[スポンサーリンク]

ケムステニュース

【第一三共】抗血小板薬「プラスグレル」が初承認‐欧州で販売へ

[スポンサーリンク]

第一三共は23日、抗血小板薬「エフィエント」(一般名:プラスグレル)について、欧州委員会から販売承認を取得したと発表した。今後の販売スケジュールは未定だが、数週間以内に欧州13カ国で米イーライリリーと共同販促を開始する予定。

エフィエントは、第一三共とイーライリリーが共同開発をしている抗血小板薬で、経皮的冠動脈形成術(PCI)施行の急性冠症候群(ACS)を適応症に、昨年12月18日に欧州医薬品委員会から承認勧告を受けていた(引用:薬事日報)。

 プラスグレル(prasugrel)は、第一三共と宇部興産株式会社が発見し、第一三共とイーライリリーが共同開発している経口抗血小板剤であり、メバロチン以来の大型医薬として第一三共が力を入れている医薬品です。


抗血小板剤として有名なものは?サノフィ・アベンティスが販売しているプラビックス(一般名:クロピトグレル clopidogrel )。なんと世界でリピトールについで第二番目に売れている薬です。clopidogrel.gif

 プラピックスはチエノピリジン系としてADP による受容体を介したアデニールシクラーゼの活性抑制を阻害することにより,血小板内 のcAMPを増加させます。増加したcAMPは血小板内の遊離カルシウムイオン濃度上昇を抑制して血小板凝集抑制作用を呈することとなります。さらに細胞膜のGPIIbIIIa受容体へのフィブリノーゲンの結合を抑制することによって も血小板の凝集も抑制します。
 今回第一三共の開発したプラスグレルは構造類似品で同様な作用機序であるため、プラピックスよりも売れることは難しいかもしれませんが、世界第二位の医薬品の3割近くは売上があがるのではないかと予想されています。ちなみにプラピックスの2007年度の売上高は約83億ドル。第一三共業績回復なるか?

関連リンク

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4787820613″ locale=”JP” title=”抗血栓薬クリニカルクエスチョン100″]
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. アルツハイマー薬で副作用死
  2. 反応開発における顕著な功績を表彰する「鈴木章賞」が創設 ―北海道…
  3. 全薬工業とゼファーマ、外用抗真菌薬「ラノコナゾール」配合の水虫治…
  4. NIMS WEEK2021-材料研究の最新成果発表週間- 事前登…
  5. Eリリーの4-6月期は19%減益、通期見通し上方修正
  6. 子ども向け化学啓発サイト「うちラボ」オープン!
  7. 大鵬薬品、米社から日本での抗癌剤「アブラキサン」の開発・販売権を…
  8. 石油化学プラントの設備内部でドローンを飛行する実証事業を実施

注目情報

ピックアップ記事

  1. モノクローナル抗体を用いた人工金属酵素によるエナンチオ選択的フリーデル・クラフツ反応
  2. 人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには
  3. カーボンナノチューブの毒性を和らげる長さ
  4. 光線力学療法 Photo Dynamic Therapy (PDT)
  5. 赤外光で分子の結合を切る!
  6. アセトアミノフェン Acetaminophen
  7. ケミカルタイムズ 紹介記事シリーズ
  8. 第133回―「遺伝暗号リプログラミングと翻訳後修飾の研究」Jason Chin教授
  9. 高分子マテリアルズ・インフォマティクスのための分子動力学計算自動化ライブラリ「RadonPy」の概要と使い方
  10. 細胞を模倣したコンピューター制御可能なリアクター

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年2月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
232425262728  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP