[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

有機化学1000本ノック【反応機構編】

[スポンサーリンク]

有機化学1000本ノック 反応機構編

有機化学1000本ノック 反応機構編

矢野 将文
¥2,970(as of 09/13 17:47)
Amazon product information

概要

大学の有機化学では,反応の最初と最後だけ覚えるのではなく,その途中の過程を一つ一つていねいに追いかけることが求められる.反応は結合の切断と生成の繰り返しであり,どれだけ分子構造や反応が複雑になっても,電子の移動(曲がった矢印)が正しくわかっていれば怖れることはない.『命名法編』,『立体化学編』と同様に1000問超の問題を掲載.電子の移動が「身体に染みつく」まで解いて解いて解きまくれ!(引用:化学同人

対象者

  • 有機化学初学者
  • 大学生
  • 電子の移動についていけなくなった人

内容

この書籍は、以前も紹介があった有機化学1000本ノックのシリーズの続編です。このシリーズの特徴といえば、なんといっても圧倒的問題数。1000題はジョークではありません。本当に1000題あります。問題に1000まで番号が振られています。難易度的にはマクマリー有機化学についている問題よりはやさしいという感じです。とにかく解きまくることが訓練になります。計算ドリルの有機化学バージョンです。

この本は 「ルイス構造式と結合の分極」と名付けられた第0章から始まり、 続く第1-3章の「酸と塩基」、「共鳴」、「結合の生成と切断の基礎」を通して、化学反応の理解の基礎の基礎である化学結合の性質や有機電子論を頭に叩き込まれます。その後は、官能基ごとの反応性の各論にうつります。具体的には、アルケンとアルキンの反応(4-5 章)、芳香族求電子置換反応 (第6章)、ハロゲンの置換/脱離反応 (7-8 章)、アルコールの置換/脱離/酸化反応 (9-10 章)、エーテル、エポキシド、スルフィドの反応(11 章)、カルボニル基の反応 (12-15 章) となっており、大学学部レベルの反応が網羅されています。

本の構成

本書から一部抜粋。注釈は筆者がつけました。

このような書き込み式の形で、たくさん問題が並んでいます。矢印を記入するものだけから、徐々にレベルアップしていきます。

感想

筆者は執筆時点(2021年2月)で学部1年生であり、絶賛有機化学勉強中です。1000 本ノックシリーズは、この記事で紹介している反応機構編だけでなく、前作の命名法編と立体化学編にもお世話になりました。週2時間半程度解いており、命名法編は5週間程度、立体化学編は7週間程度かかって 1000 本 ×2 をやり遂げました。今回紹介している反応機構編は解いている最中ですが、命名法編や立体化学編よりももっと時間がかかりそうです。有機化学1000本ノックはシリーズではありますが、命名法編、立体化学編、反応機構編はそれぞれ独立しています。反応機構編から始めるなどしても問題なく、自分に必要なところをピンポイントで勉強することができます。各章ごとにポイントもついていますが、おすすめは教科書と並行して利用することです。解答もついているので、自習に向いていると思います。

関連記事

関連書籍

有機化学1000本ノック 命名法編

有機化学1000本ノック 命名法編

矢野 将文
¥1,760(as of 09/14 09:36)
Amazon product information
有機化学1000本ノック 立体化学編

有機化学1000本ノック 立体化学編

矢野 将文
¥1,980(as of 09/13 17:47)
Amazon product information

参考文献

有機化学1000本ノック【反応機構編】(化学同人)

(トップ画像の表紙写真は化学同人のホームページから引用しました。)

hoda

投稿者の記事一覧

大学院生です。ケモインフォマティクス→触媒

関連記事

  1. 人物でよみとく化学
  2. 有機合成創造の軌跡―126のマイルストーン
  3. 化学探偵Mr.キュリー7
  4. ベーシック反応工学
  5. バイオ医薬 基礎から開発まで
  6. 大村智 ー2億人を病魔から守った化学者
  7. ケモインフォマティクス
  8. 有機・無機材料の相転移ダイナミクス:数理から未来のマテリアル開発…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 夏休みの自由研究に最適!~家庭でできる化学実験7選~
  2. セールスコピー大全: 見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方
  3. 反芳香族化合物を積層させ三次元的な芳香族性を発現
  4. 日本化学会 第106春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part I (3/16追記)
  5. ポーソン・カーン反応 Pauson-Khand Reaction
  6. オリンピセン (olympicene)
  7. きみの未来をさがしてみよう 化学のしごと図鑑
  8. 住友製薬-日本化薬、新規抗がん剤で販売提携
  9. 第11回 有機エレクトロニクス、分子からデバイスまで – John Anthony教授
  10. DOWとはどんな会社?-1

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2021年2月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728

注目情報

最新記事

第6回鈴木章賞授賞式&第10回ICReDD国際シンポジウム開催のお知らせ

計算科学、情報科学、実験科学の3分野融合による新たな化学反応開発に興味のある方はぜひご参加ください!…

条件の「前後」も実験条件である【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

そのpH、“本当にその場所”の値ですか?ニードル式pHセンサーを使ってみた!

突然ですが、「培養の再現性がなんか悪い」「同じ条件のはずなのに結果がズレる」といった経験はあ…

「骨格編集」×「ナノカーボン合成」〜ナノカーボン合成の新戦略を実証〜

第719回のスポットライトリサーチは、名古屋大学大学院工学研究科(忍久保研究室)博士後期課程2年の平…

【書評】立体化学 はじめの一歩

立体化学は,分子の三次元構造を理解するための重要な分野であり,有機化学や…

水のシミュレーション入門 — 水分子を計算機の中でどう”描く”か —

身近なのに、計算機にとって手強い"水"。本記事では、点電荷モデルから機械学習まで、その"描き方"の進…

◆◇◆◇ 第36回フォーラム・イン・ドージン開催のご案内 ◆◇◆◇

同仁化学研究所が熊本から世界へ情報発信するフォーラム・イン・ドージンの開催ご案内です。今年は『な…

『力』による円偏光発光のon/off制御を単一分子レベルで実現

第718回のスポットライトリサーチは、東京科学大学 物質理工学院(相良研究室)博士後期課程2年の野中…

数日かかっていた反応機構解析を、わずか数分に!

機械学習ポテンシャルが変える計算化学の現在近年、DFT計算による反応機構解析は広く行われるよ…

海外ポスドクのオファーをもらう【アメリカで Ph.D. を取る: 進路編】

ポスドクとして海外に留学する場合、希望する研究室の教授に直接連絡を取り、面接などを通して適性を判断さ…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP