引き継ぎました。LG chemも順位を2つ上げて8位となりました。前述の通り、バッテリー材料の事業に力を入れており、アメリカでの大規模正極材料工場の建設及び自動車会社、ジェネラル・モーター材料の正極材の供給などが決まっています。

Rongsheng Petrochemicalは10位ランクを上げて、16位となりました。Rongshengの関連会社であるZhejiang Petroleum and Chemicaでは、2022年に石油精製能力が2倍になっていますさらに、polycarbonate, acrylonitrile-butadiene-styrene polymer, α-olefins, adiponitrile, and polymethyl methacrylateなどに対する投資プロジェクトを予定しており、事業拡大が続くとみられます。

日本企業の動向

日本企業のトップは三菱ケミカルですが、ランクを一つ落として14位となりました。住友化学はランクを7つ落として30位となりました。東レはランクを4つ落として31位をなりました。三井化学はランクを1つ落として33位となりました。旭化成はランクを4つ落として45位となりました。このように全体的にランキング中位から下位に移ってきており、グローバル競争力の低下が懸念される結果となりました。唯一順位を上げたのは信越化学で、日本企業が軒並み減益となる中48%の増益となり、ランキングも4つ順位を上げて20位となりました。

この記事の売り上げ以外の情報

ケムステニュースでは売り上げのランキングのみ話題にしていますが、他にも様々な情報がこのC&ENの記事にはまとめられています。一つは、”CHEMICAL SALES AS % OF TOTAL SALES“であり、PDF内の表で会社名から右に三つ目の行にまとめられています。これは、化学品の売り上げが会社全体の売り上げの何パーセントなのかを示すもので例えばBASFは100%で、全て化学品の売り上げとなっています。一方Sinpoecは13.8%で、残りは化学品以外からの売り上げであることが分かります。石油化学企業は、ガソリンや軽油などを燃料として販売しているため、化学品が会社の売り上げすべてではないことが分かります。その他の例もあり、各社の多角的な事業について興味を持つきっかけになります。

Spendingも興味深いデータの一つです。PDFの記事では24ページにあり、アルファベット順にCapital spending(設備投資)とR&D spending(研究投資)の額と割合がまとめられています。 投資の割合が多いほど良いというわけではありませんが、各社・各業界のトレンドが分かるかと思います。

 

ロシアのウクライナ侵攻が集結する兆しは無く、この影響は続くとみられます。一方中国のコロナウィルスに対するロックダウンは、ついに終了したため来年のグローバル・トップ50には中国企業の躍進がハイライトされるかもしれません。日本企業については、ランクダウンが目立ち、三菱ケミカルについてでは、CEOの日本の石油化学の未来に対する懸念の言葉を引用しています。半導体向け材料といった特定の分野では日本は高いシェアを保っていますが、化学品全体の売り上げで見ると他国の企業の方が伸びていることは確かなようです。新しい分野として注目されているカーボンニュートラルなどに関する事業についてはまだ始まったばかりであり、ある程度の規模になるまでそれなりの時間がかかると予想されます。そのため日本の技術で優位に立てるよう、官民一体となって研究開発を促進してほしいと思います。

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ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

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