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化学書籍レビュー

藤沢晃治 「分かりやすい○○」の技術 シリーズ

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 概要

日頃、読み書きする文書には必ず、お知らせ、お願い、報告などの「目的」がある。あなたの書いた文章は「目的」を果たしているか?あなたが受け取った文章は、読んで「なるほど」と思えるか?「目的」を正しく伝える18のテクニック。(分かりやすい文章の技術・解説より)

 

対象

伝えたいことを持つすべての人。

評価・感想

これら「分かりやすい技術」シリーズは、研究者に限らず、「他人に自分の意図するところをクリアに伝える」ことを欲する人達に向けて執筆されています。

といっても凝り飾ったテクニック集の類ではなく、そのために押さえておくべき基礎の基礎・心構えを、例示しながら万人に分かりやすく解説しています。こういったことの根底を成す筆者の哲学はシンプルであり、「分かりやすさとは、サービス精神そのものである」ということです。つまりは、誰しもが取り組めるレベルのことであるはずなのです。

化学に限らず研究者は他人に考えることを伝えてナンボの職業です。しかし、専門知識に傾倒するあまり、視野狭窄的になってしまいがちでもあります。「分からない奴らこそがふがいない」としてしまい、本書に書かれている事項すらおぼつかない人も、実に多く見かけるものです。

学生達にとっては、読破する価値がある書物だと思います。社会人として活動し始める前にある程度身に付けておかないと、やや遅い感のある内容ばかりです。・・・とはいえ、これが大変に売れてる現実を考えても、基礎が完璧に出来る人というのはそう多くないのでしょうね。

これらのシリーズを一通り読んで見ると、きっと自分に足りないところが見えてくるはずです。オススメです。

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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