[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

研究者のためのCG作成術①(イントロダクション)

[スポンサーリンク]

はじめまして、Naphtと申します。今回が初めての執筆となります。面白い化学の話題やCG等の作成法について紹介していきたいと思います。

イントロダクション

さて、早速ですが、CG(コンピューターグラフィックス)という言葉はご存知でしょうか。ほとんどの方が知っている言葉だとは思いますが、実際に作ったことがある人は少ないと思います。専用のソフトを使ってCG(特に3DCG)を作った経験がある人はさらに少ないのではないでしょうか。

CGで作成したモンモリロナイトの結晶構造

この理由として、CGは専門の学校で勉強したり、人から教えてもらわないと難しいことが原因だと思います。実際、独学で行うにはハードルが高く、時間がかかる作業も多いです。

この記事(連載)では、研究者のためのCG作成術を紹介したいと思います。このような記事を書く理由は二つあります。

  1. CGに対する垣根を取り払いたい。
  2. かっこいいパワポ・ポスター・TOC・Front coverが見たい。

1.は真面目な理由です。パワポのクオリティを上げるために、CGを使って図を作る人は少ないのではないのでしょうか。

実際、CGまで使ってパワポを作る人は皆無に近いので、やはりインパクトがあります。勿論、プロのイラストレーターが作るようなクオリティにするのは多大な努力が必要なので、そのレベルはプロに任せればいいと考えています。

一つ、簡単な例を出します。題材は触媒担体にナノ粒子が乗っている図です。パワポで手抜きして作った図と、CGで作った図を見比べてみてください。右の方が格好いいと思いませんか?右側にある図は、慣れれば2時間程度で作れるようになります。

2.はそのままです。この記事(連載)をきっかけとして、かっこいい図を作ってくれる人が増えてくれたらうれしいです。

 

長くなりましたが、本題です。二つ、テーマ設定をしようと思います。

テーマ① VESTA・Blenderを使用して、綺麗な結晶構造を描けるようになる。

テーマ② TOCや論文誌のカバーによくあるような画像を描く

 

まず、テーマ①で結晶構造の可視化プログラムであるVESTAや、無料のCG作成ソフトであるBlenderの使い方の基本を解説します。(全て無料でできます

テーマ②ではその応用や、細かいテクニックを説明しようと思います。

 

大学院の時に行っていた研究の関連から、作るものは触媒寄りとなりますが、ご承知おき下さい。

関連書籍

関連リンク

  • VESTA
  • Momma, K.; Izumi, F. J. Appl. Crystallogr. 2011, 44 (6), 1272–1276.DOI:10.1107/S0021889811038970
  • Blender
  • Mineralogist Crystal Structure Database:
  • Downs, R. T.; Hall-Wallace, M.  Am. Mineral. 200388 (1), 247–250.
  • Crystallography Open Database 
  • Merkys, A., Vaitkus, A., Butkus, J., Okulič-Kazarinas, M., Kairys, V. & Gražulis, S. Journal of Applied Crystallography. 2016, 49. 292-301. DOI:10.1107/S1600576715022396
  • Gražulis, S., Merkys, A., Vaitkus, A. & Okulič-Kazarinas, M. Journal of Applied Crystallography. 2015 48, 85-91. DOI:10.1107/S1600576714025904
  • Gražulis, S., Daškevič, A., Merkys, A., Chateigner, D., Lutterotti, L., Quirós, M., Serebryanaya, N. R., Moeck, P., Downs, R. T. & LeBail, A. Nucleic Acids Research 2012, 40, D420-D427. DOI: 10.1093/nar/gkr900
  • Grazulis, S., Chateigner, D., Downs, R. T., Yokochi, A. T., Quiros, M., Lutterotti, L., Manakova, E., Butkus, J., Moeck, P. & Le Bail, A. J. Appl. Cryst. 2009, 42, 726-729. DOI:10.1107/S0021889809016690

Napht

投稿者の記事一覧

企業で働く研究者。サイエンティフィックイラストレーションに興味あり。CG・TOC・Journal Coverを見るのが最近の日課

関連記事

  1. ご注文は海外大学院ですか?〜準備編〜
  2. ウコンの成分「クルクミン」自体に効果はない?
  3. 水が決め手!構造が変わる超分子ケージ
  4. 100 ns以下の超高速でスピン反転を起こす純有機発光材料の設計…
  5. 元素ネイルワークショップー元素ネイルってなに?
  6. OPRD誌を日本プロセス化学会がジャック?
  7. 銅触媒による第三級アルキルハロゲン化物の立体特異的アルキニル化反…
  8. 荷電処理が一切不要な振動発電素子を創る~有機EL材料の新しい展開…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 環状アミンを切ってフッ素をいれる
  2. スケールアップで失敗しないために 反応前の注意点
  3. 米国へ講演旅行にいってきました:Part I
  4. 液晶の薬物キャリアとしての応用~体温付近で相転移する液晶高分子ミセルの設計~
  5. ベンゼン環をつないで 8 員環をつくる! 【夢の三次元ナノカーボンの創製に向けて】
  6. フタロシアニン-化学と機能-
  7. ティム・ジャミソン Timothy F. Jamison
  8. 2017年10大化学ニュース
  9. 未来のノーベル化学賞候補者(2)
  10. 含ケイ素四員環 -その1-

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2018年10月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

【太陽ホールディングス】新卒採用情報(2025卒)

■■求める人物像■■「大きな志と好奇心を持ちまだ見ぬ価値造像のために前進できる人…

細胞代謝学術セミナー全3回 主催:同仁化学研究所

細胞代謝研究をテーマに第一線でご活躍されている先生方をお招きし、同仁化学研究所主催の学術セミナーを全…

マテリアルズ・インフォマティクスにおける回帰手法の基礎

開催日:2023/12/06 申込みはこちら■開催概要マテリアルズ・インフォマティクスを…

プロトン共役電子移動を用いた半導体キャリア密度の精密制御

第582回のスポットライトリサーチは、物質・材料研究機構(NIMS) ナノアーキテクトニクス材料研究…

有機合成化学協会誌2023年11月号:英文特別号

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2023年11月号がオンライン公開されています。…

高懸濁試料のろ過に最適なGFXシリンジフィルターを試してみた

久々の、試してみたシリーズ。今回試したのはアドビオン・インターチム・サイエンティフィ…

細胞内で酵素のようにヒストンを修飾する化学触媒の開発

第581回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院 薬学系研究科 有機合成化学教室(金井研究室)の…

カルロス・シャーガスのはなし ーシャーガス病の発見者ー

Tshozoです。今回の記事は8年前に書こうと思って知識も資料も足りずほったらかしておいたのです…

巨大な垂直磁気異方性を示すペロブスカイト酸水素化物の発見 ―水素層と酸素層の協奏効果―

第580回のスポットライトリサーチは京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻 陰山研究室の難波…

2023年度第1回日本化学連合シンポジウム「ヒューメインな化学 ~感覚の世界に化学はどう挑むか~」

人間の幸福感は、五感に依るところが大きい。化学は文明的で健康的な社会を支える物質を継続的に産み出して…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP