[スポンサーリンク]

archives

メーカーで反応性が違う?パラジウムカーボンの反応活性

[スポンサーリンク]

水添反応でお馴染みのパラジウムカーボン(Pd/C)。研究者は普段何気なく使っているものですが、意外にその反応活性には目を向けられていないものです。

具体的に言うと、パラジウムカーボンは製造するメーカーに依って製造方法が異なっているため反応の活性に違いが生じていることがあるのです。

今回、実際にどれほどの差が製造するメーカーの違いで出てくるのか活性を比較しました。比較試験は和光純薬工業(株)の試薬研究所で評価しています。比較対象はパラジウムカーボンを取り扱うメーカーを3社選びました。(N.E. CHEMCAT社、ほかをA社、B社)

評価方法は水添反応では一般的なオレフィン・ベンジルエーテル・ニトロ化合物を用い、水素接触還元反応にて性能を評価しています。

反応の活性比較

・オレフィンの還元反応

いずれのパラジウムカーボンも反応は1時間以内で完結することが出来ています。

その中でもN.E. CHEMCAT社のパラジウムカーボンは他社と比べて約半分の時間で反応を完結できたという結果になりました。

olefin

・ベンジルエーテルの脱保護

ベンジルエーテルの脱保護はA社では反応が全く進んでいませんでした。パラジウムカーボンのタイプにも依りますが、製造元の違いで反応の活性にこれほどの違いがでたのは予測していた以上の結果です。

benzylether

・ニトロ基(芳香族)の還元

ニトロ基の還元においても、N.E. CHEMCAT社の製品が反応を速く完結しています。

評価の方法は各社様々なタイプを扱っているので限定的な試験ではありましたが、今回の評価ではいずれの反応においてもN.E. CHEMCAT社のパラジウムカーボンが反応を早く進行させることができ、良好な結果を得ることができました。

ちなみに、N.E. CHEMCAT社のパラジウムカーボンは和光純薬工業を通して小包装の試薬サイズからkg以上のサイズも購入することができます。

amino

試薬選択の基準

製品種ごとの反応性の違いはこちらをみればわかります。

kassei

※上図は製品の参考データです。

製品選びの目安はtype STD (スタンダードの略)が最も一般的な製品なのでそれを基準に選ぶと良いようです。

用途に合わせた様々なシリーズがあるのもN.E. CHEMCAT社の特長の一つであり、全て含水品なので空気中で安心して使えることも利点です。

おわりに

最も好評価だったN.E. CHEMCAT社の製品は用途に合せたシリーズも揃っていて、試薬サイズから製造スケールまで供給できます。この機会に一度検討してみてはいかがでしょうか?

コードNo. 品 名 含水率 容 量 希望納入価格(円)
164-26971 Pd/C, type STD (Pd 5%)(wetted with water) 約55% 5 g 4,500
162-26972 25 g 14,000
160-26973 100 g 45,000
168-26991 Pd/C, type K (Pd 5%)(wetted with water) 約55% 5 g 4,500
166-26992 25 g 14,000
164-26993 100 g 45,000
165-27001 Pd/C, type NX (Pd 5%)(wetted with water) 約50% 5 g 5,000
163-27002 25 g 15,000
161-27003 100 g 47,000
166-27271 Pd/C, type PE (Pd 5%)(wetted with water) 約55% 5 g 4,500
164-27272 25 g 14,000
162-27273 100 g 45,000
163-27281 Pd/C, type E (Pd 5%)(wetted with water) 約55% 5 g 4,500
161-27282 25 g 14,000
169-27283 100 g 45,000
163-27041 Pd/C, type PE (Pd 10%)(wetted with water) 約55% 5 g 5,900
161-27042 25 g 18,000
169-27043 100 g 60,000
162-27011 Pd/C, type NX (Pd 10%)(wetted with water) 約50% 5 g 6,500
160-27012 25 g 19,000
168-27013 100 g 62,000
167-27061 Pd/C, type UR (Pd 20%)(wetted with water) 約50% 5 g 9,000
165-27062 25 g 29,000
163-27063 100 g 100,000
169-27021 Pd/C, type NX (Pd 20%)(wetted with water) 約50% 5 g 9,000
167-27022 25 g 29,000
165-27023 100 g 100,000
014-26021 ASCA-2 (wetted with water) 約50% 5 g 5,500
012-26022 25 g 15,000
010-26023 100 g 47,000
166-27031 Pt/C, type STD (Pt 3%)(wetted with water) 約55% 5 g 5,000
164-27032 25 g 15,000
162-27033 100 g 47,000
164-27071 Pt/C, type SN101 sulfided (Pt 3%)(wetted with water) 約58% 5 g 5,500
162-27072 25 g 16,000
160-27073 100 g 49,000
181-03141 Ru/C, type A (Ru 5%)(wetted with water) 約50% 5 g 3,500
189-03142 25 g 9,000
187-03143 100 g 26,000
188-03151 Ru/C, type B (Ru 5%)(wetted with water) 約50% 5 g 3,500
186-03152 25 g 9,000
184-03153 100 g 26,000
Avatar photo

富士フイルム和光純薬

投稿者の記事一覧

「次の科学のチカラとなり、人々の幸せの源を創造する」
みなさまの研究開発を支えるチカラとなるべく、
これからも高い技術とクオリティで、次代のニーズにお応えします。
Twitterでの情報提供を始めました。

関連記事

  1. 世界最高の活性を示すアンモニア合成触媒の開発
  2. 官能基化オレフィンのクロスカップリング
  3. 未来のノーベル化学賞候補者(2)
  4. マイクロフロー瞬間pHスイッチによるアミノ酸NCAの高効率合成
  5. Chemical Science誌 創刊!
  6. こんなのアリ!?ギ酸でヒドロカルボキシル化
  7. 光触媒を用いたC末端選択的な脱炭酸型bioconjugation…
  8. 10-メチルアクリジニウム触媒を用いたBaeyer-Villig…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 唾液でHIV検査が可能に!? 1 attoモル以下の超高感度抗体検出法
  2. ロベルト・カー Roberto Car
  3. ヒドロメタル化 Hydrometalation
  4. Rではじめるケモ・マテリアルズ・インフォマティクスープログラミング・ノックで基礎を完全習得ー
  5. Reaxys Ph.D Prize2014ファイナリスト45名発表!
  6. 世界初!ラジカル1,2-リン転位
  7. 四角い断面を持つナノチューブ合成に成功
  8. 第16回日本化学連合シンポジウム「withコロナ時代における化学への期待」
  9. 自己修復性高分子研究を異種架橋高分子の革新的接着に展開
  10. 並行人工膜透過性試験 parallel artificial membrane permeability assay

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年11月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

注目情報

最新記事

CIPイノベーション共創プログラム「有機電解合成の今:最新技術動向と化学品製造への応用の可能性」

日本化学会第106春季年会(2026)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「有機電解合…

CIPイノベーション共創プログラム「世界を変えるバイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第106春季年会(2026)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「世界を変え…

年会特別企画「XAFSと化学:錯体, 触媒からリュウグウまで –放射光ことはじめ」

放射光施設を利用したX線吸収分光法(XAFS)は、物質の電子状態や局所構造を元素選択的に明らかにでき…

超公聴会 2026 で発表します!!【YouTube 配信】

超公聴会は、今年度博士号を取得する大学院生が公聴会の内容を持ち寄ってオンライン上で発表する会です。主…

日本化学会 第104春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part II

さて、Part Iに引き続きPart II!年会をさらに盛り上げる企画として、2011年より…

凍結乾燥の常識を覆す!マイクロ波導入による乾燥時間短縮と効率化

「凍結乾燥は時間がかかるもの」と諦めていませんか?医薬品や食品、新素材開発において、品質を維…

日本化学会 第104春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part I

まだ寒い日が続いておりますが、あっという間に3月になりました。今年も日本化学会春季年会の季節です。…

アムホテリシンBのはなし 70年前に開発された奇跡の抗真菌薬

Tshozoです。以前から自身の体調不良を記事にしているのですが、昨今流行りのAIには産み出せな…

反応操作をしなくても、化合物は変化する【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか温度を測ること…

ジチオカーバメートラジカル触媒のデザイン〜三重項ビラジカルの新たな触媒機能を発見〜

第698回のスポットライトリサーチは、名古屋大学大学院工学研究科(大井研究室)博士後期課程1年の川口…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP