[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」②

[スポンサーリンク]

 

「極限からの一手」コーナーでは筆者の独断と偏見に基づき、全合成における優れた問題解決とその発想を紹介してみたいと思います。困難に直面した全合成化学者がいかにして創造的発想からの解決に至ったか、それを追体験できるようなクイズ形式にしています。

第2回は、E.J.Coreyらによるβ-Araneoseneの全合成(2005)を紹介したいと思います。

(※過去の問題はこちら:

  本合成では中間体Aからピナコール転位により天然物骨格Cを得ようとしたが、望みのbycyclo[9.3.0]骨格ではなく、bicyclo[9.2.1]骨格をもつBが得られてしまった。

Coreyらは中間体Aに適切な変換を施すことで、この転位反応を見事成功に導いている。どのような変換もしくは工夫を行えば、望む骨格Cが得られるだろうか。 ピナコール転位の反応機構をもとに提案せよ。

next_move_2q_1.gif

解答はこちら

 

関連書籍

 

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 計算化学:汎関数って何?
  2. 化学Webギャラリー@Flickr 【Part5】
  3. 有機合成化学協会誌2022年1月号:無保護ケチミン・高周期典型金…
  4. 若手研究者vsノーベル賞受賞者 【基礎編】
  5. 化学者のためのエレクトロニクス入門③ ~半導体業界で活躍する化学…
  6. リンだ!リンだ!ホスフィン触媒を用いたメチルアミノ化だ!
  7. 高純度フッ化水素酸のあれこれまとめ その1
  8. 有機化合物で情報を記録する未来は来るか

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第120回―「医薬につながる複雑な天然物を全合成する」Richmond Sarpong教授
  2. タンパク質機能をチロシン選択的な修飾で可逆的に制御する
  3. ポンコツ博士の海外奮闘録⑬ ~博士,コロナにかかる~
  4. 可視光酸化還元触媒 Visible Light Photoredox Catalyst
  5. クロスカップリング反応にかけた夢:化学者たちの発見物語
  6. 始まるPCB処理 利便性追求、重い代償
  7. ジェイコブセン速度論的光学分割加水分解 Jacobsen Hydrolytic Kinetic Reasolution (Jacobsen HKR)
  8. 石見銀山遺跡
  9. トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(III):Lanthanum(III) Trifluoromethanesulfonate
  10. 米FDA立て続けに抗肥満薬承認:Qsymia承認取得

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年9月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

注目情報

最新記事

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜

2023年より全研究領域で修士卒研究職の採用を開始した産業技術総合研究所(以下 産総研)ですが、20…

有機合成化学協会誌2024年4月号:ミロガバリン・クロロププケアナニン・メロテルペノイド・サリチル酸誘導体・光励起ホウ素アート錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年4月号がオンライン公開されています。…

日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました

3月28日から31日にかけて開催された,日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました.筆者自…

キシリトールのはなし

Tshozoです。 35年くらい前、ある食品メーカが「虫歯になりにくい糖分」を使ったお菓子を…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP