[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

日本ビュッヒ「Cartridger」:カラムを均一・高効率で作成

[スポンサーリンク]

 

近年、パックドカラムの興隆により、実験室での化合物精製環境が一変しています。カラムを立てて、シリカゲルを詰め、粗生成物をマウントしポンプで押しながら分離する、といったこれまでの常識であった光景は、将来的にほとんどみられなくなることでしょう。自動精製装置にパックドカラムをセットして、ボタンをポチッと押すだけ。その間に他の実験の処理や解析を行なうことができますね。

今でも異論はあるとは思いますが、複雑化、多方面からの実験・解析が必要となっている昨今、実験のタイムマネージメントも研究を進める上で極めて重要であると感じでいます。

パックドカラム、自動精製装置に関しては過去の以下の記事をご参照ください。

 

 

さて、そんな便利なパックドカラムに唯一の難点が「高価」であるということ。上記の過去記事にあるように、どうにか安くならないかと画策していますが、まだまだ安価に化合物を精製できる状況とはいえません。そもそもシリカゲルなどのゲルがかなり高価なんですが。特に大きなカラムとなると、下手をすると合成品とゲルどっちが高いんだろう?というぐらい、パックドカラムは高いです。需要と供給の関係ですね。

少し前置きが長くなりましたが、そんなパックドカラムを自分で均一に作成することができたら…

それを叶えたのが日本ビュッヒから発売されている「Cartridger」(カートリッジャー)。簡単にいえば、パックドカラム製造機です。

 

パックドカラム作成って利点を消してない?

パックドカラム作成するって簡便性の利点を消してないか?と思われるでしょう。その通りです。面倒でしたら「使って捨てるだけ」というカラム側の簡便性がへっています。しかし、サイズの大きなカラムは本当に高価なんですね。それでも、すばやく均一かつ安価にカラムをつくることができたら、カラムの溶媒の安定化時間の短縮、データの正確性・保存性、自動化という点で自動精製装置が使えるといった利点は大きくくなります。

 

吸い込んでつめるだけ

下記の動画を見れば作成方法は一目瞭然だと思われます。

 

一応説明しますと、

  1. シリカゲルを専用の容器に投入
  2. ポンプのスイッチを入れ、フィルターをつめたカートリッジを用意
  3. カートリッジ挿入、ポンプの力でゲルを吸い上げ、フィルターを装着

これで完成です。極めて簡単です。実際に簡単で1分もあれば大きなカラムも作成できます。

 

2015-05-25_13-31-14

図1 Cartridgerの使用方法

 

コストとその他の問題

ではコストをみてみましょう。実際各々の製品に値引き等がありますので正確な値は表示・比較できませんが、大きなカートリッジを用いる場合、1本当たりパックドカラムを使う場合に比べて必ず半額以下になります。実は専用のカートリッジが必要であり、意外に高いのですが、大きいパックドカラムは比較にならないぐらい高価です(使い捨のカートリッジ以外に何度も使えるガラス製のカートリッジもあります)。

もう1つ誰もが思う疑問は、「本当にこの機械が必要なのか?」という点です。確かに、カートリッジにシリカゲルをサラサラといれてもいいかもしれません。実際に機械なしでもやってみましたが作れないことはありませんでした。ただしもう少し時間がかかります。また、カートリッジに隙間なく詰め込むことは困難です。さらに比較した訳では無いですが、均一にカラムを詰めることができていないため、分離能が下がります。

最後に、分離能はどうなの?という点ですが、使用した感覚ですと、各社が発売しているパックドカラムとほとんどかわりません。ただ、バイオタージから発売しているハイパフォーマンスのパックドカラムよりは分離能が落ちました。そもそものシリカゲルのサイズをより細かいものに変更すれば分離能は上がると思います。

 

デモをしてみてはいかがでしょうか?

まずはデモで試してみることをオススメいたします。デモには多くのカートリッジもつけてくれますので、カラムを作成して自身の化合物を分離してみてはいかがでしょうか。

お問い合せはこちら!

 

日本ビュッヒ株式会社

住所:〒1100-0008東京都台東区池之端2-7-17IMONビル3F

電話:03-3821-4777

E-mail: nihon@buchi.com

webmaster

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 面接官の心に刺さる志望動機、刺さらない志望動機
  2. 2007年度ノーベル化学賞を予想!(3)
  3. 高速原子間力顕微鏡による溶解過程の中間状態の発見
  4. ボロン酸エステルをモノ・ジフルオロメチル基に変える
  5. 抗ガン天然物インゲノールの超短工程全合成
  6. パラジウムが要らない鈴木カップリング反応!?
  7. 私達の時間スケールでみても、ガラスは固体ではなかった − 7年前…
  8. 2014年ノーベル化学賞・物理学賞解説講演会

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 沼田 圭司 Keiji Numata
  2. NMRの化学シフト値予測の実力はいかに
  3. 三菱化学の合弁計画、中国政府が認可・330億円投資へ
  4. 辻・ウィルキンソン 脱カルボニル化反応 Tsuji-Wilkinson Decarbonylation
  5. Twitter発!「笑える(?)実験大失敗集」
  6. 第161回―「C-H官能基化と脱芳香族化を鍵反応とする天然物合成」Shu-Li You教授
  7. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」⑧(解答編)
  8. E-mail Alertを活用しよう!
  9. 複雑なアルカロイド合成
  10. 総合化学大手5社、前期は空前の好決算・経常最高益更新

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年5月
« 4月   6月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

注目情報

最新記事

カーボンナノチューブ薄膜のSEM画像を生成し、物性を予測するAIが開発される

先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)、日本ゼオンは産業技術総合研究所(AIST)と共同で、NE…

ケムステ版・ノーベル化学賞候補者リスト【2021年版】

各媒体からかき集めた情報を元に、「未来にノーベル化学賞の受賞確率がある、存命化学者」をリストアップし…

ライトケミカル工業2023卒採用情報

当社の技術グループは、20代~30代の若手社員が重要な主要案件を担当しています。広範囲で高レベルな化…

アブラナ科植物の自家不和合性をタンパク質複合体の観点から解明:天然でも希少なSP11タンパク質の立体構造予測を踏まえて

第340回のスポットライトリサーチは、東京大学 大学院農学生命科学研究科の森脇 由隆…

オンライン講演会に参加してみた~学部生の挑戦記録~

hodaです。講演会やシンポジウムのオンライン化によって学部生でもいろいろな講演会にボタンひとつで参…

令和3年度に登録された未来技術遺産が発表 ~フィッシャー・トロプシュ法や記憶媒体に関する資料が登録~

国立科学博物館は、平成20年度から重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)の登録を実施しています。令…

企業研究者のためのMI入門②:Pythonを学ぶ上でのポイントとおすすめの参考書ご紹介

現在、多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)による生産性向上を試みています。特に化学メ…

女子の強い味方、美味しいチョコレート作りを助ける化合物が見出される

チョコレートの製造過程でリン脂質分子を添加するという方法を用いれば、複雑なテンパリング(加熱・せん断…

火力発電所排気ガスや空気から尿素誘導体の直接合成に成功

第339回のスポットライトリサーチは、産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センタ…

CV測定器を使ってみた

「電気化学」と聞くと、難しい数式が出てきて何やらとっつきづらいというイメージがある人が多いと思います…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP