[スポンサーリンク]

一般的な話題

ノーベル化学賞メダルと科学者の仕事

毎年10月に科学界を賑わす話題といえばノーベル賞受賞者発表でしょう。ケムステでも化学賞についての記事が毎年書かれています。ストックホルム土産でノーベル賞メダルチョコをもらった方も読者の中におられるかもしれません。

そのノーベル賞メダル、表のアルフレッド・ノーベルの肖像が有名ですが裏面をご存じでしょうか?今回はその裏面のデザインと科学者の仕事について書きたいと思います。

メダル裏のデザイン

ノーベル賞メダルの裏面のデザインは賞によって異なるようですが、化学賞は物理学賞と共通のようです。記事最初の写真は京都大学のホームページからとってきた、益川敏英博士が受賞した物理学賞のものです。ここに科学の本質が描かれていると私は考えています。

私がノーベル化学賞メダル裏について知ったのは10年以上前のことです。まだ高校生の頃、白川英樹博士の講演内で語られていました。ノーベル化学賞メダルには2人の女神が登場します。右側の科学の神Scientiaはベールを持ち上げて、左にいる自然の女神Naturaの素顔を見ようとしています。偶然かどうかわかりませんが、両者からは代表的な科学雑誌を連想することができます。

自分が見た自然現象をきちんと周りに伝えたからこそ、ノーベル賞受賞者はこのメダルを手にすることができたのでしょう。(後に誤りとわかったケースもありますが、時代が進んで初めて気付くことができる見間違いもあるでしょう。)

科学者の仕事

自然科学者の役割は、未知の自然現象について明らかにしていくことです。まだ自分しか知らない自然の素顔を周りに伝えていくわけですから、見たことをありのままにできるだけわかりやすく表現していかなければなりません。新規性がない論文は却下されますし、証拠からかけ離れた議論も信用されません。見つけたことをしっかり示して証拠に関して議論する、という当たり前のことが求められます。

たとえ偶然当たっていたとしても、根拠のない空想は科学とは呼べません。最近、理化学研究所の研究者たちが残念な騒動を起こしています。彼女/彼らからは「Naturaの素顔を見た」という様子が伝わってくるでしょうか?

科学者の発表倫理: 不正のない論文発表を考える 論文捏造 (中公新書ラクレ)

The following two tabs change content below.
GEN
国立大JK。巨視的規模での多孔性作製を得意としていますが、専門分野があいまいです。バイオロボティクス他いろいろかじっています。化学をおもしろく伝えていきたいと考えています。

関連記事

  1. 今年は共有結合100周年ールイスの構造式の物語
  2. BASFとはどんな会社?-2
  3. 喜多氏新作小説!『美少女教授・桐島統子の事件研究録』
  4. 混合原子価による芳香族性
  5. 自由研究にいかが?1:ルミノール反応実験キット
  6. MOFはイオンのふるい~リチウム-硫黄電池への応用事例~
  7. Macユーザーに朗報!ChemDrawとWordが相互貼付可能に…
  8. Lectureship Award MBLA 10周年記念特別講…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 共有結合性リガンドを有するタンパク質の網羅的探索法
  2. 4-ベンゾイル安息香酸N-スクシンイミジル : N-Succinimidyl 4-Benzoylbenzoate
  3. Reaxys Prize 2012ファイナリスト45名発表!
  4. 第8回平田メモリアルレクチャー
  5. 研究助成金を獲得する秘訣
  6. Natureが査読無しの科学論文サイトを公開
  7. ケムステ10年回顧録― 副代表版
  8. リガンド結合部位近傍のリジン側鎖をアジド基に置換する
  9. わずか6工程でストリキニーネを全合成!!
  10. ネバー転位 Neber Rearrangement

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

役に立たない「アートとしての科学」

科学の研究には、真理の探究という側面と、役立つ発明という側面があります。この二面性を表す言葉…

表現型スクリーニング Phenotypic Screening

表現型スクリーニング(Phenotypic Screening)とは、特定の生物現象に影響を与える化…

NMR解析ソフト。まとめてみた。①

合成に関連する研究分野の方々にとって、NMR測定とはもはやルーティーンワークでしょう。反応を仕掛けて…

エリック・アレクサニアン Eric J. Alexanian

エリック・J・アレクサニアン(Eric J. Alexanian、19xx年x月x日-)は、アメリカ…

光C-Hザンチル化を起点とするLate-Stage変換法

2016年、ノースカロライナ大学チャペルヒル校・Eric J. Alexanianらは、青色光照射下…

硤合 憲三 Kenso Soai

硤合 憲三 (そあい けんそう、1950年x月x日-)は、日本の有機化学者である。東京理科大学 名誉…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP