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有機合成化学協会誌2019年9月号:炭素–水素結合ケイ素化・脱フッ素ホウ素化・Chemically engineered extracts・クロロアルケン・ニトレン

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有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2019年9月号がオンライン公開されました。

まだまだ猛暑は続きますね。学会シーズンに突入とあって、ラボでもちょっとバタバタした感じが出てきた今日この頃です。

今月号もとても興味深い内容となっています。キーワードは、「炭素–水素結合ケイ素化・脱フッ素ホウ素化・Chemically engineered extracts・クロロアルケン・ニトレン」です。今回も、会員の方ならばそれぞれの画像をクリックすればJ-STAGEを通してすべてを閲覧することが可能です。

巻頭言:大海で有機合成化学を生かす道

今月号は大阪大学大学院理学研究科 村田 道雄教授による巻頭言です。

有機合成化学を武器にもつ研究者が、サイエンスという世界でどのように生きていくべきかを考えさせられます。オープンアクセスです。

祝辞:藤田 誠先生恩賜賞および日本学士院賞を受賞

東京工業大学 化学生命科学研究所 吉沢 道人 准教授による祝辞記事です。

この度は、ご受賞誠におめでとうございます。藤田先生の素晴らしさが短くまとめられていますので、ぜひご覧ください。オープンアクセスです。

祝辞:平間正博先生に日本学士院賞

平間先生のご経歴・業績とともに、その研究哲学をも垣間見える祝辞記事です。ご受賞おめでとうございます。オープンアクセスです。

ルテニウム触媒を用いる配位性官能基近傍の炭素-水素結合のケイ素化およびホウ素化

北見工業大学工学部応用化学系 村田 美樹*、前田 優奈

本総合論文は,ルテニウム触媒によるアリールC–H結合およびアルキルC–H結合の直截ケイ素化,アリールC–H結合の直截ホウ素化が記されています.本触媒系は,通常汎用されるアルケンなどの水素捕捉剤を必要としない.反応手法だけでなく,反応機構についても合わせて議論されています.

芳香族フッ化物の脱フッ素ホウ素化反応

丹羽 節1* ・ 細谷 孝充1,2*

1*理化学研究所生命機能科学研究センター

2*東京医科歯科大学生体材料工学研究所

触媒的脱フッ素ホウ素化反応は、強固な炭素‐フッ素結合を一定の反応性を示す炭素‐ホウ素結合へと変換するという、一見すると矛盾した過程であり、その開発は極めて挑戦的です。本論文は、この脱フッ素ホウ素化反応の進展について、著者らの研究も含めて丁寧に説明されています。是非ご覧ください。

Chemically Engineered Extractsからの新規医薬シーズ探索

城西大学薬学部薬科学科 鎌内 等*

明治薬科大学 木下 薫、小山清隆

本総合論文は、Chemically engineered extracts (CEEs)法の概念の説明と、CEE法による新規四環性クマリン誘導体の合成について述べています。また得られたクマリン二量体の絶対立体配置の決定と、チロシナーゼ阻害活性についても紹介しています。

クロロアルケン骨格を基盤としたペプチドミメティック化学への展開

東京医科歯科大学生体材料工学研究所 小早川拓也、玉村啓和*

「ただのアルケン」ではなく「クロロアルケン」で模倣する点がミソです!

近年、代謝安定性や生理活性の増強を志向したペプチドミメティックの創製が盛んですが、著者らは巧みな合成によりアミド結合をクロロアルケンに置き換えて活性向上に成功しています。ぜひご一読ください。

ベンザスタチン生合成におけるシトクロムP450によるニトレン形成と付加反応を介した5,6員環形成反応

東京大学大学院農学生命科学研究科 堤 隼馬、勝山陽平、大西康夫*

テトラヒドロキノン骨格、もしくはインドリン骨格を有するメロテルペノイドであるベンザスタチン類は、アニリン部のN-アセトキシ化を経由するピペリジン環化、もしくはピロリジン環化により骨格が形成されるという、前例のない生合成経路であることを明らかにした。

Rebut de Debut:アセチレンを活用した多環芳香族炭化水素の合成

今月号のRebut de Debutは1件です。オープンアクセスですのでぜひごらんください。

アセチレンを活用した多環芳香族炭化水素の合成(大阪大学大学院工学研究科)小西彬仁

感動の瞬間:30年を経ても

今月号の感動の瞬間は、千葉大学大学院薬学研究院 西田篤司 教授による寄稿記事です。

感動の瞬間というのは研究におけるものに限らず、ということを改めて感じました。オープンアクセスです。

これまでの紹介記事は有機合成化学協会誌 紹介記事シリーズを参照してください。

関連書籍

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博士(理学)。大学教員。娘の育児に奮闘しつつも、分子の世界に思いを馳せる日々。

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