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真空ポンプ

合成実験で、溶媒を留去する際などになくてはならない器具が真空ポンプである。真空ポンプにはたくさんの種類があり、ここではどの研究室にもあるあたり前なポンプから、あると便利なものまで紹介する。

真空ポンプの基礎知識

真空ポンプとは、容器内から期待を排出して低圧にする装置である。どれだけ多くの気体を排出できるかを示す排気速度とどれだけ低い圧力まで到達できるかを示す到達圧力がポンプの性能を見るうえで重要である。

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佐藤真空の製品コードの読み方:排気速度と到達力がコードによって判別できる

ポンプによっては、圧力範囲が決まっていてほかのポンプと組み合わせて使うものもある(特に高真空を得ることができるポンプ)。

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ポンプの作動圧力範囲(紹介していないポンプも含まれる)

油回転真空ポンプ

実験室では、オイルポンプなどと呼ばれている。内部のローターが回転して動くためロータリーポンプとも呼ばれている。合成の実験ではとても一般的なポンプで、多くの合成で使う溶媒を室温で気化できるほどの圧力に到達できるので、生成物の最終乾燥や器具、固体の真空乾燥に使われる。価格は、15万円から30万円ほどのが一般的である。同じシリーズで見ると高価なものほど排気速度が大きくなり到達圧力はさほど変わらない

ポンプオイルを使用しているため、オイルのケアを怠るとすぐ壊れる(真空ポンプはなぜ壊れる?)。圧力が高い状態(=気体がたくさんある状態)で長時間回すとオイルが排気側からミストとして排気されてしまう。ミストは体に有害であるしオイルがすぐになくなってしまう。ベルト駆動式のポンプは、ベルトも定期的なチェックが必要。

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佐藤真空のオイルポンプ

 

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オイルミストトラップ

ダイアフラムポンプ

減圧濾過やロータリーエバポレーターのポンプとして使われるダイアフラムポンプは、弁の上下運動と逆止弁の組み合わせにより気体を排出するポンプのことである。安価なものは1万円から10万円ほどで購入することができる。大気圧で長時間使用しても問題ないので調整弁をつけて圧力を手軽に調整できる。しかし、到達圧力はオイルポンプより高いので、溶媒を完全に留去することは難しい。溶媒を含んだ蒸気をたくさん通すと、内部のパーツが壊れやすくなるので、ポンプの前にコールドトラップを入れるなどして溶媒の通過を防いだほうが良い。使用後は、新鮮な空気でから回しすると長持ちするらしい。

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調整つまみ付きダイアフラムポンプ

メカニカルブースターポンプ

オイルポンプ使用時に排気速度を大幅に向上させるポンプである。繭型の一対のローターを回転させることで気体の排出を促進させる。デッドボリュームが大きいガラス器具を真空気にする場合には早く低圧に到達できる。単体では使用できないのでオイルポンプなどと同時に使用する。単体で30万円から40万円ほどする。

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オイルポンプとメカニカルブースターポンプとの組み合わせ:上部のがメカニカルブースターポンプである。

油拡散ポンプ

油拡散ポンプは、下部のヒーターで熱せられたジェット状の拡散オイル蒸気は、超音速に到達して分子を捕獲し10-5から10-9 Torrほどの高真空を作り出す。大気圧下で作動させるとオイルが逆流するためオイルポンプを補助ポンプとして使う。pump_large

ターボ分子ポンプ

ターボ分子ポンプは、羽が1秒間で数万回という速度で回転し気体を排出する。到達圧力は10-10Torrほどである。精密に設計された羽が高速で回転するため振動に弱い。補助ポンプが必要で、急に圧力が上昇すると羽が壊れる。価格は80万円ほどからで高価なポンプである。油拡散ポンプと共に高沸点の化合物を気化させるのに便利である。

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ターボ分子ポンプ

真空下での自由落下実験を行ったNASAのSpace Power Facilityには、五台のターボ分子ポンプ(排気速度2200 L/s 通常のは多くて数百L/s)と1648台の油拡散ポンプ(排気速度700,000 L/s 通常のは多くて数千L/s)などが使われていて、6時間で大気圧から10-3torrまで到達する。

高真空(=低圧力)を得ることができるポンプは、触れることはなくても分析機器に組み込まれていることがあり、例えばターボ分子ポンプは、GC-MSのMS部で使われている。

 

関連リンク

  • 真空ポンプ.com: 様々なポンプについて解説しているサイトポンプ大手のアルバックが運営
  • 真空ポンプ:Wiki 一覧では、ここで紹介したポンプ以外にも載せられている

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