[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

YMC「水素吸蔵合金キャニスター」:水素を安全・効率的に所有!

[スポンサーリンク]

 

水素ボンベ。水素添加反応で使うので有機化学系の研究室ならば(それ以外にも)必ずみられる赤いヌボっとした奴です。とっても役に立ちますが、高圧ガス保安法では圧縮ガス、加えて可燃性ガス、労働安全衛生法では可燃性ガスとされており、建物に置くときは特定のキャビネットに収め、必ず申請、承認を得る必要があります。そもそも建物の可燃性ガスの量が決まっていると置けないこともしばしば。そもそもでかいので反応するときにもっていくのが面倒なんですよね。

2015-01-10_09-04-37

水素ボンベ

というわけでその活躍に反比例するほどの厄介者です。

そういう筆者の研究室でもたまに使いますが、水素ボンベを所有したくなかった(できなかった)ので、いつも隣の研究室から借りていました。それでも「水素使いたいい、今すぐにだ!!」って時ありますよね。そんな状況のあなたに特にオススメしたいのがこれ。

YMCテクノスから最近発売された水素吸蔵合金キャニスターです。

 

水素吸蔵合金キャニスターとは

 

水素吸蔵合金により水素を貯蔵する水素供給ツールです。通常の水素ボンベは水素を圧縮して(圧縮水素)ボンベ中に閉じ込めますが、、常圧付近での合金の水素吸脱着により水素を貯蔵すると言った仕組みです(図参照)。つまりガスボンベとは全く異なるわけです。


storage03

その為、名前も「キャニスター」、すなわち高圧ガス保安法に該当せず実験室に設置可能です

 

どうやって使うの?

詳しい話は問い合わせていただければいいと思うのですが、基本的には通常の水素ボンベと同じです。バルーンに入れても良いですし、そのまま接続して使用することもできます。水素脱着は温度をあげるほど速いので、たくさん出したいときには温度をあげてあげる必要があります。逆に、水素を貯蔵したいときには温度を下げてあげればよく吸着されるわけですよね。大きさも様々なものが揃っていて片手で楽々持てる小さなものから、比較的大きなものまで揃っています(冒頭の図)。そもそも赤くなく青いんです。これが”水素ボンベ”ではない証拠ですね。

もっとも小さなものでも、金属中にたくさんの水素が吸着されているので、反応を1回行う程度なら問題ありません。何度も行いたいのならば中程度の大きさのものをオススメします。ちなみにうちの研究室で購入したものは真ん中の細長いものです。

2015-01-10_09-05-40

 

では使いきってしまったらどうしたらいいのでしょうか。水素を再度吸着する必要がありますよね。てことはやっぱり水素ボンベは必要なの?と思う方はいるかもしれません。いえ、水素発生装置から供給できるのです。

 

キャニスターへの水素供給方法

ガスクロなどの分析装置で水素を使われている研究室ならば、最近はすべてこれ(水素発生装置)ですよね。各社から様々なものが市販されています。ここに接続するだけでキャニスターに水素を再吸着することができます。とはいっても、上述したように水素を貯蔵したいときには温度を下げる方が効率的です。その温度を調整する「Cani-Station」(ケムステみたいな名前ですが一切関係はありません)というものが別売されています。この「Cani-Station」にキャニスターをいれ、水素発生装置に接続し、放置するだけ。これで水素がたまります。非常に簡単ですね。

2015-01-10_09-06-38

ただし、水素発生装置の種類によって、水素の供給量が少ないものがあり、エラーが発生する場合があります。その時は一工夫必要となりますが、もちろん使うことはできます。ちなみに水素発生装置はYMCテクノスからも発売されていて、高性能であるためこのような問題は起こりません。水素発生装置を所有していない場合は同時の購入をオススメいたします。

 

2015-01-10_09-07-30

ワイエムシィのブランド「Scitem」

少し話はそれますが、既に紹介したウェブサイトをご訪問した方ならわかると思いますが、いい意味で化学製品を販売しているウェブサイトらしからぬ外観をしていませんか。どうやらこの水素急増キャニスターを始めとする高機能商材のために「Scitem」という新しいブランドを最近立ち上げたようです。

2015-01-10_09-08-03

 

Scitemの由来はScienceとitemからきているらしく、この名前の良し悪しはおいておいて、なかなか購買意欲をそそるウェブサイトとなっています。あまり化学機器製造・販売会社ではみられないデザインも重視しているという戦略に好感を覚えます。中身が微妙なら仕方ないですが、それでいて高品質であるというのならばぜひ他社も追随するべきではないでしょうか。

 

快適水素ライフの実現へ

というわけで、今回は安全・効率よく水素を扱う「水素貯蔵合金キャニスター」を紹介しました。今のところ他社ではやられていない新製品のようですので、ぜひご購入を検討してみて下さい。さらに、研究室へ導入した際に交渉したところ、ケムステ読者様のために特別価格を提示してくれるそうです。もちろんココには書けないので、お問いわせの際に、ケムステをみたことを記載してください。最安価格で購入できるはずです(ですよね?)

快適水素ライフ(?)の実現へ第一歩を踏み出しましょう。お問い合せはこちら!

 Scitemホームページ

〒923-1211 石川県能美市旭台2丁目13番地 いしかわクリエイトラボ208

お問い合わせ:お問い合わせフォーム

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. メソポーラスシリカ(2)
  2. 人工DNAから医薬をつくる!
  3. 研究最前線講演会 ~化学系学生のための就職活動Kickoffイベ…
  4. 2020年ケムステ人気記事ランキング
  5. 就職か進学かの分かれ道
  6. Googleマイマップを持って学会に出かけよう!
  7. クリスマス化学史 元素記号Hの発見
  8. 高分子ってよく聞くけど、何がすごいの?

注目情報

ピックアップ記事

  1. フランク・グローリアス Frank Glorius
  2. ネイティブ・ケミカル・ライゲーション Native Chemical Ligation (NCL)
  3. 藤沢晃治 「分かりやすい○○」の技術 シリーズ
  4. ベンゼン環記法マニアックス
  5. 可視光レドックス触媒と有機蓄光の融合 〜大気安定かつ高性能な有機蓄光の実現〜
  6. 無限の可能性を秘めたポリマー
  7. 10手で陥落!(+)-pepluanol Aの全合成
  8. IBM,high-k絶縁膜用ハフニウムの特性解析にスパコン「Blue Gene」を活用
  9. コロナウイルスが免疫システムから逃れる方法(2)
  10. 日本薬学会第139年会 付設展示会ケムステキャンペーン

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2014年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP