[スポンサーリンク]

一般的な話題

合格体験記:知的財産管理技能検定~berg編~

[スポンサーリンク]

私(berg)が2019(令和元)年11月17日(日)に受験した3級(第34回)の記録です。現状とは異なる可能性があります。

受験申し込み

勤務先(化学メーカー 技術職)からの勧めを受けて受験しました。受験手数料は学科、実技ともに5,500円の合計11,000円とややお高め。申し込みから本人確認、手数料振り込みまで手続きはすべてWeb上のマイページで完結したので大変便利でした。

勉強

基本的には公式テキスト「知的財産管理技能検定3級公式テキスト」と公式サイトで公開されている過去問に取り組みました。ところどころ大学時代に受講した知的財産関連講義のノート等も参照しました。

[amazonjs asin=”490918922X” locale=”JP” title=”知的財産管理技能検定 3級公式テキスト改訂11版”]

公式テキストは初学者にもわかりやすくよくまとまっており、重要な部分は赤文字で書かれていて付属の赤下敷で隠せるようになっているなど、使い勝手は文句なしでした。公式だけあってテキストの内容以外からの出題はありませんが、欄外の注釈などからの出題など重箱の隅をつつくような試験問題もあるので注意が必要です。

3級には専門分野(特許・実用新案/意匠/商標)の区分がありませんので、業務に使うのが特許の知識だけであったとしても、全分野をまんべんなく勉強しておく必要があります。分野に応じた重要度の偏りも特にないので、最初から順を追って1か月ほど取り組みました。平日は帰宅してから就寝までの1時間ほど、休日は数時間ほど勉強したので、合計40-50時間程度の勉強時間だったかと思います。

出願から審査を経て権利化するまでの流れや、特許、実用新案、意匠、商標での手続きや有効期間の差異などがややこしかったのが印象に残っています。勉強法は人それぞれだと思いますが、私は自分で手を動かしてアウトプットしないと頭に入らない質なので、それぞれフローチャートや表に自分でまとめて覚えました。

試験の1週間前から過去問に手を付けました。本番同様に時間を区切って解き、間違えた問題はミスがなくなるまで重点的に復習しました。

試験当日

東京都で受験しました。試験会場は世田谷区の国士舘大学でした。受験者はそれなりに多く、最寄り駅から人が途切れることなく歩いていたので迷わず到着しました。

当日のスケジュールは、学科試験が11:15-12:00、休憩をはさんで実技試験が12:30-13:15でした。事前に過去問を解いていたためか、さほど難しくは感じず、時間が不足することもなく落ち着いて解くことができました。

結果とその後

採点に時間がかかるのか、合否結果の発表は翌年の1月に入ってからでした。マイページ上で試験結果が公表され、無事合格していることを確認しました。合格基準点の70%に対して学科は96%とまずますの出来、実技は83%とやや心許ない結果でしたが一安心しました。ちなみにこのときの合格率は3級学科が70%、実技が78%(公式発表より計算)だったようで、より易しいはずの実技で失点が目立ったのが少し心残りではありました。

現在に至るまで2級以上の上位級は受験していませんが、3級相当の知識でも業務にはたしかに役立っている実感があります。他社の特許をいかに迅速に調査するか、公開されている情報から何を読み取るか、など、特許の仕組みや権利化の流れを理解しないことには土俵に立てません。論文を読みなれた人が行間を読んで多くの情報を手にすることができるのとも似ているかもしれません。資格そのものに特別な効力があるわけではありませんが、競争の激しい分野で研究や開発を行う上では決して無駄な知識ではないと思います。

特別難しい試験ではないので一夜漬けでも通ってしまうかもしれませんが、知識や考え方の定着という観点からは早くから少しずつ勉強した方がいいかとは思います。受験されるみなさんの幸運をお祈りします。

関連記事

試験概要:知的財産管理技能検定

外部リンク

http://www.kentei-info-ip-edu.org/

gaming voltammetry

berg

投稿者の記事一覧

化学メーカー勤務。学生時代は有機をかじってました⌬
電気化学、表面処理、エレクトロニクスなど、勉強しながら執筆していく予定です

関連記事

  1. 結晶データの登録・検索サービス(Access Structure…
  2. 非常に小さな反転障壁を示す有機リン化合物の合成
  3. ESIPTを2回起こすESDPT分子
  4. 産業界のニーズをいかにして感じとるか
  5. 光化学と私たちの生活そして未来技術へ
  6. 合成小分子と光の力で細胞内蛋白質の局在を自在に操る!
  7. 水素社会実現に向けた連続フロー合成法を新開発
  8. 「架橋ナノゲル」を応用したがんワクチンDDS

注目情報

ピックアップ記事

  1. Essential Reagents for Organic Synthesis
  2. 化合物と結合したタンパク質の熱安定性変化をプロテオームワイドに解析
  3. 化学研究で役に立つデータ解析入門:回帰分析の活用を広げる編
  4. 第十二回ケムステVシンポ「水・有機材料・無機材料の最先端相転移現象 」
  5. 洗浄ブラシを30種類試してみた
  6. ペーパーミル問題:科学界の真実とその影響
  7. 女性化学賞と私の歩み【世界化学年 女性化学賞受賞 特別イベント】
  8. ミトコンドリア内タンパク質を分解する標的タンパク質分解技術「mitoTPD」の開発
  9. SDGsと化学: 元素循環からのアプローチ
  10. ベックマン開裂 Beckmann Fragmentation

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2021年4月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

注目情報

最新記事

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

2024年の化学企業グローバル・トップ50

グローバル・トップ50をケムステニュースで取り上げるのは定番になっておりましたが、今年は忙しくて発表…

早稲田大学各務記念材料技術研究所「材研オープンセミナー」

早稲田大学各務記念材料技術研究所(以下材研)では、12月13日(金)に材研オープンセミナーを実施しま…

カーボンナノベルトを結晶溶媒で一直線に整列! – 超分子2層カーボンナノチューブの新しいボトムアップ合成へ –

第633回のスポットライトリサーチは、名古屋大学理学研究科有機化学グループで行われた成果で、井本 大…

第67回「1分子レベルの酵素活性を網羅的に解析し,疾患と関わる異常を見つける」小松徹 准教授

第67回目の研究者インタビューです! 今回は第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化す…

四置換アルケンのエナンチオ選択的ヒドロホウ素化反応

四置換アルケンの位置選択的かつ立体選択的な触媒的ヒドロホウ素化が報告された。電子豊富なロジウム錯体と…

【12月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催】 題目:有機金属化合物 オルガチックスのエステル化、エステル交換触媒としての利用

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

河村奈緒子 Naoko Komura

河村 奈緒子(こうむら なおこ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の有機化学者である。専門は糖鎖合…

分極したBe–Be結合で広がるベリリウムの化学

Be–Be結合をもつ安定な錯体であるジベリロセンの配位子交換により、分極したBe–Be結合形成を初め…

小松 徹 Tohru Komatsu

小松 徹(こまつ とおる、19xx年xx月xx日-)は、日本の化学者である。東京大学大学院薬学系研究…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP