[スポンサーリンク]

ケムステニュース

米デュポンの第2四半期は減益、市場予想を下回る

[スポンサーリンク]

米化学大手デュポンが24日発表した第2・四半期決算は、利益が9億7200万ドル(1株当たり1.04ドル)で、前年同期の9億7500万ドル(同1.04ドル)から小幅減少し、市場予想を下回った。海外市場の好調にもかかわらず、米住宅・自動車市場の低迷を受け需要が減退したほか、エネルギー・原材料コスト高で販売価格引き上げ効果が薄れた(引用:朝日新聞)。

 

昨年度通期で大幅な増益であったデュポン。今期の予想は、穏やかな増益を掲げていました。第1・四半期は純営業利益は15%増であったため、第2・四半期は一休みでしょうか。ちょっとだけその内容を見てみましょう。

 

ニュースで報道があるようにバイオ燃料によりトウモロコシ種子の需要が伸びています。そのためアナリストはデュポンの農業部門の好調により他の部門がいまいちであっても、業績は伸びるという予想でした。

 

実際デュポンのトウモロコシ種子の売り上げは2ケタ増。しかし、売り上げは2%伸びただけでした。その理由にライバル会社の台頭があります。トウモロコシ種子の売り上げで米国で第二位のモンサントがトウモロコシ種子のシャアを急速に伸ばしているのです。下のグラフはデュポンと、モンサントのトウモロコシ種子のシェア(%)になります。

 

graph-dd-mon.jpg
トウモロコシ種子のシェア(2000年と2007年)
?

2000年は圧倒的にデュポンが勝っていたのですが、2007年になるとほぼ同等までモンサントがシャアを伸ばしています。実際、モンサントの現四半期のモンサントの農業部門は71%増収でした。

 

エネルギーや原材料の価格上昇も収益性に悪影響を及ぼしたことも否定できませんがこれが主な原因です。さらに、他の部門は若干の減益となり、今回の結果となりました。ただ、今期は緩やかな増益を見込んでいるデュポンにとっては問題はなさそうです。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4798019666″ locale=”JP” title=”図解入門 よくわかる最新バイオ燃料の基本と仕組み―次世代エネルギーの動向がわかる バイオマス燃料の現在・未来・課題 (How‐nual Visual Guide Book)”]

 

外部リンク

米国のトウモロコシ需要増と 米・中・日穀物貿易への影響(PDFファイル)

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 武田薬品、高血圧治療剤が米で心不全の効能追加
  2. 2014年化学10大ニュース
  3. 超高性能プラスチック、微生物で原料を生産
  4. 化学かるた:元素編ー世界化学年をちなみ
  5. 有望ヘリウム田を発見!? ヘリウム不足解消への希望
  6. 砂糖から透明樹脂、大阪府立大などが開発に成功
  7. 元素周期表:文科省の無料配布用、思わぬ人気 10万枚増刷、100…
  8. 何を全合成したの?Hexacyclinolの合成

注目情報

ピックアップ記事

  1. もう別れよう:化合物を分離・精製する|第5回「有機合成実験テクニック」(リケラボコラボレーション)
  2. 光薬理学 Photopharmacology
  3. 毛染めでのアレルギー大幅低減へ ~日華化学がヘアカラー用染料開発~
  4. 重いキノン
  5. 有機合成化学協会誌2024年11月号:英文特集号
  6. 3Mとはどんな会社?
  7. 力を受けると蛍光性分子を放出する有機過酸化物
  8. 高橋 大介 Daisuke Takahashi
  9. おまえら英語よりもタイピングやろうぜ ~上級編~
  10. 『鬼滅の刃』の感想文~「無題」への回答~

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年7月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP