[5,5]カーボンナノチューブ合成への応用
コランヌレンはお椀型の特異な構造を持つ多環状芳香族化合物の一種です。Scottらはコランヌレンを出発物質として用い,気相熱分解法(FVP)によるポリアレーン化合物の合成を報告しています。このポリアレーン化合物はエンドキャップされた[5,5]カーボンナノチューブに相当するため,このポリアレーン化合物をテンプレートとしてチューブを伸長させることにより,[5,5]カーボンナノチューブの化学合成が可能になるものと期待されています。
L. T. Scott, E. A. Jackson, Q. Zhang, B. D. Steinberg, M. Bancu, B. Li, J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 107.