[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

有機化学1000本ノック【反応機構編】

[スポンサーリンク]

概要

大学の有機化学では,反応の最初と最後だけ覚えるのではなく,その途中の過程を一つ一つていねいに追いかけることが求められる.反応は結合の切断と生成の繰り返しであり,どれだけ分子構造や反応が複雑になっても,電子の移動(曲がった矢印)が正しくわかっていれば怖れることはない.『命名法編』,『立体化学編』と同様に1000問超の問題を掲載.電子の移動が「身体に染みつく」まで解いて解いて解きまくれ!(引用:化学同人

対象者

  • 有機化学初学者
  • 大学生
  • 電子の移動についていけなくなった人

内容

この書籍は、以前も紹介があった有機化学1000本ノックのシリーズの続編です。このシリーズの特徴といえば、なんといっても圧倒的問題数。1000題はジョークではありません。本当に1000題あります。問題に1000まで番号が振られています。難易度的にはマクマリー有機化学についている問題よりはやさしいという感じです。とにかく解きまくることが訓練になります。計算ドリルの有機化学バージョンです。

この本は 「ルイス構造式と結合の分極」と名付けられた第0章から始まり、 続く第1-3章の「酸と塩基」、「共鳴」、「結合の生成と切断の基礎」を通して、化学反応の理解の基礎の基礎である化学結合の性質や有機電子論を頭に叩き込まれます。その後は、官能基ごとの反応性の各論にうつります。具体的には、アルケンとアルキンの反応(4-5 章)、芳香族求電子置換反応 (第6章)、ハロゲンの置換/脱離反応 (7-8 章)、アルコールの置換/脱離/酸化反応 (9-10 章)、エーテル、エポキシド、スルフィドの反応(11 章)、カルボニル基の反応 (12-15 章) となっており、大学学部レベルの反応が網羅されています。

本の構成

本書から一部抜粋。注釈は筆者がつけました。

このような書き込み式の形で、たくさん問題が並んでいます。矢印を記入するものだけから、徐々にレベルアップしていきます。

感想

筆者は執筆時点(2021年2月)で学部1年生であり、絶賛有機化学勉強中です。1000 本ノックシリーズは、この記事で紹介している反応機構編だけでなく、前作の命名法編と立体化学編にもお世話になりました。週2時間半程度解いており、命名法編は5週間程度、立体化学編は7週間程度かかって 1000 本 ×2 をやり遂げました。今回紹介している反応機構編は解いている最中ですが、命名法編や立体化学編よりももっと時間がかかりそうです。有機化学1000本ノックはシリーズではありますが、命名法編、立体化学編、反応機構編はそれぞれ独立しています。反応機構編から始めるなどしても問題なく、自分に必要なところをピンポイントで勉強することができます。各章ごとにポイントもついていますが、おすすめは教科書と並行して利用することです。解答もついているので、自習に向いていると思います。

関連記事

関連書籍

参考文献

有機化学1000本ノック【反応機構編】(化学同人)

(トップ画像の表紙写真は化学同人のホームページから引用しました。)

hoda

投稿者の記事一覧

大学院生です。ケモインフォマティクス→触媒

関連記事

  1. Name Reactions: A Collection of …
  2. 【書籍】『これから論文を書く若者のために』
  3. 学振申請書の書き方とコツ
  4. Modern Method of Organic Synthes…
  5. Practical Functional Group Synth…
  6. 理系女性の人生設計ガイド 自分を生かす仕事と生き方
  7. ノンコーディングRNA 〜 RNA分子の全体像を俯瞰する〜
  8. 食品添加物はなぜ嫌われるのか: 食品情報を「正しく」読み解くリテ…

注目情報

ピックアップ記事

  1. カーボンナノチューブの分散とその応用【終了】
  2. 医療用酸素と工業用酸素の違い
  3. ニコラス-ターナー Nicholas Turner
  4. 塩野義 抗インフルエンザ薬製造・販売の承認を取得
  5. キラルシリカを“微小らせん石英セル”として利用した円偏光発光制御技術の開発
  6. 第19回 有機エレクトロニクスを指向した合成 – Glen Miller
  7. アメリカ大学院留学:卒業後の進路とインダストリー就活(2)
  8. ヒドロゲルの新たな力学強度・温度応答性制御法
  9. γ-チューブリン特異的阻害剤の創製
  10. アメリカ化学留学 ”立志編 ー留学の種類ー”!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2021年2月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728

注目情報

最新記事

第61回Vシンポ「中分子バイオ医薬品分析の基礎と動向 ~LCからLC/MSまで、研究現場あるあるとその対処~」を開催します!

こんにちは、Macyです。第61回Vシンポのご案内をさせていただきます。今回は、Agilen…

水分はどこにあるのか【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

「MI×データ科学」コース 〜LLM・自動実験・計算・画像とベイズ最適化ハンズオン〜

1 開講期間2026年5月26日(火)、29日(金) 計2日間2 コースのねらい、特色近…

材料の数理モデリング – マルチスケール材料シミュレーション –

材料の数理モデリング概要材料科学分野におけるシミュレーションを「マルチスケール」で理解するた…

第59回天然物化学談話会@宮崎(7/8~10)

ごあいさつ天然物化学談話会は、全国の天然物化学および有機合成化学を研究する大学生…

トッド・ハイスター Todd K. Hyster

トッド・カート・ハイスター(Todd Kurt Hyster、1985年10月10日–)はアメリカ出…

“最難関アリル化”を劇的に加速する固定化触媒の開発

第 703回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院 理工学府 博士課程前期で…

「ニューモダリティと有機合成化学」 第5回公開講演会

従来の低分子、抗体だけでなく、核酸、ペプチド、あるいはその複合体(例えばADC(抗体薬物複合体))、…

溶融する半導体配位高分子の開発に成功!~MOFの成形加工性の向上に期待~

第702回のスポットライトリサーチは、関西学院大学理学部(田中研究室)にて助教をされていた秋吉亮平 …

ミン・ユー・ガイ Ming-Yu Ngai

魏明宇(Ming-Yu Ngai、1981年X月XX日–)は米国の有機化学者である。米国パデュー大学…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP