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モウンジ・バウェンディ Moungi G Bawendi

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モウンジ・バウェンディ (Moungi G Bawendi 1961年3月15日 パリ生まれ)はアメリカの化学者である。米国MIT教授。コロイド量子ドット研究の創始者の一人である(写真:MIT Chem)。2023年ノーベル化学賞受賞者。

経歴

1982 ハーバード大学卒業
1988 シカゴ大学博士
1988 ベル研究所博士研究員
1990 マサチューセッツ工科大学(MIT)助教授
1995 同大学准教授
1996 同大学教授

受賞歴

1991 Packard Fellowship for Science and Engineering
1994 Fellow of Alfred P. Sloan Foundation
1997 The Coblentz Award
2007 Ernest Orlando Lawrence Award
2010 ACS Award in Colloid Chemistry
2016 World Technology Awards
2020 クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞

研究業績

ナノ結晶、特に半導体ナノ結晶(別名量子ドット)の科学と応用に焦点を当てて研究を行っている。主に単一量子ドット・レベルに焦点を当てており、100psecから1msecの時間スケールで量子ドットの電子励起の動的特性をプローブする方法を開発している。

1993 年、Bawendi らのグループは、 配位性有機化合物を溶媒として有機金属化合物を熱 分解、高輝度発光をゆうする CdS、CdSe、CdTe 量子ドットを得る合成法を開発した(引用回数12000回以上)[1]

その合成は「ホットインジェクション法」と呼ばれ、最も一般的な単分散ナノ結晶の合成法であり、有機金属試薬を高温溶媒へ急速に投入することによる均一な核生成のプロセスを利用している。

紫外線(写真)で励起されると、極小粒子のコロイド懸濁液(コロイド量子ドット、CQDと呼ばれる)は、粒子サイズに応じて異なる色に蛍光を発する。

 

その後は、量子ドットの分光学的研究[2]やレーザーに関する研究[3]。ナノ材料の生物学的応用[4]、太陽電池研究[5]などに精力的に研究を展開した。また、単一分子分光法を用いた単一量子ドットの分光にも関心を寄せている[6]

コメント

  • 著者のhindexは167で、共著は626件、被引用回数は14万回を超える(Research.com調べ)。

関連動画

 

関連文献

  1. C. B., Murray  Norris D. J. and  Bawendi, M. G. “Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE ( E = S, Se, Te ) semiconductor nanocrystallites”, J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 8706-8715. DOI: 10.1021/ja00072a025
  2. Norris, D. J.; Bawendi, M. G. Measurement and Assignment of the Size-Dependent Optical Spectrum in CdSe Quantum Dots. Phys. Rev. B 1995, 53 (24), 16338–16346. DOI: 10.1103/PhysRevB.53.16338.
  3. Klimov, V. I.; Mikhailovsky, A. A.; Xu, S.; Malko, A.; Hollingsworth, J. A.; Leatherdale, C. A.; Eisler, H.-J.; Bawendi, M. G. Optical Gain and Stimulated Emission in Nanocrystal Quantum Dots. Science 2000, 290 (5490), 314–317. DOI: 10.1126/science.290.5490.314.
  4. (1) Choi, H. S.; Liu, W.; Misra, P.; Tanaka, E.; Zimmer, J. P.; Ipe, B. I.; Bawendi, M. G.; Frangioni, J. V. Renal Clearance of Quantum Dots. Nat. Biotechnol. 2007, 25 (10), 1165–1170. DOI: 10.1038/nbt1340. (2) Franke, D.; Harris, D. K.; Chen, O.; Bruns, O. T.; Carr, J. A.; Wilson, M. W. B.; Bawendi, M. G. Continuous Injection Synthesis of Indium Arsenide Quantum Dots Emissive in the Short-Wavelength Infrared. Nat. Commun. 2016, 7, 12749. DOI: 10.1038/ncomms12749 (3) Snee, P. T.; Somers, R. C.; Nair, G.; Zimmer, J. P.; Bawendi, M. G.; Nocera, D. G. A Ratiometric CdSe/ZnS Nanocrystal pH Sensor. J. Am. Chem. Soc. 2006, 128 (41), 13320–13321. DOI: 10.1021/ja0618999.
  5. Chuang, C.-H. M.; Brown, P. R.; Bulović, V.; Bawendi, M. G. Improved Performance and Stability in Quantum Dot Solar Cells through Band Alignment Engineering. Nat. Mater. 2014, 13 (8), 796–801. DOI: 10.1038/nmat3984.
  6. Empedocles, S. A.; Neuhauser, R.; Shimizu, K.; Bawendi, M. G. Photoluminescence from Single Semiconductor Nanostructures. Adv. Mater. 1999, 11 (15), 1243–1256. DOI: 10.1002/(SICI)1521-4095(199910)11:15<1243::AID-ADMA1243>3.3.CO;2-U.

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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