[スポンサーリンク]

B

ブヘラ・ベルクス反応 Bucherer-Bergs reaction

[スポンサーリンク]

 

概要

カルボニル化合物とシアン化カリウムもしくはシアノヒドリンと炭酸アンモニウムを作用させることで、ヒダントイン化合物を合成する手法。

基本文献

  • Bergs H, DE,566,094, 1929
  • Bucherer, H. T.; Fischbeck, H. T.; J. Prakt. Chem. 1934140, 69.
  • Bucherer, H. T.; Steiner, W. J. Prakt. Chem. 1934140, 291.
  • Ware, E. Chem. Rev. 1950, 46, 403. doi:10.1021/cr60145a001
  • Rousset, A. et al. Tetrahedron 1980, 36, 2649. doi:10.1016/0040-4020(80)80137-2
  • Sarges, R. et al. J. Med. Chem. 1990, 33, 1859. DOI: 10.1021/jm00169a005

 

開発の歴史

1929年、アルデヒドもしくはケトンとシアン化カリウム、炭酸アンモニウム、二酸化炭素を作用させ、5位が置換されたヒダントイン化合物が合成できることを報告した(特許)。その後、1934年ドイツの化学者Buchererによって同反応が報告された。Buchererは本反応の他にナフトールとヒドラジンを亜硫酸水素ナトリウム中で加熱し、カルバゾールを合成する手法(Buchererカルバゾール合成)とナフトールに亜流粗酸ナトリウム中アンモニアを作用させることによりナフチルアミンに変換する反応(Bucherer 反応)を発見している。

Hans Theodor Bucherer

Hans Theodor Bucherer

 

反応機構

bucherer_bergs_2.gif

反応例

実験手順

実験のコツ・テクニック

参考文献

  • Sarges,  R.; Goldstein, S. W.;  Welch, W. M. J. Med. Chem., 1990, 33, 1859. DOI: 10.1021/jm00169a005

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. Aza-Cope転位 Aza-Cope Rearrangemen…
  2. ロビンソン環形成反応 Robinson Annulation
  3. ベンジル保護基 Benzyl (Bn) Protective G…
  4. 有機銅アート試薬 Organocuprate
  5. グロブ開裂 Grob Fragmentation
  6. N-オキシドの合成 Synthesis of N-oxide
  7. フェティゾン試薬 Fetizon’s Reagent…
  8. シャレット不斉シクロプロパン化 Charette Asymmet…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 日本薬学会第139年会 付設展示会ケムステキャンペーン
  2. 【解ければ化学者】ビタミン C はどれ?
  3. 酸と塩基のつとめを個別に完遂した反応触媒
  4. デヴィッド・ニセヴィッツ David A. Nicewicz
  5. 光有機触媒で開環メタセシス重合
  6. アレックス・ラドセヴィッチ Alexander Radosevich 
  7. ケージド化合物 caged compound
  8. カリコ― カタリン Karikó Katalin
  9. テクノシグマのミニオイルバス MOB-200 を試してみた
  10. Z-選択的オレフィンメタセシス

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年2月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28  

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2023年9月号:大村天然物・ストロファステロール・免疫調節性分子・ニッケル触媒・カチオン性芳香族化合物

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2023年9月号がオンライン公開されています。…

ペプチドの精密な「立体ジッパー」構造の人工合成に成功

第563回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院 工学系研究科応用化学専攻 藤田研究室の恒川 英…

SNS予想で盛り上がれ!2023年ノーベル化学賞は誰の手に?

さてことしもいよいよ、ノーベル賞シーズンが到来します!化学賞は日本時間 10月4日(水) 18時45…

ケムステ版・ノーベル化学賞候補者リスト【2023年版】

各媒体からかき集めた情報を元に、「未来にノーベル化学賞の受賞確率がある、存命化学者」をリストアップし…

DMFを選択的に検出するセンサー:アミド分子と二次元半導体の特異な相互作用による検出原理を発見

第562回のスポットライトリサーチは、大阪府立大学(現:大阪公立大学)大学院 工学研究科 電子・数物…

イグノーベル賞2023が発表:祝化学賞復活&日本人受賞

今年もノーベル賞とイグノーベル賞の季節がやってきました。今年もケムステではどちらについても全速力で記…

ポンコツ博士の海外奮闘録XXII ~博士,海外学会を視察する~

ポンコツシリーズ国内編:1話・2話・3話国内外伝:1話・2話・留学TiPs海外編:1話・…

マテリアルズ・インフォマティクスの導入・活用・推進におけるよくある失敗とその対策とは?

開催日:2023/09/20 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

第40回ケムステVシンポ「クリーンエネルギーの未来を拓く:次世代電池と人工光合成の最新動向」を開催します!

まだ暑いですが、秋の気配は感じられていますでしょうか。2020年初頭から…

材料開発の未来を語る、マテリアルズ・インフォマティクスに特化したカンファレンスが9/26(火)開催!

【参加無料】詳細・視聴予約はこちら今まさに、第一線で活躍しているマテリアルズ・インフォマティクス…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP